ひろゆきも騙された!? Twitterで話題の「鬱が治るマンガ」の怪しいウワサを暴く!

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フェイクニュースや誇大広告が多い昨今、それに反発するかのようにSNS上では、リアルな人生体験を読めるエッセイ漫画がたびたび話題となる。シリーズ累計50万部を突破したコミカルな腐女子の生態を描く『腐女子のつづ井さん』や、メンタルヘルスやセクシュアリティについての悩みを描いた『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ 』など、単行本化してヒットした作品も多い。



そんな中、つい先日も20年間にわたるうつ病≠ニの闘病を語った『僕が僕であるためのパラダイムシフト』(作:EMI)というエッセイ漫画が話題に。《250ページ以上もあったけど徹夜で読んでしまった!》《鬱病というものの見方が変わった》《とてもリアルな体験談でドキドキしながら読んだ》といった感想が並ぶ中、同書の内容を紹介した一般人のツイートはなんと12万いいね、5万リツイートという大バズりを記録していた。


ストーリーをざっと紹介すると、幼少期に親からの虐待を経験した「ぼく」が、周囲からのプレッシャーに応えられず高校時代にうつ病を発症。その後、さまざまな通院経験や、理解のある恋人との出会いを経て、マエダ先生という心理カウンセラーから受けた催眠療法によって長年の病から解放される…というものだ。作中ではハードな出来事が続くが、主人公の冷静な心理分析と淡々とした語り口が特徴的で、最後までスラスラと読めてしまう。


作品の反響は著名人からも上がっており、漫画家の田中圭一は、過去にうつ病のエッセイ漫画を描いた経験を踏まえ「『うつヌケ』よりもうつを適確に捕らえ脱出方法もすごく分かりやすい」と絶賛している。



こ、これは…『うつヌケ』よりもうつを適確に捕らえ脱出方法もすごく分かりやすい。『うつヌケ』読んだ人は絶対にこれ読むといいよ!ざっと1時間くらいで読める。 https://t.co/By5Swg5VOH


— はぁとふる倍国土 (@keiichisennsei) January 17, 2021



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また元『2ちゃんねる』管理人のひろゆき氏も、「うつ病の人の考え方や思考パターンをきちんと患者側から説明出来る人はあんまり居ないので面白い」とコメントを残している。



うつ病の人の考え方や思考パターンをきちんと患者側から説明出来る人はあんまり居ないので面白い。https://t.co/zS6yVBkQBW


— ひろゆき, Hiroyuki Nishimura (@hirox246) January 16, 2021



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実際にあった話ではない? ネットで浮上するさまざまな疑惑

しかし、実際には同作は完全なノンフィクションというわけではない。漫画の主人公である「ぼく」は男性だが、作者の「EMI」は女性。元々この作品は作者やうつ病患者の体験を複数混ぜ合わせた、半フィクション作品として描かれている。


また作者の過去を調べたところ、2009年ごろから『ニコニコ生放送』で活動していた配信者だったことが発覚。パソコンやイス、壁を破壊する過激な動画やビキニなど露出の高い格好での「踊ってみた」など、アカウントがBANされるギリギリを攻めた炎上系≠フ配信で有名な人物だった。


作者の過去を知るネットユーザーからは、漫画の内容と作者の人物像とのギャップから《内容をどこまで鵜呑みにしていいのかわからない》と困惑の声が多発している。


また、この漫画の最後に登場する心理カウンセラー・マエダ先生がフィクションではなく、実在の人物であることも問題に。マエダ先生は心療施術のスペシャリストを名乗っており、公式サイトを見ると電話相談は無料であるものの、対面式の相談費用は17万5千円とかなりの高額。さらには独自資格によるセミナー商法を行っている、という指摘も…。


主人公があまりにも作者の実態とかけ離れている点。それに関わらず、主人公のうつ病を治すキーマン・マエダ先生だけは実在の人物であることから、ネット上では「実は半フィクションですらなく、ただの壮大なステマ漫画なのでは?」との疑惑を向ける声もあがっていた。


エッセイ漫画はリアルな体験談を描くもの、という暗黙のルールがある。しかしその思い込みが、時として宣伝に使われてしまうのだとすれば何とも恐ろしい。日に日にインターネットの嘘は巧妙になっており、「嘘を嘘と見抜ける人」になるのは簡単なことではないようだ…。


文=富岳良


【画像】


kai / PIXTA