ワッハ上方がリニューアル、存続危ぶまれた時代も

ワッハ上方がリニューアル、存続危ぶまれた時代も

ワッハ上方のリニューアルオープンに出席した(左から)司会の浅越ゴエ、西川きよし、千鳥の大悟、吉村洋文知事、桂文枝、旭堂南陵、(その後方が)千鳥のノブ、渋谷天外、浪曲の松浦四郎若(撮影・村上久美子)

故横山ノック大阪府知事時代の96年にオープンし、昨年末から改修工事に入っていたワッハ上方(大阪府立上方演芸資料館)が24日、リニューアルオープンし、桂文枝(75)西川きよし(72)吉村洋文大阪府知事(43)らがセレモニーに参加した。

ワッハは、上方演芸の保存と振興をはかるために設立されたが、集客がままならず、吉本興業グループが所有するビルへの賃料負担などもあって、橋下徹氏が大阪府知事時代に見直しを公言し、存続が危ぶまれた時代もあった。

その後、規模を縮小し、上階へ移転するなどしていたが、昨年12月からの改修工事を経て、リニューアル。改修費3200万円をかけ、展示スペースを拡大した。初代桂春団治の羽織、島田紳助・松本竜介のつなぎの衣装など7万点が展示されている。

入り口には、扉に代わって大阪出身の世界的イラストレーター、黒田征太郎氏によるのれんが掲示され、文枝は「私の(落語をもとにした)絵本の絵もクロセイ(黒田氏)さんに書いてもらったけど、落書きしたんちゃうか(というぐらい個性的)」。きよしは「(柔らかい)字の感じがぴったんこやないですか」と、思い思いの感想を口に。

吉村知事も「扉じゃなくてのれんという発想がおもしろい」と絶賛。橋下元大阪市長から、同市長職のバトンを受け、大阪維新の会を背負い政界入りした吉村知事も「お笑いは世界に誇れる大阪のアイデンティティー」と満面笑みで再オープンを喜んだ。

セレモニーには松竹新喜劇代表の渋谷天外(64)、大阪講談協会の旭堂南陵(69)らとともに、若手漫才代表で千鳥も出席した。

大悟(39)は岡山から出てきて、NSC(吉本総合芸能学院)を受験したものの落ち、当時、ワッハ上方の傘下にあった小規模ホール「レッスンルーム」で照明、音声などを担いつつ、同ルームで初漫才を披露したと告白。「照明とか手伝いつつ、吉本のオーディションを受け続けた」と思い入れを語り、ノブ(39)も「ここでの漫才が原点」。資料館で、中田ダイマル・ラケット、夢路いとし・喜味こいしら往年の上方しゃべくり漫才の映像を見て、学んだという。

資料館には故藤山寛美さんのでっち衣装も展示され、天外は「昔は新喜劇といえば松竹新喜劇だった。いつのまには、それが吉本新喜劇になったけど、大阪にはふたつ(新喜劇が)あると思って誇りに思う」。

また、移転、廃館に揺れた当時を知る南陵は「あの頃は楽屋で『維新のアホがワッハをつぶす』と、どんだけ言うたか…」と苦笑しつつも“再出発”にいたり、感謝していた。