「SEKAI NO OWARI」Saoriが直木賞にノミネートされた裏事情

12月20日に『第158回芥川龍之介賞』と『第158回直木三十五賞』の候補作品が発表された。いずれも実力派の作家が並ぶなかで驚かされたのが音楽バンド『SEKAI NO OWARI』のメンバーとして活動するSaoriこと藤崎彩織が直木賞候補に選出されたことだ。



藤崎の初小説である『ふたご』(文藝春秋刊)は、ピアノが友達という中学生の夏子が、仲間たちとバンドを結成し、共同生活を送りながら自らの居場所を模索していくという青春小説。一部のファンからは小説の登場人物が、「セカオワのSaoriとFukaseをモチーフにしているんじゃないか」とも噂されていた。


「藤崎は文藝春秋の文芸誌『文學界』で『読書間奏文』というコラムを連載していて、もともと、その文章力は高く評価されていました。10月28日に発売されたばかりの『ふたご』は、早くも10万部を超えるベストセラーとなっていますが、いまのところ購入層は『SEKAI NO OWARI』ファンが多いようです。そのため、インターネット上では早くも《文春の話題作りか》、《二匹目の火花狙い》などと、揶揄する声も上がっています」(雑誌編集者)


過去に芸能人が書いた小説が文学賞にノミネートされた例としては、又吉直樹の『火花』(芥川賞受賞作品)や、モデルでタレントの押切もえ『永遠とは違う一日』(山本周五郎賞候補)などがある。いずれもメディアで大きく取り上げ、火花は累計300万部を超える大ヒット作となっている。


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水嶋ヒロが受賞したときには…

「芸能人の書いた小説は、それだけで宣伝効果があるのは間違いありません。実際に、藤崎の小説もニュースで取り上げられるたびに、枕詞のように『SEKAI NO OWARIのSaoriさんが…』と続いています。ほかの候補者からすれば決して気持ちのいいものではないでしょう。直木賞を主催する『日本文学振興会』は、実質的に文藝春秋社です。藤崎が直木賞を受賞すれば100万部は超えるだろうといわれていますから、文春もかなり肩入れしてるのではないでしょうか」(同・編集者)


かつて2010年には、俳優の水嶋ヒロの初小説『KAGEROU』が『第5回ポプラ社小説大賞』を受賞し、100万部の大ベストセラーになったことがある。しかし、肝心の小説の中身は決して大賞に値するものではなく、「出来レース」、「やらせ」などと散々な言われようだった。


直木賞は来年1月16日に発表される。藤崎の小説が本当に大賞に値するかは選考員が熟考して決定されるが、実力不足のままマーケティング優先で受賞するようなことがあれば、“文学の終わり”と陰口をたたかれることになるだろう。


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