ちむどんどん、イライラしても「見てしまう」視聴者達 一体なぜ?識者が推し量る「制作側の意図」

『ちむどんどん』イライラしてもつい見てしまう視聴者も 識者が理由を分析

記事まとめ

  • 「ちむどんどん」への不満を述べたりする声がツイッターに続々と上がり続けている
  • 一方で、「見なきゃ良いのに、どうにも気になって見てしまう」との声も
  • 識者は「自分に合わない内容でも見届けたいものなのです」と分析している

ちむどんどん、イライラしても「見てしまう」視聴者達 一体なぜ?識者が推し量る「制作側の意図」

NHK連続テレビ小説ちむどんどん」に対し、不満を感じつつも視聴をやめられないとする視聴者の声がツイッターに相次いで上がっている。

■「実に中毒性のあるドラマだわ」

同ドラマに対してはこれまで、俳優の黒島結菜さん(25)が演じる主人公・比嘉暢子や、その兄妹の姿に対して憤慨したり、作品への不満を述べたりする声がツイッターに続々と上がり続けてきた。最近の例を挙げると、2022年8月3日に放送された、暢子が恋人の青柳和彦(宮沢氷魚さん=28)との結婚を認めてもらうために毎日、和彦の母・重子(鈴木保奈美さん=55)に手作り弁当を勝手に送り続けていたシーンに対して、「善意の押し売りは本当に迷惑」といった声が上がった。

また、8日の放送では、暢子の姉・良子(川口春奈さん=27)と暢子と良子の兄の賢秀(竜星涼さん=29)が重子の目の前で言い争いを起こすという「粗相」を起こしたが、このシーンに対しても、「結婚反対したら乗り込んできて怒鳴り散らす親族がいるとか現代でもクッソ怖すぎる」といった声が相次いで上がった。

このほか、12日の放送では暢子と和彦の披露宴が、暢子の勤務するレストラン「アッラ・フォンターナ」で開かれたが、客の中には作中で以前、暢子にプロポーズするも断られた砂川智(前田公輝さん=31)の姿があり、無茶ぶりでスピーチを振られるシーンもあった。このため、視聴者からは「ふられた男にスピーチさせる地獄絵図」「本当にイジメじゃん」といった声が上がっていた。

だが、これらの声に混じって目立つのは、

「最近、ちむどんどんを見てるとおかしな部分がないか考えながら見てしまう...」「こんなにイラついても習慣でちむどん見てしまう自分が悲しい」
「見なきゃ良いのに、どうにも気になって見てしまう 実に中毒性のあるドラマだわ」
「ちむどんどん、あのドタバタ感で笑わせたい?んかなぁ、常識外れが過ぎると引いちゃうよねぇ、見る度に疲れるのに何故か毎日見てしまう」

といった、ドラマへの不満を述べつつも、作品を「見てしまう」とする声だ。矛盾したこのような声が上がる理由はどのようなものなのか、J-CASTニュース編集部はドラマ、演劇、映画に詳しいライターの木俣冬氏に分析を依頼した。

■「自分に合わない内容でも見届けたいものなのです」

まず、このような不満の声を上げているのは「以前から朝ドラを見る習慣がある視聴者」なのか、それとも「朝ドラ視聴が習慣化していない視聴者」でも引き付けてしまう要素があるのかについて聞いた。木俣氏は、

「朝ドラ視聴習慣のある視聴者は朝ドラを欠かさず見ることが日課になっているため、自分に合わない内容でも見届けたいものなのです」

と、朝ドラファンの行動パターンを指摘。同時に「ちむどんどん」特有の現象が見られるとした。

「『ちむどんどん』の場合は、ツイッターで『#ちむどんどん反省会』が盛り上がりを見せているため、いつもは朝ドラを見ていないけれど気になる視聴者が増えてきた印象です。そして、なるほどイライラするとナットクしているのではないでしょうか」

■「賛否両論を生むよう意識するということはあるでしょう」

ツイッターには「結局最終回まで見てしまう視聴者はいいカモなのかもしれない」といった声もあるが、制作側が意図的にイライラする内容に仕立てて視聴に繋げようとしている可能性もあるのか、あるいは視聴者が勝手にイライラしているだけなのか。木俣氏は、

「全くそんな意図がないということはないのではないでしょうか。ただ、そのようなシーンのあとでイライラする要素を指摘したり糺そうとしたりする人物が作中に出てくることもありますから、イライラさせるのは真の目的ではなく、あくまで物語の『フック』としての役割を期待してのことなのかなと思います」

と指摘。過去の朝ドラの例も引き合いに出した。

「2018年度前期の『半分、青い。』のヒロインはあえて自由奔放に描かれ、それに拒否反応を起こす視聴者もいて、SNSでも賛否両論を巻き起こしていました。また、2021年度後期の『カムカムエヴリバディ』では主人公の身内が泥棒をすることが2度あって、それも物議を醸しました。三代目ヒロインの大月ひなたとその元交際者の五十嵐文四郎の再会の顛末も、そりゃないよーと騒然となることを意識して描かれたようにも感じます」

このような制作の仕方は、「SNS上でバズらせて視聴率を向上させる」という効果を狙ってのものなのだろうか。

「昔からドラマに限らず物事には賛否両論あるほうが注目されている証とされるので、賛否両論を生むよう意識するということはあるでしょう」

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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