難病と闘う中高年の星 44マグナム梅原達也の“絶唱”ライブ

難病と闘う中高年の星 44マグナム梅原達也の“絶唱”ライブ

2時間強のステージを歌い切った/(C)土屋京輔

「まだまだだ」と、叫び、跳びはねる。若年性パーキンソン病と闘うロッカー、梅原達也(56)が若者たちでごった返す24日の渋谷の夜に登場、メインボーカルを務めるバンド「44マグナム」とステージに上がった。

 会場のライブハウス「スターラウンジ」には、黒革ジャンに長髪、金髪といったスタイルの中高年が長蛇の列をつくった。

「何の騒ぎ?」とクリスマスで浮き立つ通行人の目を引くなか、開場し扉が閉まった途端、世界が変わる。白いスモークと色とりどりのライトの中で梅原は「久しぶりだね。元気?」と客席に語りかけ、「思い切りハメを外してくれ。俺たちもハメ外す」と爆音のギター、ドラムを凌駕するような高音を響かせた。

 パーキンソン病の公表から11年。頭の中に電極を埋め込み、脳神経を制御する大手術に踏み切った昨夏から懸命のリハビリで復活した梅原だが、このところ体調不良が続き、日常生活にも支障が出るような状況だったが、そうした様子はライブではみじんも見せない。ラストの「サティスファクション」まで2時間強、ジャンプしながら歌い切った。

■「もっと動き回れないとダメなんだ」

 音楽ライターの土屋京輔氏が言う。

「今年4月、電極手術を終えて初のステージでは、予想していた以上の復調ぶりに驚かされました。ところが終演後の楽屋では『もっと動き回れないとダメなんだ』と何度も口にされていたんですね。涙なしには聞けない言葉でしたが、今日のライブでは歌声にしても何にしても、また力強さが戻ってきていた。おそらくこちらの想像を絶する過酷なトレーニングを重ねているのだと思います」

 44マグナムはメジャーデビューから来年35年のハードロックバンドで、X JAPANなど、ビジュアル系バンドの先駆けとしても知られる。日本のロックシーンに大きな影響を与え、この日も後輩ミュージシャンが多数足を運んでいた。

「あまり公にはしていませんが、梅原さんを応援しようと、ギャラなしで共演するミュージシャンが少なくないんです」(芸能プロデューサーの野島茂朗氏)

 梅原はこう言った。

「病気になったことで、いろいろな人に出会い、たくさんの勇気をもらいました。ありがとう。中途半端なバンドかもしれないけど、35年経っても44マグナムを聴いてくれてありがとう」

 来年4月には東京と大阪でライブを行う。何度倒れても立ち上がる往年のロックおやじは、頑張る中高年たちの星である。


関連記事(外部サイト)