吉沢亮、「国宝級イケメン」を逆手に取った清々しい“自己肯定”で10年目の躍進

吉沢亮、「国宝級イケメン」を逆手に取った清々しい“自己肯定”で10年目の躍進

清々しい“自己肯定”で躍進をみせる吉沢亮 (C)oricon ME inc.

昨年は映画8本、CM5本に出演し、雑誌『ViVi』(講談社)の「国宝級イケメンランキング」では堂々の1位に選ばれた吉沢亮。コメディ作品のほか、最近では映画『キングダム』の番宣で数多くのバラエティ番組に出演し、抜群のユーモアセンスも発揮。朝ドラ『なつぞら』(NHK総合)では吉沢の初登場シーンはわずか3秒ほどだったが、役名の“天陽くん”がTwitterでトレンド入りするほどの注目っぷりを見せた。これまで映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』、『アオハライド』、『オオカミ少女と黒王子』など数々の話題作に出演するも、どこか2番手のイメージが抜けなかった吉沢が、デビュー10年目にして躍進を手にしたそのワケは?

■“国宝級”にも謙遜&殊勝コメントなし!「だって僕、顔しかイケてないですから(笑)」

 吉沢亮のデビューは2009年、母親が応募した「アミューズ全国オーディション2009 THE PUSH!マン」がきっかけだが、グランプリは野村周平だった。2011年には『仮面ライダーフォーゼ』(テレビ朝日系)で若手俳優の登竜門ともいえる“ライダーデビュー”を果たすが、主役は福士蒼汰であり、吉沢のポジションは“2番手ライダー”。吉沢にはどこか2番手のイメージがあり、今ひとつ突き抜けなかったのだが、2017年に映画『銀魂』の沖田総悟役に抜擢されると、原作を忠実に再現したビジュアルが原作ファンからも絶賛。昨年の映画『ママレード・ボーイ』の王道イケメン役や、ドラマ『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系)のクールなエリートサラリーマン役など、いきなりイケメン力を発動させ、急激に人気と知名度を伸ばしてくる。

 雑誌『ViVi』の人気企画「国宝級イケメンランキング」では、過去最多となる2.3万人の投票で2018年下半期の1位に。過去に錚々たるイケメンたちが1位になってきたランキングだが、2016年の中川大志は「僕はその(イケメンの)真逆だし、そういう人にはなれそうもありません(笑)」、2017年の菅田将暉は「正直選んでもらえたのは予想外」、2018年の新田真剣佑は「自分が果たして“イケメン”なのか……正直わからないです」など、それぞれ判で押したような謙遜&殊勝コメントのオンパレードの中、吉沢は「だって僕、顔しかイケてないですから(笑)」と堂々と宣ったのである。

 同時に「中身はイケメンじゃないですし、スタイルも別によくない。優柔不断で声が小さくて、お酒ばっかり飲んでて…実際の僕はダメ男な部分しかないです」と自虐ネタも織り交ぜたが、イケメン自覚発言にはネットでも「吉沢亮なら許す」、「発言めちゃくちゃ好きwww」、「吉沢亮さんの最高なところは顔がいいことを自覚してて、かつ顔しかいいところないとか言い切っちゃうところ」などと、世間も“イケメン負け”した感があった。

 バラエティ番組などでも、吉沢には度々“国宝級イケメン”の枕詞が冠せられるが、本人も謙遜するどころか“モテ”エピソードを堂々と披露。映画『リバーズ・エッジ』の舞台挨拶では、「中学時代は死ぬほどモテました」と豪語して会場の笑いを誘ったほか、『PON!』(日本テレビ系)でも「学年の3分の1に告白された」、「入学して3日目で告白された」などと発言。『おしゃれイズム』(同)では「今までフラれたことはない」と明言し、MCの上田晋也を「初めて俳優をぶん殴りたいと思った」とイラつかせたが、ネットでは「これだけイケメンなら認めるしかないだろ」、「なんかこの人はモテ自慢しても憎めないな」と肯定的だったのだ。

■吉沢亮がリアル“僕イケメン”を押し出してもナルシストを感じないワケ

 吉沢のイケメン伝説にはもはや同業者たちも白旗をあげているようで、吉沢の「国宝級イケメンランキング」1位に対して、かつての1位菅田将暉も「これはもう納得の結果じゃないですか。間違いないですよ」とコメント。さらに、“吉沢がイケメンすぎて目立つので、エキストラの仕事ができなかった”というエピソードを暴露し、「たしかにこの世界、容姿整ってる人はたくさんいますけど、かっこよすぎてメガネをかけさせられるヤツなんていない」と、吉沢の“武勇伝”には全面降伏していた。

 また、「国宝級イケメンランキング」2連覇したことがある山崎賢人さえも、「彫刻のようなイケメン。お亮(吉沢亮)と並ぶと、俺がそこまで顔が整ってないっていうのがわかる(笑)」と完敗宣言。映画『キングダム』の番宣で吉沢とふたりで登場することが多かった山崎だが、たしかにどこか吉沢の引き立て役にまわっていた感もあった。映画『銀魂』の主役・小栗旬も「出演者の中で入れ替わるなら?」との質問に、「スゲ〜キレイな顔してる」という理由で吉沢の名を挙げている。

 これほどのイケメンが「僕イケメンじゃないです」といえば、むしろ反感を買う。この10年間で、そういったともすると“厄介な”場面を数々味わってきたであろう吉沢は、過剰な褒め言葉も逆手に取り、イケメンを自認することを選んだ。そしてその選択がしっかりとファンの心をつかんでいる。

 吉沢の自己肯定には嫌悪感がない理由に、そこに“ナルシスト”を感じないことも挙げられるであろう。同じイケメンでも及川光博やNEWSの手越祐也、Sexy Zoneの中島健人などに代表される“王子様キャラ”は、そのナルシストっぷりの上に成り立っているので、ただの“設定”であっても賛否両論を生む。しかしイケメンであることを素直に認め、自分のイケメンエピソードをたんたんと話す吉沢亮には、かつての狩野英孝の「ラーメン、つけ麺、僕イケメン」じゃないが、どこか嫌味には聞こえないユーモアのセンスを感じる。

 実際、プライベートについては「ひとりが好きだし、もともと地味な男なんです。だから、キラキラした二枚目は演じるのが難しくて」と語っているように、吉沢にとって“ナルシスト”戦法は苦手であり、無理のない“僕イケメン”戦法のほうが相性がいいようである。

■役によってイケメンレベルを調整する演技力に、二階堂ふみも「天才」

 俳優・吉沢亮の強みは、圧倒的ビジュアルだけではない。菅田将暉が暴露したイケメン伝説でもわかる通り、イケメンは時として役の幅を狭めることがあるが、吉沢は映画『斉木楠雄のΨ難』のイタすぎる中二病の役から、『トモダチゲーム』(独立局各局)の狂気のゲス役、『GIVER 復讐の贈与者』(テレビ東京系)のダークヒーローなど、難しい役どころも見事に演じきっている。

 昨年公開された映画『リバーズ・エッジ』では、いじめに苦しむゲイ役で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、共演の実力派女優・二階堂ふみをして「天才っているんだな。この人が女の子でなくてよかった」と言わしめるほど、吉沢の演技力には定評がある。また、映画『あのコの、トリコ。』でも、初日の舞台挨拶で相手役の新木優子が、「映画の中で吉沢さんはオタクっぽい真面目な役をやったのですが、ちょっと猫背にしてみたり、かばんの持ち方を変えてみたり、役作りがさすがでした」、「何もしないと、この通りキラキラがあふれてしまうのを隠して演じている姿を見て、私もキュンとした」と称賛している。

 最近は石原さとみ、深田恭子、綾瀬はるかといった美人女優が女性人気も獲得することで、“カワイイは正義”としてビジュアルが再認識されてもいる。吉沢のイケメンぶりも男が認めるほどだが、本人自身は謙遜するでもなく、王子様キャラで過剰にキラキラするでもなく、素直に自己肯定するだけで無理のないイケメンキャラを確立しており、見る者に親近感させ抱かせている。

 そして役者としては、壊れそうなイケメン、狂ったイケメン、完璧なイケメン、さらにはイケてないイケメンまで演じ分け、バラエティ番組ではユーモアセンスも披露する吉沢亮。今後もただのイケメンに留まらない、幅のある新たな“イケメン像”を提示してくれることを期待したい。

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