『タコピー』『チェンソーマン』作者の過去作も! 人気漫画家たちの「隠れた名作」3選

『タコピー』『チェンソーマン』作者の過去作も! 人気漫画家たちの「隠れた名作」3選

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『週刊少年ジャンプ』や『ジャンプ+』など、近年ではジャンプ系列の媒体が未曽有の勢いで躍進している。そこではさまざまなヒット作が生まれているが、中にはあまり世間に評価されていない“隠れた名作”も。今回は人気漫画家たちの過去作から、今こそ読んでおくべき読み切りを紹介していこう。


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近年大ブレイクした作家たちの過去

■タイザン5『キスしたい男』

昨年12月から短期連載され、SNSや口コミを通じて大ヒットした『タコピーの原罪』。実はその作者であるタイザン5は、過去に才能の片りんをのぞかせる読み切りを「ジャンプ+」で発表していた。その作品こそが、『キスしたい男』だ。



ジャンプ+で
『キスしたい男』
という読み切りを配信していただきました。https://t.co/1N5NnnOG9v


何卒よろしくお願いいたします…! pic.twitter.com/7VCXplgj9v


— タイザン5 (@taizan_5) July 16, 2021



同作の主人公は、TVの中のアンジェリーナ・ジョリーに恋し、「キスしたい」と強く願うようになった青年。彼は渡米するために“アンジー貯金”を始めるのだが、その生活にはなにやら不穏な影が落ち込んでいた…。


「タコピーの原罪」では、虐待やネグレクトといった家庭に関する問題を、見事に描ききっていたことが記憶に新しい。だが、「キスしたい男」でも、すでに鋭い観察眼や社会情勢への皮肉、内面描写のリアリティーなどがいかんなく発揮されている。ストーリーとしてはまったく異なっているが、ある意味では「タコピーの原罪」の原型と言える作品かもしれない。


■藤本タツキ『目が覚めたら女の子になっていた病』

『チェンソーマン』に『ルックバック』とヒット作を連発し、今や時代の寵児となった藤本タツキ。『目が覚めたら女の子になっていた病』は、そんな彼の初期作品の1つだ。



『藤本タツキ短編集 「22-26」』
11/4発売記念??
カウントダウン企画2??


収録作品から
『目が覚めたら女の子になっていた病』
をご紹介。
ーーーーーーーーーーーー
突然女の子になってしまったトシヒデ。
彼女との関係や学校生活、
何もかもが変わり!?
ーーーーーーーーーーーー
明日も続きます? pic.twitter.com/MXdL60zzJt


— チェンソーマン【公式】 (@CHAINSAWMAN_PR) November 1, 2021



その内容はタイトルの通り、目が覚めたら女の子になっていた主人公を描いたストーリー。恋人との関係性や性自認に悩む姿を描いており、いかにも現代的なテーマのように見えるものの、コメディータッチなのでまったくハードな印象は受けない。


コメディーのノリは“藤本節”が全開となっているが、とくに優れているのがそのテンポ感。骨太なストーリーを詰み将棋のように展開していくさまは、すでに高い実力を感じさせる。


また、生まれついての性差と自分で選び取る性差の違いなど、深い内容をさりげなく放り込んでみせるところも、その後のヒット作を予感させる要素ではないだろうか。


『ギャグマンガ日和』作者の初ホラー漫画

■原作:増田こうすけ、絵:紗池晃久『シタバシリ』

増田こうすけといえば、『ギャグマンガ日和』で知られる稀代の名ギャグ漫画家。そんな彼が初めてホラー漫画に挑戦したのが、『シタバシリ』という短篇だ。


自分や父親の舌が異常に伸びることに気づいた青年が、家系の秘密を探るため、祖母の住む田舎の伝承を調べる…というストーリー。ギャグにもなりかねない設定だが、雰囲気はシンプルに怖く、まっとうなホラーとして成立していた。それどころか、ホラー漫画の巨匠・伊藤潤二を髣髴とさせる部分すらある。



舌が伸びる兄妹のギャグ&ホラー「シタバシリ」 (1)#増田こうすけ#紗池晃久#ギャグマンガ日和#ゴーストガール pic.twitter.com/0vcy5l5r6m


— 紗池晃久 Akissa Saik? @ ゴーストガール GHOST GIRL (@akissa_saike) August 24, 2021



伸びる舌を使ってさまざまな技を開発していた主人公たちが、一転して窮地に陥るシーンのギャグとシリアスのギャップは、お見事の一言。作画を担当した紗池晃久も『ギャグマンガ日和』のファンらしく、あの独特な世界観を見事に表現している。


『ギャグマンガ日和』は独特で不条理な世界観から、ギャグでありつつも、どこか恐ろしい印象を受ける話も多い。「シタバシリ」では、そんな作者の隠し持っていたホラーの才能が、見事に発揮されたと言えるだろう。


以上、ジャンプ系列でヒット作を手掛けた漫画家たちの名作読み切りをご紹介した。長編と見比べて、新たな発見を探してみてはいかがだろうか。


文=Tら


【画像】


Kostiantyn Postumitenko / PIXTA