好感度無視 イタズラ坊主の田村淳が見つけた絶好な立ち位置【今週グサッときた名言珍言】

好感度無視 イタズラ坊主の田村淳が見つけた絶好な立ち位置【今週グサッときた名言珍言】

ロンブー田村淳(C)日刊ゲンダイ

【今週グサッときた名言珍言】

「(好感度は)いらない」(田村淳/テレビ朝日「ロンドンハーツ」9月1日放送)

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 パンサーに新メンバーを加入させるというドッキリ企画が、向井慧から尾形貴弘への手紙で感動的な終わり方をしかけると、新メンバー役の「モッくん」が3人に向けた感謝の気持ちの手紙を読み上げる体で、さらに3人を泣かせた。

 ところが、最後に読み上げられた署名は「田村淳」。この番組ではおなじみの手紙オチに向井は「好感度とかいらないんですか?」と迫る。対する淳が意地悪っぽい笑みを浮かべ、返した一言が今週の言葉だ。

 もともと、田村淳(46)は地元の友人とお笑いコンビを組むと、福岡のコンクールで優勝。高校生でありながら、他校の学園祭などに出演しお金を稼いでいた。「余裕だな」と思い、そのまま上京するが、そんなに甘い世界ではない。すぐには稼げなかったため、相方は地元に帰ってしまった。

 新しい相方を探しているうちに紹介されたのが、単身上京してきていた田村亮だった。コンビを結成した2人は淳が好きな「JUNSKY WALKER(S)」を模し、ホコ天でコントを披露。「毎回、警察の人が止めに来るくらい」(フジテレビ「TOKIOカケル」20年9月2日)ファンを集めていた。やがて吉本興業に所属。「ロンドンブーツ1号2号」のコンビ名で舞台に立つようになった頃、淳は亮にボソッと、こう言われたという。

「俺、淳に進行のことで迷惑かけるかも」(同前)

 その“予言”は的中した。進行は多くの場合、ツッコミ役が担うが、ロンブーの場合は、進行が苦手な亮に代わり、ボケ役の淳が担当することが多くなった。それどころか、番組中のツッコミも淳がすることが増えていった。この立場に10年くらい前までずっとモヤモヤしたものを感じていたという。

 ある時、とある番組のディレクターから「おまえが仕切ってボケて、サッカーでいうと点取るのとゴールキーパーを一緒にやれ」と言われた(太田出版「Quick Japan vol.97」11年8月12日発売)。

 そんなのは無理だと思ったが、「ロンドンハーツ」で看板企画のひとつとなる「格付け」をやりはじめて淳は開眼した。「最前線のフォワードじゃなくてもシュートは打てるし、ここなら守れるという自分しかわからない立ち位置」が見つかったのだ。あとは亮が「フィールドを走ってくれていればいい。自由に」と(同前)。

 他のコンビと同じでなくてもいい。自分たちなりのやり方を見つけたのだ。すると、進行を務めながらでも、自分の持ち味である好感度を度外視するような“イタズラ坊主的”な発想を、最大限に発揮することができるようになったのだ。

(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)

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