俺が「オフィス北野」の専務になったいきさつ【ダンカンの笑撃回顧録】

俺が「オフィス北野」の専務になったいきさつ【ダンカンの笑撃回顧録】

ダンカン(C)日刊ゲンダイ

【ダンカンの笑撃回顧録】#12

 クルクルクル〜クルクルカタン!! 

 おっ、今回は、えっ、目の前に名刺? ウムム! と手に取れば「株式会社オフィス北野 専務取締役 飯塚実(ダンカン)」、あ、俺の名刺だー!! ってことは、今は令和元年、現代ってことかァ! オフィス北野の専務(副社長)なのです。 たけしさんの事務所独立から始まって、たけし軍団がマスコミ宛てに前オフィス北野を糾弾する声明文を出す一連の騒動があった末に、2018年末、正式に、新オフィス北野となり、社長につまみ枝豆、そして専務に俺が就任したのだった。

 だけど、現実社会でこんなことって、あり得ると思います? ドラマや映画で貧しき男が実は王様であったりとか、普通に出会った女性が大スターであったりとか、時折ありますが、ある朝、目覚めたら専務って……。

 いや、冗談ではなく正式に専務になることを知ったのは、自宅で取っているスポーツ新聞の芸能面を、その朝、めくった時だったのです。そこにはかなり大きなスペースを使い、たけしさんの写真入りで「オフィス北野 枝豆社長、ダンカン専務」の記事が載っているじゃあ〜りませんか!!

 60歳、還暦を迎えて、そろそろゆっくりと生活でも……と思っている矢先に、専務って……。そもそも俺、生まれてこの方、一度も就職したことがないのです。

 アルバイトは若いころにいくつかしたけど、通勤とか、タイムカードとか、月給とか、ボーナスとか、一切無縁の芸能界一筋だから、経営の「け」の字も知らない、ほとんど中学1年生くらいのレベルの人間なのだ。

 しかし、あの天下の北野武、我々が殿とあがめるたけしさんのご指名ならば、「ここでやらなきゃ男がすたる!」、そして、たけしさんの独立後に、事務所を去ったタレントもいたが、それでも残ってくれた30人ほどのタレントを放り出すわけにはいかない!! ということで、枝豆社長と額に脂汗、眉間にシワ寄せ、二人三脚で日夜、超微力の奮闘を繰り広げているのです(協力してくれているスタッフや関係者の皆さまに、この場を借りて感謝申し上げます)。

 とにかく、すべてが俺にとっては未知の世界であった。例えば、名刺の出し方ひとつ分からなかったどころか、名刺を入れる名刺入れの存在さえ知らなかったのである。

 Hマネジャーから専務就任の祝いとして名刺入れを贈られたものの、ある時、名刺を差し出したら「へ〜、ダンカンさんて本名、山川さんておっしゃるんですか」「えっ、飯塚ですが……」と返答し、渡した名刺を見れば、その前に会って、いただいた方の名刺を出しているという始末……。

 そんなこんなの1年が過ぎようとしている。さて、この枝豆社長とダンカン専務の船はどんな航海をするのでしょうか?

 座礁、沈没は免れたいよー。どなたか、わが社にお仕事ください!!

(ダンカン/お笑いタレント・俳優・放送作家・脚本家)

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