『ポツンと一軒家』好調は“現代の奇跡” 所ジョージ&林修が分析「観る側の意識が変化した」

『ポツンと一軒家』好調は“現代の奇跡” 所ジョージ&林修が分析「観る側の意識が変化した」

『ポツンと一軒家』取材会に出席した林修氏、所ジョージ (C)ORICON NewS inc.

ABCテレビ・テレビ朝日系で放送されている『ポツンと一軒家』(毎週日曜 後7:58)が、昨年10月7日からレギュラー放送を開始して1年以上が経過。昨年10月から今年12月15日OAまでの全放送回の平均視聴率は関東地区17.2%、関西地区17.4%で、過去最高視聴率は、関東地区20.8%(19年9月29日放送回)関西地区22.0%(19年6月30日放送回)をマークするなど、激戦の日曜ゴールデン帯で好成績を収めている。

 日本各地の人里離れた場所に、なぜだかポツンと存在する一軒家。そこには、どんな人物が、どんな理由で暮らしているのか。番組では衛星写真だけを手がかりに、その地へと赴き、地元の方々からの情報を元に、一軒家の実態を徹底調査しながら、人里離れた場所にいる人物の人生にも迫っていく。

 年内最後の『ポツンと一軒家』は、29日に2時間スペシャルで放送(後7:58)。これまでに訪れた一軒家の住人のその後を取材しつつ、新たな一軒家も紹介される。このほどMCの所ジョージ、林修氏が取材会に応じて、好調の秘けつを明かした。

――レギュラー放送開始1年を経て感じるところをお聞かせください

【所】反省だよね。怠けているつもりはないんだけど、ポツンと一軒家で暮らしている方々の暮らしぶりを見ていると、とても真面目でしょう。ですから、VTRを観ているとつい反省しちゃうんです。でもスタジオから外に出てしまうと忘れてしまいますけれども(笑)。

【林】もちろん、そういう面もありますよね。私が番組にこの1年携わらせていただいて感じているのは“現代の奇跡”だと思うんです。ポツンと一軒家で暮らしていらっしゃる方々が、こんな暮らしをされているなんて、全く想像もしていませんでしたし、今こんなにもテレビが厳しいと言われている時代において、こんなにも支持していただけていることも含めて、現代の奇跡かな、と感じています。

【所】ホントですよね。「これで十分でしょう」という暮らしを見せられるので、便利に流れている時代からすれば、正反対ですもんね。ポツンと一軒家での暮らしというのは。

【林】みなさん信念を持って丁寧に暮らしていらっしゃるなと感じますね。都会人とは全然違った感覚があって、そう考えると、所さんがおっしゃったように反省する部分も多いですね。

【所】私たちは「ぜいたく」ってお金を使うことだと捉えがちなんですけど、ポツンと一軒家で暮らす方々というのは、価値観が全然違うんです。番組ではよく捜索隊にごちそうしてくださるんですが、例えば、普段、買い物に行けないような山奥でのうどん1玉が貴重品だという考え方もあるんです。かつて仕事をして、山を降りて買い物に行くほうが大変だからと、報酬はお金でなく現物支給されていた時代を経た方々にとっては、山奥でのうどんって我々とは価値がまったく違うんですよね。ですから観ていて感じるのは幸福度の高さ、でしょうか。

【林】今、どうやってお金を稼ぐかに比重を置いた金銭主義に傾いている時代にあって、そのシーソーのバランスをぐっと戻してくれる感じがありますね。…でも、やはり私が田舎に暮らすのはムリですね。

【所】私もムリです。スキさえあれば怠けたい人ですから(笑)。

――番組が始まった当初から、これほどの人気番組になる手応えはありました?

【所】ないです(即答)。こんなにもポツンという言葉が一人歩きしだし、多くのみなさんに観ていただけたりするとはね。こんなにまで世の中に「ポツンと」という言葉が浸透するとは思いませんでした。ただ、当初からこうした暮らしや人生観があるんだな、と感じられた楽しさはありました。そもそも日本中にポツンと一軒家って少ないじゃないですか。それがテレビの視聴率につながるというのは、気になっている人がたくさんいたってことじゃないでしょうか。

【林】視聴率に関して言うならば、前身の番組が非常に苦しみましたので(苦笑)、でもその中からご支持いただける企画が出てきたという感じですが…。自分だったらこういう企画は絶対に立案できないですね。山の中でポツンと暮らす人に話を聞いて何が面白いんだろうって思いますから。

【所】確かに、日曜のゴールデン番組にしては地味だよね。

【林】ええ、でもこういう企画を出してくれたスタッフさんがいるわけで、素直に尊敬します。このコンセプトを実現するために日々走り回っているディレクターさんにただただ感謝ですね。

【所】そうですね。あとは現地に行くディレクターさんが丁寧な言葉遣いなので、そこも人気の要因でしょうね。

【林】これは聞いたところによる話なのですが、ロケへ行っても空き家になっていたりと空振りが多く、放送まで至らない映像をたくさん撮っている中でも、常ににこやかにロケに臨んでいて、ありがたいなと思いますね。

――今後に期待することは?

【所】まだまだ“ポツンと一軒家”はたくさん日本にありますから。人生観は人それぞれあることを考えると、『片っ端から一軒家』でもいいんじゃないかなと(笑)。一軒一軒話を聞いていったらきっと面白いんじゃないかなあ。

【林】そうかもしれないですけど、“ポツンと”だから番組になったわけで(笑)。

【所】いやいや番組のファンのみなさんは普通の一軒家も観たいと思います。

【林】そうしたら毎日、放送できますよ。

【所】そうです! だってみんな人生長く生きてるんですから、面白い話があるんですよ。

【林】確かにそうですね。

【所】私がひとつ聞きたいのは、何が人生でつまらなかったか。今後は長生きしている方に残念だったことを聞いてほしいですね。

【林】確かにそこも気になりますね。番組の今後についてですが、私自身はこのままでいいな、と思っています。奇をてらわないで、ディレクターさんが地道に一軒家を探し、丁寧に取材させてもらい、そこで暮らす皆さんの生の声を伝えてほしいと思います。

――日曜夜の定番番組になった理由は?

【所】林さん、分析してくださいよ。

【林】そうですね…今はみんなが発信者になれる時代ですよね。その中で、自分とあまり変わらない人が、何を考えどう生きているか。特にご年配の方々からしたら同年代の方が違う環境で全く違う暮らしをしていらっしゃることを知ることで自己確認をされているのかもしれませんね。

【所】どこかで私たちの印象が逆転したのかもしれませんね。当初は人里離れて暮らしている人って、都会から逃げてきた人、とっつきにくい人、という先入観があったんですが、観てみると、そこに訳あって代々暮らしていたり、ステキな人間模様があったり。こんなにもいい人が暮らしてらっしゃるんだ、と観る側の意識が変化したんじゃないかな。

【林】そうですね。特に都会の人からすると、しっかりと土地と繋がって生きている感覚って感じられないと思うんです。不便かもしれないけど自分だけではなくて、先祖代々この地で暮らしてきたんだ、だからここに残る、というドラマも番組では多い。ですから、都会人からすると、ないものを見せつけられて「こういうのもいいなあ」と感じる部分もあるかもしれないですね。

【所】山の奥で住んでいらっしゃる方々の暮らしって、全部やっていることが無駄じゃないんですよね。私たちにとっては無駄に見えることでも、本人たちにとっては尊い日常なんですね。だから価値観の違いを見せつけられるのかもしれないですね。例えば、お風呂を入れるときでも、ボタンひとつでお湯が沸くじゃないですか。でも、山の生活では薪を割って、火をくべてお湯を沸かして…。面倒くさいことがたくさんあるじゃないですか。だから、日々の中にある“ちょっとひと息”の感覚も全く違うと思うんです。面倒くさいことも一杯やることで、一息の価値も変わるんじゃないかな、とも思うんです。自分たちが普段やっていることも否定されるほど内容の濃い番組だと思います。

【林】月並みな言い方になりますが、我々が見失ってきたものを強烈に見せつけられる番組なのだと思います。

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