Snow Man、『滝沢歌舞伎』生のパフォーマンスに宿る“真価”と“進化”【記者コラム】

Snow Man、『滝沢歌舞伎』生のパフォーマンスに宿る“真価”と“進化”【記者コラム】

Snow Man(前列左から)向井康二、ラウール、岩本照、目黒蓮、渡辺翔太、(後列左から)佐久間大介、深澤辰哉、阿部亮平、宮舘涼太 (C)ORICON NewS inc.

人気グループ・Snow Man(岩本照、深澤辰哉、ラウール、渡辺翔太、阿部亮平、宮舘涼太、佐久間大介、向井康二、目黒蓮)が、昨年1月のCDデビュー後初となる舞台『滝沢歌舞伎ZERO 2021』を東京・新橋演舞場にてスタートさせた。この1年、さまざまなメディアを通してファンを増やし続け、躍進を遂げてきたが、生の舞台ではそれとはまた違った9色の輝きを放っている。初日前ゲネプロでは彼らの板の上でこそ発揮される“真価”と“進化”を感じた。(以下、本公演ネタバレを含みます)。

 久々の舞台、ファンの前に立つ機会も少なかった彼らは、この1年間に、バラエティーや映画、テレビ露出も急増し“テレビの中の人”となった。だが冒頭、300万枚の青い桜の花びらのなかで始まる「ひらりと桜」では、医療従事者へのエールを込めたという“青”の衣装を身にまとった9人が現れたのを皮切りに、次々に目の前でリアルな体験として繰り広げられるパフォーマンスによって、エンターテインメントの素晴らしさを身を持って証明してくれる。

 いまや『SASUKE』常連となり筋肉自慢のリーダー・岩本はそのブレのない体幹によって激しい殺陣でも名物『腹筋太鼓』でも余裕さえも感じる佇まい。深澤は時代劇パート『鼠小僧』では団子屋の女将“お丸さん”としてアドリブをきかせつつ、前半の『Maybe』では阿部とともに透き通るような歌声で聞かせるなど最年長としてグループを支える“器用さ”が際立つ。

 ラウールは普段の最年少らしい無邪気な一面も舞台上ではひょう変。『Maybe』ではその長い四肢による感情を揺さぶるダンスで引き込み、時折みせる客席を挑発するような視線にも思わずゾクゾクする。いつもはつらつとしていて、まるでバネがついているように軽やかなアクロバットで驚かせてくる佐久間は『歌舞伎』パートでは、かわいらしい女形でウットリさせるなどギャップも魅力だ。

 同じく女形に挑戦する阿部はかわいい、というよりもキレイ寄り。だが大迫力の殺陣『九剣士』では“ワルい顔”や、『鼠小僧』では天気予報士の資格を持つことで“お天気コーナー”が取り入れられていたりと引き出しの多さが存分に発揮される。モデルとしても活躍する目黒はスタイルの良さを生かしたダンスは安定していながら『鼠小僧』では悪役として向井とともに華のある色気を放っている。

 渡辺と宮舘による『MY FRIEND』。宮舘の手足だけを使った吊るされたキューブ型の骨組みを使用したフライングは難易度も高いながら、しなやかな動きはそれを忘れるほど、とても優雅。そこに渡辺のしっとりと優しいけれど芯の通った歌声が加わると、揺るぎない友情が築く唯一無二の世界観に魅了される。

 メンバーがステージ上で自ら化粧をするコーナーでは、IMPACTors(ジャニーズJr.)の椿泰我と基俊介が初々しくトークを繰り広げていると、化粧をしながら向井がマイクで茶々を入れたり一発芸をするなどフォロー。舞台という“生物”にも臨機応変に対応できる話術には舌を巻く。そんな彼らの武器や個性が随所に表れた2時間30分は短くない時間ながらもあっという間に思えた。

 このほかにもジャニーズ伝統の『変面』、歌舞伎パートでは『五右衛門ZERO』の立ちまわり、総使用量10トンの水の中で全員が倒れ込むまで踊る『花鳥風月』など、花道やすっぽん、バルコニーまで演舞場全体を使用しながら様々な角度から演目を披露している。『腹筋太鼓』では激しい息遣いや汗、その場を包む熱気も含めてひとつの作品のようだ。

 昨年は新型コロナウイルスの影響を鑑み、映画『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』として公開されたが、一部、演目では同じ内容もありながら、お客さんを入れた状態の劇場で上演するとなると、魅せ方ももちろん違ってくる。デビュー後、ファンの前になかなか立てなかったことは本人たちにとっても歯がゆい思いを抱かせたのかもしれないが、配信ライブや映画『滝沢歌舞伎 ZERO』を成立させた経験がより一層の進化につながったのではないか。この全90公演を終えた時、彼らはどのような成長を遂げるのか。新曲「One Heart」の歌詞にある「僕らは一人じゃない」。9人は手を取りながら『滝沢歌舞伎』という大きな船を前進させ続けている。

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