谷原章介、玉山鉄二、渡部篤郎が「復讐の是非」について鼎談 - 『犯罪症候群 Season2』

谷原章介、玉山鉄二、渡部篤郎が「復讐の是非」について鼎談 - 『犯罪症候群 Season2』

画像提供:マイナビニュース

東海テレビとWOWOWが初タッグを組んで貫井徳郎の小説をドラマ化した『犯罪症候群』。その続編が、6 月11 日(日)よりWOWOWプライムで『連続ドラマW 犯罪症候群 Season2』として放映される(毎週日曜 22:00〜 全4話・1話のみ無料放送)。本作に出演した谷原章介、玉山鉄二、渡部篤郎の3人にインタビュー。

Season1では、妹を殺した犯人への殺意に苦しみ、警察を辞めた元刑事の武藤隆(玉鉄鉄二)が主人公だったが、Season2では、その妹の恋人だった鏑木護役の谷原章介が主演を務める。武藤は現在、警視庁人事二課・環敬吾(渡部)の命で、警察組織が扱いにくい事件を捜査する特殊任務に就いているが、続発する不審な少年事故死に鏑木が関与している疑いが浮上する。

Season2からは木村多江、野間口徹、手塚理美、板尾創路といった個性豊かなキャストが出演。インタビューでは、復讐の是非を問う本作のテーマや、俳優としてのスタンスについてそれぞれが語り合った。

――お互いに共演してみての感想を聞かせてください。

谷原「僕はもうちょっと絡みたかったです。今回あまりおふたりと絡むシーンがなかったので」

渡部「2人は俳優が理想とする形の俳優なんじゃないかと思います。心から役になることは相当難しいことなのですが、彼らは役に極力近づけているから。僕はルールの元にやっていますが、そういうものを忘れて役にのめり込んでいけるのは素晴らしいことです」

玉山「そんなことないです。僕はおふたりを見ていると本当に羨ましい。特に渡部さん! 僕がこういうことを言うのは申し訳ないけど、楽にやっているふうに見えるんです。もちろん渡部さんが家でどういうふうに立ち向かっているのかはわからないけど、たぶん僕とは真逆なんです。僕は凹むし、不安になるし。僕も早くおふたりの境地に行きたいです。僕は役に入っていて充実していると思うことがあまりないし、役柄だって終わってから2、3日寝ないと引きずってしまう」

谷原「どっぷり入る質なんだね。渡部さんは昔から今のような感じですか?」

渡部「25歳くらいからかな? 簡単に言うと、ここまで真面目じゃなかったです。どこか現場を楽しんでいるというか、上手くいかないこともあるけど、そういうことも含めて楽しむようにしています」

玉山「他人の頑張りって見えないものだし、僕たちは頑張ることを隠さないといけない仕事じゃないですか。でもこの作品はどこか自分に期待をしていて、目に見える努力をしたり、ちょっと過剰に反応したりして、肩に力が入ったりしてしまう。でも、先輩はそういうこともなさそうに見えます」

渡部「ないですね」

玉山「主演でもないですか? いい意味で先輩から意気込みを感じないんです。いい意味でですよ」

渡部「それをいい意味で使う人、初めて聞いたよ(笑)」

玉山「僕もそう思います。『今日はやったるぞ!』という感じを一切出さないじゃないですか。そういう意味で意気込みを感じさせないんです。僕は自分のことでいっぱいいっぱいで、周りにアンテナを立てている余裕なんてないですよ」

渡部「潔くなるというか、考えても仕方がないし、やらないとしょうがないですね」

谷原「僕は『あそこ、大丈夫かな?上手く回っているかな』と俯瞰して見るクセみたいなものはついています。でも、だいたいしっかりした先輩がまとめていらっしゃることが多いから、そういう場合、僕はちょっと引いたところにいます。だから作品を2つくらい掛け持ちでやっていても、その現場にいったらその気持ちにはなれるかな」

玉山「僕は全然できない。だから本当におふたりはすごいと思います」

――罪を取り締まる側のモラルが問われる本作。みなさんは、本作に出演され、復讐の是非についてどんなことを感じましたか?

谷原「善悪や正義って何だろう? というテーマですが、1ではずっと武藤が背負い続けていたけど、今回は手塚さんや木村さん、板尾さん、僕と、何人かが同時進行でそれぞれが問いかけていきます。そういう意味で、今回僕がいちばん飛躍した行動に出ているのかもしれない。

台詞の中で『復讐するも地獄、復讐しなくても地獄』と鏑木が武藤に言うシーンがあるんですが、どっちも地獄なら僕自身は復讐しない地獄の方がいいかなと思いました。もし、自分の子どもが殺されたとして、相手本人を殺しても仕方がないから、相手の子どもを殺すとなるでしょ。罪のない子どもが死んでしまうと、そこでまた負の連鎖も起こる。生きていればいろんなことがありますから、神様に与えられた試練に自分がどう向き合って超えていくかということかなと。

最近、ショッキングな事件が多いし、子どもを虐待する事件の犯人とかを見ると、うちの子は絶対にそういう目に遭わせたくないとは思います。また、そういう実際にあるリアルな不幸をドラマのなかでやらせてもらっている時、さもわかっているような面をしては語れないという思いはどこかにあります」

玉山「復讐という言葉は、印象的には少し悪い言葉だったんですが、実際にそこを掘り探ってみると、意外とそうじゃないというか、奥底には正義があったり、何かを成し遂げるために復讐するというプロセスがあったりと、人によって復讐の形も違うのかなと。傷つけることだけが復讐と違うし、裁判で争うことも復讐だと思うし。だから自分が感じる復讐という価値観を周りにぶつけてしまうことはあまりよくないんじゃないかなと、やっていて思いました」

渡部「僕はあくまでもエンターテインメントだと思ってやっています。もっと残虐な映画や、人を殺すシーンがある映画などには、名作映画もありますし。でも、日本だと『あなたはどう思っているの?』とよく聞かれるんです。特に僕は、わりとそういう作品に多く出させていただいていますから。

ただ、僕は一貫して『エンターテインメントですから』と言っています。親ならモラルは家庭で教えていけばいい話だし、実際に僕もそういうふうに育ちました。父が映画好きでしたので、小さい頃からいろいろな映画を観せてくれました。まだ、今ほどに規制がない時代でしたので、ハードなものも観ていましたが、僕は父や母からモラルを教わっていました。うちの子どもたちもこれまでの作品を観ましたが『お前ら、これを観て何かを考えろ』ということは一切言ってません。もちろん人を傷つけたらいけませんが、それは当たり前のことで、親としてずっと言ってきたわけですから」

――最後に主演の谷原さんから、シーズン2の見どころやメッセージをお願いします。

谷原「武藤と鏑木は太陽と月というかコインと表裏というか、表裏一体なんです。もし、鏑木が感情を露わにして警察を辞めていたら、武藤の方が殺人に関わっていたんじゃないかと思います。また、今回はいろんな人がそれぞれに正義の善悪、復讐の是非と向き合っているので、そこを観ていただきたい。新キャストの方々もすごくいいと思うので、それらの要素をすべて楽しんでいただきたいです」
(山崎伸子)

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