初回視聴率19.1%「麒麟がくる」好発進はご祝儀か本物か? 評価や注文の声が

初回視聴率19.1%「麒麟がくる」好発進はご祝儀か本物か? 評価や注文の声が

長谷川博己と川口春奈(C)日刊ゲンダイ

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の第1回が19日に放送され、平均視聴率は19・1%の好発進。同時間帯のライバルである「ポツンと一軒家」(テレビ朝日系)=16・1%、「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)=15・6%を抑え、堂々のトップに立った(ビデオリサーチ調べ、関東地区=以下同)。

 昨年の「いだてん」は、年間平均視聴率8・2%で、大河ドラマ史上ワースト。「麒麟」も出演予定だった沢尻エリカ被告(33)が、昨年11月に麻薬取締法違反の罪で逮捕されたことで、川口春奈(24)を代役に立て撮り直しを余儀なくされ、2週間遅れのスタートとなった。リベンジを果たしたいところにのっけからミソをつけた格好で、初回視聴率が注目されていた。

 しかしフタを開けてみれば、2016年の「真田丸」(初回19・9%)以来となる好スタート。関係者はひとまず胸をなでおろしているハズだ。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野氏はこう話す。

「撮り直しなどのバタバタが視聴者の興味をそそった部分はあったでしょうね。しかし時代劇未経験で代役を引き受けた川口さんはあっぱれです。内容面でいえば、戦国武将の中でも明智光秀は、有名だけど史実は少なく不明な部分が多いんです。“本能寺の変で謀反を起こし織田信長を殺した裏切り者”という一面的な捉え方がされることも多い中、原作のないオリジナル脚本で『光秀をこうした人物だと受け止めて、きっちりと描く』という制作側の骨太な意思を感じました。ドシンとした重厚な大河ドラマになりそうです」

 ペリー氏は「いだてん」が大河ドラマの新しい形を目指していたのに対し、「麒麟」は「歴史大河ドラマの王道」だという。一方、作家の麻生千晶氏はこう話す。

「初回19・1%はたいしたものです。大河に正統派時代劇が戻ってきたと言えるでしょう。光秀はかつては脂ギトギトの肉食系として描かれることもありましたが、長谷川博己さん演じる光秀は、さわやかな草食系。舞台人だけに声もよく通ります。そんな光秀が今後、どのようにして悲劇の主人公となっていくのか、ある種の成長物語となっていて、うまい出だしだなと思いました。脚本を担当する池端俊策さんは、人間の光と影、特に負の部分を描くのに長けた方です。4K・8K対応のカラフルで鮮やかな色彩に比して、今後、人間の陰の部分が描かれていくでしょう」

■鍵は細かいリアリティー

 ただし「注文を付けたいところもある」として麻生氏はこう続ける。

「細かいところですが、リアリティーに欠ける部分が2カ所ほどありました。最後の火事のシーンで、遠景で家が燃え盛っていて、その手前で光秀と門脇麦さん演じる駒が“麒麟”の意味を説明するシーンがありました。ドラマチックにするための演出だと思いますが、まだ家が燃えているのに、誰も消火にあたっていないのはやはりおかしい。もうひとつ。吉田鋼太郎さん演じる松永久秀と光秀が酒を飲むシーンで、光秀は“路銀(旅費)はここにある”と懐を叩いてみせますが、暴漢だらけの戦国時代に初対面相手にあんなことをするはずはありません」

 好発進はご祝儀か、川口春奈見たさのやじ馬根性か、ホンモノか。第2回が楽しみである。

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