“清潔感×ダメ男”の絶妙な塩梅で躍進 間宮祥太朗が魅せる「夢見がちダメ男」

“清潔感×ダメ男”の絶妙な塩梅で躍進 間宮祥太朗が魅せる「夢見がちダメ男」

間宮祥太朗 (C)oricon ME inc.

鋭いまなざしと、ちょっとコミカルな役もやりのける巧みさで人気急上昇中の俳優・間宮祥太朗。最近では「タウンワーク」のCMで“バイトの神様”に扮する松本人志に翻弄される姿や、「アタックZERO」のCMでも松坂桃李、菅田将暉、賀来賢人、杉野遥亮らとの共演で肩を並べるなど、目覚ましい躍進ぶり。濃い顔立ちの“イケメン”ではあるが、正統派の主人公や“王子様”のような役よりも、近年は個性的な役柄を任されることが多く、そんなクセのあるキャラクターを演じることで多くのファンの心をつかんでいるようだ。

■“花の93年組”最後の注目株、大人の鑑賞に堪えうる「真っ直ぐなクズ感」

 1993年生まれの俳優といえば、菅田将暉、竜星涼、竹内涼真、神木隆之介、福士蒼汰らそうそうたるメンバーがそろっている世代。間宮は2008年『スクラップ・ティーチャー〜教師再生〜』(日本テレビ系)の生徒役で俳優デビューを飾った。以来、数多くのドラマ、映画に出演。舞台『銀河英雄伝説』シリーズ(12年~)では、その実力を多くの人に知らしめた。一方、映画『全員死刑』(17年)では殺人を繰り返していくぶっ飛んだ主人公を演じ、イケメン俳優らしからぬキャラクターで観る人に強烈な印象を与えている。

 そんな中、「タウンワーク」のCMでは松本人志と2018年7月から共演。バイトを探す大学生に扮する間宮は“バイトの神様”(松本人志)からほっぺにチューされる、愛らしい姿を見せている。実は松本とはCM共演以前から『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)などにも出演していたことからも面識はあった様子。『ダウンタウンDX』で間宮は、大好きな麻生久美子さんの靴の匂いを嗅いで「あの、素晴らしい匂いが…」と発言するなど番組でもちょっと変わった素のキャラクターを見せていた。以来、何度か同番組に出演し、松本からツッコまれることもたびたび。CMでの共演も「DXの掛け合いみたいでハマる」との声が挙がっている。

 また今年の4月からOAされている「アタックZERO」CMでは、洗濯好きな社会人サークル“洗濯愛している会”のメンバーの1人として出演。その中で間宮が演じているのは情に厚くてちょっとおバカなムードメーカー・ショータロー。実は松坂桃李、菅田将暉、賀来賢人、杉野遥亮らは、これまで彼らが演じた役柄を彷彿とするキャラクターが割り当てられている。間宮のキャラもNHK連続テレビ小説『半分、青い。』(18年)で演じた夢見がちな八方美人、森山涼次を彷彿とさせ、ファンからの反響も大きい。

■強面イケメンで終わらせない“役者としての幅” 「端役」で居続けてきた下積みの成果

 上記に挙げた2つのCMで間宮が演じたのは一見、イマドキで好感のある若者ともいえるが、もっと深く掘り下げると“やる気はあるものの自立まではほど遠い”若者ということ。“夢見がちなダメ男”なのだが、フレッシュに演じる間宮の演技力が抜きんでているからこそ、リアルな存在感を提示していると言えるだろう。

 小学生のころからの映画好きという間宮は、当時から俳優という職業に対して並々ならぬ思いがあったことがうかがえる。中学生時代は、女子小中学生向け雑誌『Hana-*chu→』の読者モデルとして活動してきた。デビュー作となった『スクラップ・ティーチャー〜教師再生〜』(08年、日本テレビ系)の後もドラマ出演はあるものの、生徒の一人といった役柄ばかり。『ふたつのスピカ』(09年、NHK) 『ヤンキー君とメガネちゃん』(10年、TBS系)など作品は知っていても、間宮の役柄、ましてや間宮自身が大きく取り上げられる機会は少なかった。

■コミカルイケメンで知名度が向上、 応援したくなる“夢見がちなダメ男”誕生へ

 それが2011年の『花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011』(フジテレビ系)に出演したことで少しずつ知名度が高まっていった。2013年には舞台『銀河英雄伝説』で主演を果たし、ついに2016年には『ニーチェ先生』(読売テレビ・日本テレビ系)でドラマ初主演を飾る。漫画『ニーチェ先生〜コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた〜』を原作とする同ドラマで間宮は、「お客様は神様だろう!?」と不条理な要求を突きつけたお客様に対し、「神は死んだ」と返す大物新人コンビニバイト・仁井智慧を見事に演じ切り、2017年の『お前はまだグンマを知らない』(日本テレビ系、関東エリアのみで放送)でコミカルな演技力を開花させた。

 ただ、間宮のブレイクはなんといっても“夢見がちダメ男”だ。強面イケメンが「夢見がちで頼りなく、あまり自立する気が無さそうな役」を演じる、そのギャップが視聴者を惹きつけている。NHK連続テレビ小説『半分、青い。』(18年)で演じた森山涼次のように、祖母に溺愛されて育った夢見がちな八方美人。ドラマ『ハケン占い師アタル』(同年、テレビ朝日系)での目黒円のように、仕事へのやる気はあるが、とにかく要領が悪いお坊ちゃま、映画『帝一の國』(17年)での氷室ローランドのような、圧倒的悪役だが実は打たれ弱い“お坊ちゃま界のガキ大将”といった一風変わったキャラクターを魅力的に変える演技力を発揮した。

 ダメ男のレベルをコミカルからハードまで調整できる点も特徴的。『ゼロ 一獲千金ゲーム』(18年、日本テレビ系)では兄と仲が悪く自らの才覚でお金を稼ぐクールなリアリスト、末崎セイギ役を演じたり、映画『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』(16年) では、原作でも狂気を放つ鰐戸三蔵役を、映画『全員死刑』(17年)での首塚タカノリ役という奇抜キャラを熱演してきた。

■最新映画ではシリアスダメ男役、演技に“真っすぐ”な間宮の今後

 同世代には菅田将暉、竜星涼、竹内涼真、神木隆之介、福士蒼汰らという人気俳優がそろっているが、彼らと真の意味で肩隙をつくためにはどうしたらいいか。小学生時代から「常に最近の良い役者を研究している」と明言していることからも、“イラっとさせる言動の反面、それを飛び越える真っ直ぐなクズ感”は、その泥臭い努力と下積み時代の成果といえそうだ。人気俳優になった今でも「大人の俳優になっていくというプレッシャーを自分に与えながら仕事をしていきたい」という発言から、常に前向きに俳優という職業をとらえていることがわかる。

 多くの作品で主要どころを任される俳優になった間宮。“夢見がちなダメ男”を演じても、単なるクズではなく、フレッシュに見せる男へと昇華させている。そんな間宮も6月公開の映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」(東映)に出演。1人の少女に3人の男性が恋をするラブストーリーだが、間宮が演じるのは妹の初(堀未央奈)に切ない恋をする成田凌(なりたしのぐ)役。卓抜した演技力を持つ間宮が、どう妹に愛を提示するか。そして芝居に対して常に貪欲に向き合ってきた間宮が、これからどんな俳優へと進化し続けていくのか期待したい。

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