TiA、愛犬の死がくれた転機 ゴスペルとの出合い

TiA、愛犬の死がくれた転機 ゴスペルとの出合い

TiA(2019年5月20日撮影)

ゴスペルで全米に名をとどろかせる日本人がいる。歌手TiA(32)は、04年に華々しくデビューも、1度は歌手の道を諦めるなど異色の経歴を持つ。このほど、日刊スポーツの取材に応じ、紆余(うよ)曲折な歌手人生について語った。

  ◇    ◇    ◇

デビュー15周年を迎え、6月には7年半ぶりのアルバム「MIRACLE」を発売した。

「15周年を迎えられたことが本当に奇跡で、感謝しかない。今、もう1度歌手として歌っている自分が、うれしいです」

母が演歌を歌い、兄が子役歌手経験があるなど幼少期から、周りは音楽にあふれていた。14歳で初めて制作した「Every time」がきっかけで、04年にデビュー。2枚目シングル「流星」が人気アニメ「NARUTO」のテーマ曲に抜てきされるなど、華々しい船出を飾ったが、プロの世界は甘くはなかった。

「ただ歌が好きなだけでデビューして、自分をどう表現していいのかとか、試行錯誤したんですけど、私が伝えたい音楽って何だろう? と分からなくなってしまいました」。

デビュー10周年の14年に、歌手を辞めようと、ニューヨークに渡ったことが転機となった。ライブハウスの飛び入り演奏に出演し、歌う楽しさを取り戻す。16年2月には、愛犬の死に心を痛め、住んでいたアパートの隣の教会に足を運んだことをきっかけに、ゴスペルと出合った。

「礼拝を受けた時に聞いた、ゴスペルの音楽にとても感動したんです。牧師さんからコンサートに誘ってもらって初めて歌いました」。

持ち前のハイトーンボイスを武器に、同年6月の米最大級のゴスペル大会「マクドナルド・ゴスペルフェスト」のグループ部門で優勝。TiAの名前はすぐ全米に広がり、昨年は15都市を巡るツアーも成功させ「クーリエ・ジャポン」の「世界が認めた日本人6人」に、エンゼルス大谷翔平らとともに名を連ねた。

「この4年で、自分らしさを輝かせる強さを持てました。NARUTO人気で『流星』が現地で知られているからツアーができたり、今までやってきたことも全てつながっています。世界のどこでも、シンガーとして歌を届けていきたいです」。

来月19日に行うプレミアムライブ(東京・ALT_SPEAKER)は発売初日で即完売。今後も米国と行き来しながら、国内でライブも行っていく。

「ゴスペルを歌う時は、まさに全身全霊なので、歌い終えると号泣してしまうくらいなんです。魂をこめて歌っているので、ぜひ生で聞いてほしいです」。【大友陽平】

◆TiA(ティア)1987年(昭62)6月11日、神奈川県生まれ。04年に「Every time」でメジャーデビュー。14年に歌手を辞めようと単身渡米し、ゴスペルと出合う。16年、ゴスペル大会「マクドナルド・ゴスペルフェスト」のグループ部門で優勝。昨年、「クーリエ・ジャポン」が「世界が認めたジャパニーズ」の1人に選出。6月に15周年アルバム「MIRACLE」を発売。