特選映画情報『T−34 レジェンド・オブ・ウォー』〜収容所脱出と激烈戦車戦を描くロシア製の戦争大作!

特選映画情報『T−34 レジェンド・オブ・ウォー』〜収容所脱出と激烈戦車戦を描くロシア製の戦争大作!

(提供:週刊実話)

配給/ツイン 新宿バルト9ほかにて公開
監督/アレクセイ・シドロフ
出演/アレクサンドル・ペトロフ、イリーナ・ストラシェンバウムほか

 キナ臭い世の中を反映しているわけでもないだろうが、今年はミリタリーものの傑作が洋画に多い。『ハンターキラー 潜航せよ』、『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』、そして、このロシア製“戦車もの”である。『T−34』と聞いて、往年の同国作『鬼戦車T34』(64年)を無理なく想起できる人は、かなりの“上級者”。

 この映画、正式には謳っていないが、内容的にはほぼリメークだ。第二次大戦下、ソ連軍のニコライ(アレクサンドル・ペトロフ)らのT−34戦車は、ナチスのイエーガー少佐(ヴィンツェンツ・キーファー)率いる戦車軍団に対し奮戦するが、結局捕虜となる。イエーガーは回収したT−34にニコライらを乗せ、装備ナシで演習の標的となることを命じる。だが、ニコライらは一計を案じ、この模擬戦闘を利用して脱出計画を練るのだった…。

 近年の戦車映画では、ブラット・ピット主演作の『フューリー』(14年)が面白かったが、この作品も勝るとも劣らない。“戦車ものにハズレなし”という映画格言をまたも証明する形になった。日本では無名の俳優たち演じる個性豊かな戦車兵たちに、無理なく思い入れができる。彼らが生死を託すT−34戦車を美意識たっぷりに映し出す演出がニクい。最近のロシア映画も最新CGや特撮を駆使し、随分あか抜けてきた。例えば、『白鳥の湖』の調べに合わせ、戦車が舞踏するかのように疾走したり、まるで剣豪同士がツバ競り合いするかのように戦車同士が砲身を交えたり、とケレン味たっぷり。

 森から戦車群が次々に姿を現すシーンは、かつての戦車戦映画の白眉、『バルジ大作戦』(65年)のようで、ファン感涙、鳥肌もの。ボクも大いに興奮した。戦争なんてまっぴら御免、と思っても、男はミリタリー映画につい反応してしまう生き物なんだよ。ね、ご同輩!

 そんな男だらけの硬派戦争アクションなのだが、キレイなネーちゃん、ロシアン美女も登場し、活躍するからうれしい。収容所で通訳をさせられている捕虜で、この収容所脱出作戦に協力し、“女は乗せない戦車隊”のはずなのに彼女もしっかり同乗して脱走する。おまけに逃走中の森の中で、恋仲になったニコライと戦火の中でも欲情するのが男と女、とばかりにキス&エッチするのがニンマリ。

 まあそんなに激しくはないし、男どもが全裸で水浴びするのに彼女は不参加というのがまだまだ“お固いお国柄”なのだが、それでもこういう“息抜き”が戦争映画にあってもいい、とボクは思う。

 クライマックスは橋の上での大決戦、独ソ武人同士の宿命の対決と見せ場つるべ打ち。アドレナリンはMAX状態になること必至!
 《映画評論家・秋本鉄次》

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