まさに『劇的ビフォーアフター』 マシンに“汚し”を施す理由

まさに『劇的ビフォーアフター』 マシンに“汚し”を施す理由

Afterのマシンに“汚し”を入れ、Beforeを再現したマシン『劇的ビフォーアフター』 作:丹龍さん

1980年代〜90年代に2度のブームを巻き起こし、累計販売台数1億8000万台以上を誇る、株式会社タミヤから発売されている「ミニ四駆」。レース同様に、マシンの見た目を競う企画「コンクールデレガンス」(以下コンデレ)も大きな盛り上がりを見せている。今回は、“汚し”を施される前後が表現されたマシン『劇的ビフォーアフター』を紹介。実はこれ、Afterのきれいなマシンに“汚し”を入れ、Beforeを再現したもの。“汚し”以外にも、その独特なカラーリングが持ち味の丹龍さんに、コンデレへの想いや、“汚し”を施す驚きの理由を聞いた。

■“汚す”理由は、塗装を失敗したマシンの修正が面倒だから?

――「ミニ四駆」との出会いを聞かせてください。

【丹龍】ミニ四駆の出会いは小学生低学年のときです。当時は、レーサーミニ四駆が主流で「アバンテJr.」や「イグレスJr.」などで遊んでいました。再開するにあたっては、2011年に息子の誕生日プレゼントにミニ四駆を与えたことがきっかけです。

――コンデレ制作を始めたきっかけは何ですか?

【丹龍】息子のために、格好良いマシンを作ろうとしたことがきっかけです。コースを借りていた模型屋さんのモデラーの方に、塗装方法など色々と教えて頂きコンデレに出展できるレベルまでなりました。

――コンデレ制作に関して、影響を受けた方はいますか?

【丹龍】模型の師匠のハマ氏とPhantom氏とぽん太氏です。過去、コンデレで何度も入賞している方々です。発想力と技術力が凄く、知識と技術を惜しみなく若手に提供してくれるので、逆に“方向性を見失ったモデラー”になりました。“方向性を見失った”という個性を引き出してくれたことに感謝です。

――自身が成長出来たようなターニングポイントとなった出来事はありますか?

【丹龍】2018年4月の岡山大会で「櫻井なる賞」を受賞した『ラウディーブル(隠)』です。新しい迷彩を作ってみようとチャレンジしたマシンで、「これだ!」と自画自賛できる塗装を施すことができ、そこで成長を感じました。普段は辛口の師匠・Phantom氏にも斬新過ぎるカラーリング迷彩だと褒めて頂きました。“丹龍式迷彩”として流行らせたいです。

――“汚し”を施したマシンは全部で何台ありますか?

【丹龍】汚したマシンは沢山ありすぎて何台あるかわかりません。普通にレースで使っていたマシンも傷が入ってボロボロになってしまったら、汚して再利用します。

――“汚し”を施したマシンのどこに魅力を感じますか?

【丹龍】汚しの作品の全ては、塗装を失敗したマシンなんです。失敗したり、修正が面倒なときに「汚せ!」と神からのお告げがあります(笑)。どんな失敗も失敗にさせないという魅力はありますね。“困ったら汚せ!”は子供にも教えています。ウェザリングは模型を無駄にしない素晴らしい技法だと思います。

――“汚し”を施したマシンで一番制作が難しかったマシンは何ですか?

【丹龍】ウェザリングありきで制作をしたことがないので、汚すことに難しいことや苦労はありません。汚すことに正解も際限も無いので、気兼ねなく楽しく作業してるからかもしれません。近いうちに、汚すつもりで制作するのもありですね。

■「なんということでしょう〜」 アイデアは息子の何気ない一言から

――ミニ四駆「スピンバイパー」を改造したマシン『劇的ビフォーアフター』のアイデアはどのように思いつきましたか?

【丹龍】キレイに塗装したあと、乾燥中にエアパッキンが被さってしまい、塗装がボコボコの状態になってしまいました。補修作業中に息子が、「なんということでしょう。あんなにボコボコだったマシンがツルツルピカピカに」と、例の番組風に言ってきたので、「そのネタで行こう!」となりました。アイデアは息子提供です。

――『劇的ビフォーアフター』の制作で苦労した部分はどこですか?

【丹龍】ロゴ以外は全て塗装なんです。ファイヤーパターンのマスキング、グラデーションを2台同じ様にするのには苦労しました。また、限定品だったので、もう一台を仕入れするのに模型屋を走り回りました。

――『劇的ビフォーアフター』でこだわった点を教えてください。

【丹龍】メタリック塗装にこだわりました。金属感を出すために下地のシルバーは敢えて粗く塗装して、クリアカラーを施しています。「スピンバイパー」はウェザリングの駆け出しの頃だったので、どの様にしたら廃車寸前を表現できるかを考えました。

――自身のコンデレ作品で他の人には負けないという“強み”は何でしょうか。

【丹龍】キメラボディ(2台以上のマシンで新たなマシンを作ること)やギミックの技術は皆無なので、誰かがやりそうでやらないカラーリングには自信があります。俗に言う“迷走塗装”ですが、迷走することで新たなカラーリングが誕生すると思っています。

――今後、何のマシンを、どういったコンセプトで作品にしたいですか?

【丹龍】コンデレであまり見ないマシン、「スピンアックス」「トライダガーZMC」「スピンコブラ」などを使って見たいですね。また、ミリタリー系が好きで、近頃はタミヤさんの戦車なんかを作っているので、戦場をイメージしたジオラマの作品にもチャレンジしてみたいですね。

――ご自身にとって「ミニ四駆」とは何ですか?

【丹龍】私にとってミニ四駆は、家族や友人と遊ぶおもちゃです。作って遊ぶ、走らせて遊ぶ、改造して遊ぶ、色を塗って遊ぶ――。ミニ四駆を通してのコミュニケーションは、他の趣味や興味の幅を広げてくれました。基本的なことですが、ミニ四駆はホビーだということ。それを大事にしています。

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