第163回「芥川賞」は高山羽根子氏&遠野遥氏ダブル受賞 「直木賞」は7度目ノミネート・馳星周氏

第163回「芥川賞」は高山羽根子氏&遠野遥氏ダブル受賞 「直木賞」は7度目ノミネート・馳星周氏

第163回「芥川賞」(左から)高山羽根子氏『首里の馬』、遠野遥氏『破局』(C)橘蓮二

日本文学振興会は15日、『第163回芥川龍之介賞・直木三十五賞』の選考会を東京・築地「新喜楽」で開き、芥川賞は3回目の候補入りとなった高山羽根子氏(45)『首里の馬』(新潮三月号)、初ノミネートの遠野遥氏(28)『破局』(文藝夏季号)2作が受賞した。一方、直木賞は馳星周氏(55)の『少年と犬』(文藝春秋)に決定。1997年、デビュー作『不夜城』での初候補入り以来23年、7回目ノミネートでついに受賞を果たした。

 高山氏は1975年生まれ、多摩美術大学美術学部絵画学科卒。2010年『うどん キツネつきの』が第1回創元SF短編賞の佳作に選出される。同年、同作を収録したアンソロジー『原色の想像力』(創元SF文庫)でデビュー。16年『太陽の側の島』で第2回林芙美子文学賞受賞。

 その他の作品に『オブジェクタム』18年小説トリッパー春季号、単行本は18年朝日新聞出版刊(「太陽の側の島」併録)=第39回日本SF大賞最終候補。『居た場所』18年文藝冬季号=第160回芥川賞候補、単行本は19年河出書房新社刊。『カム・ギャザー・ラウンド・ピープル』19年すばる5月号=第161回芥川賞候補、単行本は19年集英社刊。『如何様』19年小説トリッパー夏季号、単行本は19年朝日新聞出版刊=第41回野間文芸新人賞候補など。

 遠野氏は1991年生まれ、慶應義塾大学法学部卒。2019年『改良(単行本は同年河出書房新社刊)で第56回文藝賞を受賞しデビューしたばかり。

 馳氏は1965年、北海道生まれ。横浜市立大学卒業。書評家などを経て、96年『不夜城』でデビュー(1996年角川書店刊=第116回直木賞候補作、第18回吉川英治文学新人賞受賞、第15回日本冒険小説協会大賞受賞)。主な作品に『鎮魂歌 不夜城II』97年角川書店刊=第51回日本推理作家協会賞(長編部門)受賞。『漂流街』98年徳間書店刊=第1回大藪春彦賞受賞。『蒼き山嶺』2018年光文社刊。『雨降る森の犬』18年集英社刊。『四神の旗』20年中央公論新社刊など。

 両賞は1935(昭和10)年に制定。芥川賞は新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品、直木賞は新聞・雑誌(同)・単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品の中から優れた作品に贈られる。前者は主に無名・新進作家、後者は無名・新進・中堅作家が対象となる。受賞者が都内および近郊在住の場合、発表当日に共同記者会見が行われる予定。贈呈式は8月下旬に都内で行われ、受賞者には正賞として時計、副賞として賞金100万円が与えられる。

 前回の第162回では、芥川賞は古川真人氏の『背高泡立草(せいたかあわだちそう)』、直木賞は川越宗一氏『熱源』がそれぞれ受賞した。

■第163回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)※作者五十音順・敬称略
石原燃『赤い砂を蹴る』(文學界六月号)
岡本学『アウア・エイジ(Our Age)』(群像二月号)
高山羽根子『首里の馬』(新潮三月号)
遠野遥『破局』(文藝夏季号)
三木三奈『アキちゃん』(文學界五月号)

■第163回直木三十五賞 候補作(出版社)
伊吹有喜『雲を紡ぐ』(文藝春秋)
今村翔吾『じんかん』(講談社)
澤田瞳子『能楽ものがたり 稚児桜(ちござくら)』(淡交社)
遠田潤子『銀花の蔵』(新潮社)
馳星周氏『少年と犬』(文藝春秋)

■選考委員
【芥川賞】小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、平野啓一郎(新任)、堀江敏幸、松浦寿輝、山田詠美、吉田修一
【直木賞】浅田次郎、伊集院静、角田光代、北方謙三、桐野夏生、高村薫、林真理子、三浦しをん(新任)、宮部みゆき
※五十音順・敬称略

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