ジャンプ漫画の“なろう化”が止まらない! 現役作家が明かしたヒットの法則

ジャンプ漫画の“なろう化”が止まらない! 現役作家が明かしたヒットの法則


ジャンプ漫画の“なろう化”が止まらない! 現役作家が明かしたヒットの法則 (C)PIXTA



「小説家になろう」の作品は、いまや創作の一大ジャンル。そこで使用されているメソッドは、いわゆる“なろう系”だけにとどまらず、『週刊少年ジャンプ』の土壌にまで及んでいるようだ。最近では現役の連載作家から、驚きの事実が明かされていた。


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読者を“スカッと”させるテンプレ展開


「なろう系」といえば、「小説家になろう」でよく見られる作品の特徴を揶揄した言葉。世間的に低く評価されていた主人公が、チート能力を手に入れたり、思わぬ才能を開花させたりすることで、一躍ヒーローとして喝采を浴びる…というのが典型的なパターンだ。


読者の感情移入を誘いつつ、スカッとした気分にさせる効果があるのだが、そんな展開は現在の「ジャンプ」連載陣にも共通している。もっとも分かりやすいのが、2020年から連載されているファンタジー漫画『マッシュル -MASHLE-』だ。


魔法が当たり前の世界で、あえて魔法が使えないマッシュという人物を主人公に設定。当然周囲からは冷遇されるのだが、鍛え上げた筋力によって奇跡を成し遂げ、評価を逆転させていくのが痛快だ。「なろう系」でいうと、「追放モノ」に分類されるストーリーと言えるだろう。


また同作の作者・甲本一は、「JUMP新世界漫画賞」の5月期審査員を務めるにあたって、創作のテクニックについて告白していた。なんでも見せ場を盛り上げるために意識していることとして、「嫌な奴で強い奴を、みんなが殴ってほしいときに殴っちゃいけない状況で殴る」という定型を使っているという。


あからさまに「なろう系」的な手法が明かされたことで、ネット上では《いやいや…なろうやん笑》《ここまではっきり言うとは清々しい》《結局人気でるにはみんなやってることをやった方がいいわけね》といった声が上がっていた。


とはいえ近年の「ジャンプ」では、「マッシュル」に限らず「なろう系」を感じさせる作品が多い。たとえば、今年3月に完結した科学漫画『Dr.STONE』は、なろう系的ジャンプ漫画の典型だろう。


「ジャンプ」に蔓延する“なろう”


『Dr.STONE』はアニメ化もされた大ヒット作ではあるが、やっていることは、原始の世界に現代科学を持ち込んで無双する…というシンプルな展開だった。


また、5月にスタートした新連載『すごいスマホ』では、主人公がなんの努力もなしにチート性能のスマートフォンをゲットして、悪を成敗。昨年11月に始まった『ドロンドロロン』も追放モノに近く、冷遇から物語が幕を開ける。


さらには国民的人気を誇る『ONE PIECE』でも、このような展開は少なくない。悪行を重ねながらも、絶対的な権力で誰も逆らえない天竜人に対して、ルフィがパンチをお見舞いする痛快なシーンは読者の記憶に深く刻み込まれていることだろう。また、ベラミーから馬鹿にされながらも、友人のために真の実力を見せつけて撃破するシーンも印象的だ。


もちろん、読者がスカッとするような展開は、少年漫画の“王道”ではあるだろう。ただ、「ジャンプ」でそれが許されるのは、勝利にいたるまでの友情や努力が描かれているため。ストレス解消だけに奉仕するチープな作品が埋まれた時には、「なろう系」への敗北が決定してしまうだろう。


文=野木


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