ノゾキの達人に女装愛好家…風俗取材で会った不思議な人々【芸能記者稼業 血風録】

ノゾキの達人に女装愛好家…風俗取材で会った不思議な人々【芸能記者稼業 血風録】

マツコ・デラックス(C)日刊ゲンダイ

【芸能記者稼業 血風録】#98

 バブルと並行するように風俗情報も活発化した時代があった。雑誌だけでなく風俗専門紙まで出現。風俗は身近なものになっていったが、お店側も頭をひねり新たなサービスに取り組む。そんな風俗に関わる人間にスポットを当て取材したことがある。

「テレホンセックス」を指南する女性が横浜にいた。文字通り電話の通話だけで男性の妄想をさらに膨らませて自慰行為をサポートするという今考えれば手軽な風俗ともいえるが、彼女が電話越しに色っぽい声で囁くと、まるでセックスしているような気持ちになれるというものだった。

 ノゾキの達人の話にはうんちくがあった。

「いかに濃密なカップルを見つけるか仲間内で競う。ルールもある。絶対に見つからないこと。カップルの邪魔や盗みをしないことが大前提。先にノゾキがいたら一緒に見ることは違反。静かに撤退して、各自オリジナルのカップルを探すこと」というルールの下で、ノゾキ仲間が競う世界だという。

「長年ノゾキをしていれば、公園に入ってきた雰囲気で、このカップルはどこまでいくかわかるよ」と達人は言っていた。

 スワッピング愛好家もいた。1部上場の会社に勤める50代の紳士と夫人は会費制の友の会に入会し、定期的に参加していた。

「別に夫婦仲が悪いわけではなく、夫婦仲を維持するために刺激を求めた結果、行き着いたのがお互いに別なパートナーを得て、その内容を話すことで刺激し合う」という理由だった。その進化した形が近年、密かに流行しているという「ハプニングバー」だろう。

 また「女装愛好家クラブ」というのもあった。

 神田のビルの中にあった会員制のクラブ。夜6時を過ぎたころから仕事帰りのサラリーマンらが居酒屋に入るような感じで入ってくる。そのまま更衣室に入り待つこと1時間ほど。次々と女装した人がラウンジ風に作られた室内で飲み物を片手にくつろぎ談笑する。全員、カツラから化粧はもちろん、服装もそれぞれだ。ワンピースからドレス、セーラー服もいる。店にいるスタッフが衣装選びからメークまで手伝ってくれる。さっきまでスーツを着ていた人も、女装すればまるで別人。しばし別世界に浸れるという。

「彼らは女装に憧れて、自分もしてみたいと思う愛好家。なかには女になって男に抱かれたいという人もいるでしょうが、普段はノーマルな人も多い」(店長談)

 近年は時代の流れとともに女装家もマツコ・デラックスやミッツ・マングローブがタレントとして活躍することで世間に認知されるまでになった。

 風俗とは違うが、ニューハーフの世界で刑務所に入った子がいた。戸籍上は男子。本来なら男子刑務所だが、その子は完全に女性の体になっていたことから、男子では問題が発生すると判断され、女子刑務所に入っていた。

 風俗界から人を通して見えた世界もまた面白いものだった。(つづく)

(二田一比古/ジャーナリスト)

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