“俳優・小栗旬”の糧になっている“忘れられない作品”とは――「もう今、俳優を辞めてもいいやって」<モデルプレスインタビュー>

“俳優・小栗旬”の糧になっている“忘れられない作品”とは――「もう今、俳優を辞めてもいいやって」<モデルプレスインタビュー>

モデルプレスのインタビューに応じた小栗旬(C)モデルプレス

【小栗旬/モデルプレス=7月27日】7月28日に公開される映画『君の膵臓をたべたい』に出演している俳優の小栗旬(34)。これまで数々の作品に出演している小栗だが、今作は「本来の自分を演じられた」という。今回モデルプレスがインタビューを行い、世間から抱かれるイメージへの本音、そして決して忘れることの出来ない作品が現在の“俳優・小栗旬”の糧になっていることを語ってくれた。



◆映画『君の膵臓をたべたい』とは

女優の浜辺美波とダンスロックバンド・DISH//のメンバーで俳優の北村匠海が、W主演をつとめる映画『君の膵臓をたべたい』は、2016年本屋大賞第2位、2016年・年間ベストセラーランキング単行本フィクション部門1位…など2015年6月の発売後、破竹の勢いで累計発行部数200万部を突破(2017年7月時点)したベストセラー小説「君の膵臓をたべたい」(住野よる著・双葉社刊)を実写化。

浜辺はヒロインで重い膵臓の病を患う桜良役、北村は桜良の病気を唯一知ることになるクラスメイトの<僕>役。そして、現在パートで、教師となった【僕】を小栗が、桜良の親友・恭子を北川景子が演じている。

◆『君の膵臓をたべたい』の【僕】役は「本来の自分」

小栗と言えば、今月14日に公開されたばかりの映画『銀魂』では侍魂を持つ坂田銀時役を演じたり、今年4月期のドラマ『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(フジテレビ・関西テレビ系)では国家を揺るがす事件に立ち向かう稲見朗役を演じたりと、ここ近年、“熱くて強い男役”を演じること多かったが、今回、『君の膵臓をたべたい』では、桜良を失った喪失感を抱えながら、母校で教師をやっているという、これまでのイメージとは一変、“地味”な現在の【僕】役をつとめている。

しかし、小栗は「20代前半まではこういう役の方が多かったんですけどね。どちらかと言うと繊細な、ちょっと影があるような役」と世間の目とは裏腹に『君の膵臓をたべたい』の【僕】は違和感なく演じられたという。2007年10月に公開された主演映画『クローズZERO』をきっかけに“アクション系”や“熱血系”の役が増えたそうで「ここ最近は基本的に誰かと戦わないといけない役が増えてしまって。でも今回はどちらかというと本来の自分を演じられた。派手でも強くもない役」と素の自分に近い役であることを明かした。

◆出演承諾の理由と役作りについて

そして今回、小栗が演じた現在の【僕】は、原作には出てこないキャラクターなのだ。「この映画のプロデューサーさんとはこれまで何度かご一緒させていただいたことがあり、ある日その方から『君の膵臓をたべたい』のお話を聞いて、『僕が出る役あるのかな』と思っていたのですが、脚色をしていると聞いて。でも、僕は『脚色はやめた方がいいですよ。原作を壊すのは…』と話したのですが、吉田智子さんが書いてくださったこの脚色が、原作を読んでいた僕でも『すごくいい』と思えて」と原作のファンであるからこそ、納得してから出演を承諾。「学生時代のストーリーだと、映画を観てくれるのは若い方が増えてしまうのですが、12年後のその思い出を背負いながら生きている人たちのエピソードがプラスされることで、幅広いお客さんに観てもらえるのかなと。しかもその解決方法を原作から上手く吸い上げてくれたので、今回参加させてもらうことにしました」。

過去の【僕】を演じた北村とは同一人物を演じるわけだが、もちろんのこと共演シーンがないため、北村と現場で話すことなく、撮影がスタート。「最初に匠海くんが高校時代を演じるという話は聞いていました。匠海くんとは、過去の作品で自分の幼少期を演じたもらったことがあったので、なんとなく自分の中で匠海くんが演じる【僕】を想像しながら演じることができました」と、これまで何度か共演したことのある北村のことをわかっているからこそ、すんなりと役作りが出来たよう。「自分としては、匠海くんが作った【僕】を壊したくなかった。この作品は浜辺(美波)さんと匠海くんが背負って作っていかなくてはいけない作品。現場では、一歩退きつつも、余計な役にならないように考えながら、参加させていただきました」と次世代を担う若手俳優に向けて、期待を覗かせた。

◆小栗旬にとって忘れられない作品

デビュー以降、数々の作品に出演してきた小栗。2006年に公演された舞台『タイタス・アンドロニカス』(主演:吉田鋼太郎、演出:蜷川幸雄)は、俳優人生を送っている小栗にとって忘れられない作品の1つだという。

「22歳のときですが、イギリス公演をやったことを鮮明に覚えています。ロイヤル・シェイクスピア・シアターというシェイクスピアの本拠地に乗り込んで、3週間公演を行いました。日本人では真田広之さんしか立ったことがない劇場に日本のカンパニーみんなで行きました。毎日毎日絶賛されながら過ごした3週間は本当に宝物のような時間でした」としみじみ振り返り、「それ以来、あそこまで興奮するような状況になったことはないかもしれない」と、俳優人生において今まで感じたことのない“興奮”を味わえたそうだ。

◆“演技だけ”で評価された

「もちろん日本語で上演したわけですが、イギリスの方たちはセリフも物語の筋もみんなわかっているんですよね。結局、他国の人たちがどんな表現をするのか観に来ているお客さんばかりで。日本人もいない、本当に現地の方たちが観に来てくださっている中で、僕は黒人奴隷役を演じたのですが、初日のカーテンコールで表に出ていったら、黒人の方たちがスタンディングオベーションをしてくれて。それを見たときに『もう今、俳優を辞めてもいいや』って。お客さんが納得されない公演ではブーイングが起こるような場所で、みんな緊張しながらやっていたのですが、こんなに言葉やいろんなことを越えて成功させることができたなんて思うと…。カーテンコールが終わって袖にはけたら、鋼太郎さんが『お前、黒人の方たちがスタンディングオベーションしてくれるってことはすごいことだからな!』ってガツンと言われたときに、すごくいい経験をさせてもらえたなと思いましたね」と、10年以上前の作品にも関わらず、未だに忘れられない充実感に満ちているようだった。

海外だと“演技だけ”が評価されるが、日本だと“俳優・小栗旬”という言葉が先行してしまう。そのため、「純粋に役者として見てもらえたことが嬉しかった」と声を弾ませ、「いろんな仕事をさせていただき、やっぱり“俳優・小栗旬”と言われてしまう環境もいっぱいある中で、あのような感動を手に入られることは、なかなかないだろうと思っています。でも、またいつか経験させてもらえるんじゃないかって。だから、未だここ(俳優業)に踏みとどまっていられるんだと思います」と、『タイタス・アンドロニカス』が“俳優・小栗旬”の糧になっていた。

◆小栗旬にとっての夢を叶える秘訣

役者として、計り知れない達成感、それと同じくらいの苦労も味わい、乗り越えてきた小栗。最後に夢を叶える秘訣を聞いてみると、「こうなりたい、ああしたいと思っていると叶うときが来ると思うんです。なにか1つ叶ったら、求めている自分に追いつくため、次の目標を定めておけば、夢に繋がっていくんじゃないのかなと。だから今の自分には足りないけど、いつかの自分には足りることになるのかもしれないという目標を持って頑張るしかない」。

そして、小栗は「単純に夢を持てる国に住んでいるだけで、ハッピーだと思っています」と笑顔になる。“俳優・小栗旬”が決して止めることなく“俳優人生”を歩き続ける1つの理由が見えたようだった。(modelpress編集部)

■映画『君の膵臓をたべたい』概要

タイトル:君の膵臓をたべたい
公開日:7月28日(金)
原作:住野よる『君の膵臓をたべたい』(双葉社刊)
監督:月川 翔
脚本:吉田智子
音楽:松谷卓/追加編曲:伊藤ゴロー
出演:浜辺美波 北村匠海 
大友花恋 矢本悠馬 桜田通 森下大地
北川景子/小栗旬

■ストーリー

高校時代のクラスメイト・山内桜良(浜辺美波)の言葉をきっかけに母校の教師となった【僕】(小栗旬)。彼は、教え子と話すうちに、彼女と過ごした数ヶ月を思い出していく―。

膵臓の病を患う彼女が書いていた「共病文庫」(=闘病日記)を偶然見つけたことから、【僕】(北村匠海)と桜良は次第に一緒に過ごすことに。だが、眩いまでに懸命に生きる彼女の日々はやがて、終わりを告げる。

桜良の死から12年。

結婚を目前に控えた彼女の親友・恭子(北川景子)もまた、【僕】と同様に、桜良と過ごした日々を思い出していた―。

そして、ある事をきっかけに、桜良が12年の時を超えて伝えたかった本当の想いを知る2人―。

■小栗旬(おぐりしゅん)プロフィール

1982年12月26日生まれ、東京都出身。O型。ドラマ『GTO』で連続ドラマに初めてレギュラー出演し、「花より男子」「花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜」などでブレイク。その後も、話題作に出演している。2000年以降は、舞台、映画でも存在感を見せている。また、2010年には映画「シュアリー・サムデイ」で監督をつめ、俳優業以外にも活動の場を広げた。2017年は、フジテレビ系ドラマ「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」で主演をつとめ、映画は「君の膵臓をたべたい」のほか、「追憶」「銀魂」が公開された。

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