槇原容疑者逮捕で論争に「世界に一つだけの花」が“放送禁止”になる日

槇原容疑者逮捕で論争に「世界に一つだけの花」が“放送禁止”になる日

槇原敬之容疑者(C)日刊ゲンダイ

歌手の槇原敬之(本名・範之)容疑者(50)が、覚醒剤など所持の疑いで逮捕されたことで「作品と犯罪は別か否か」の論争が再び巻き起こっている。

 槇原容疑者はデビュー30周年を記念して、3月4日にはセルフカバーアルバム発売、夏にはベストアルバム発売、秋には全国ツアーを予定していたが、すべて中止となる見込み。所属事務所の「30周年特設サイト」は閉鎖し、ファンや関係者へのおわびが掲載されている。1999年に槇原容疑者が薬物で逮捕された際もCD発売は停止となり、その他のCDも販売店から回収された。

 こうした流れに対し、槇原容疑者が2003年にSMAPに楽曲提供した「世界に一つだけの花」についてSNS上では「この曲が聴けなくなるのは残念」「楽曲に罪はない」などと話題となっている。

 同曲は累計売り上げ300万枚を超え、平成30年間のシングルランキングで1位。小学生向けの道徳の教科書にも採用されているSMAPの代表曲だ。同時に槇原容疑者が1度目の逮捕後に復活を果たした象徴的な楽曲でもある。

「作品と罪」を巡っては、爆笑問題の太田光(54)が「サンデー・ジャポン」(16日放送・TBS系)の番組内で「本当に難しい問題だが、“曲に罪はない”という言い方には違和感を感じる」とコメント。

「芸能とか音楽っていうのは人を悪くもするし、法律というのは文明の象徴。人間が野蛮じゃなくなるために決めたルール。だけど、そこに収まり切れない人間のいろいろな思いとかを表現するのが芸術だから、それに罪がある場合もあるんですよ」と持論を展開した。

あくまで局や番組責任者の自主規制

 一方、SMAP解散後、今月、約5年ぶりとなるコンサートに登場した木村拓哉(47)は、SMAPのヒット曲である「夜空ノムコウ」や「らいおんハート」などは披露したが、同曲は“スルー”。

 発売中の「女性自身」によれば、「東京五輪で元SMAPのメンバーが揃って同曲を歌うプロジェクトが存在していた」ことを五輪関係者が証言している。しかしそれも、今回の槇原容疑者の逮捕で露と消えてしまい、木村も大いにショックを受けているという。音楽評論家の富澤一誠氏はこう話す。

「CD発売やライブの中止など、今後の活動を自粛するのはやむを得ないことと思いますが、過去の楽曲をすべて引き揚げてしまうのはやり過ぎだと思います」

 しかし今後、同曲は封印され、テレビ番組などでも実質的に“放送禁止”扱いになることを懸念する声も多い。

「現在は、かつて民放連(日本民間放送連盟)が自主規制を促す目的で指定していた、いわゆる“放送禁止歌”というのはありません。あくまで局や番組責任者の自主規制に委ねられています。しかしこうした事態が起こると、発売側は『批判されたくない』という考え方が働くため“執行猶予が明けるまでは自粛する”などの対応が見られます。教科書への掲載を継続するかどうかも、最終的には版元の判断に委ねられるでしょう」(富澤一誠氏)

 グループ解散、作者の逮捕という二重の不運に見舞われたこの歌は、平成の“幻の名曲”となってしまうのか――。

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