中井貴一、「じゃない方」を選んできた俳優人生 今の時代に「大人のラブコメ」に挑戦する心意気

中井貴一、「じゃない方」を選んできた俳優人生 今の時代に「大人のラブコメ」に挑戦する心意気

テレビ東京の新ドラマ『共演NG』(10月26日スタート)主演の中井貴一 (C)ORICON NewS inc.

長く芸能界の第一線で活躍してきた秋元康氏だからこそ描ける「業界の裏側」にスポットを当てた原作を、主演・中井貴一、ヒロイン・鈴木京香の最強タッグ、そして演出には大根仁の超豪華布陣でドラマ化。共演NGの役者ばかりが集められたドラマの制作現場を舞台にしたコメディと、胸がときめくラブストーリーをテレビ東京史上最高スケールで送る新ドラマ『共演NG』が26日より放送スタートする(毎週月曜 後10:00※初回5分拡大)。主演の中井に、本作への思いや見どころを聞いた。

――今回の作品に出演を決めた最大の理由とは何ですか?

【中井】根本的に僕は天の邪鬼だと思うんです。子どもの頃から父(俳優の佐田啓二さん)のように役者になりたいとか、芸事が好きだったとか、そういったこともなく、芸能界から遠く離れた環境で育ってきたんだけど、大学生の時に映画(松林宗恵監督の『連合艦隊』1981年公開)に出ることになって。この先も役者をやっていくなら、自分はどうしていったらいいのか考えた時に、「常にじゃない方でいよう」と考えたんです。

 日本人って流行りモノに乗るのが好きな民族だと思うんですね。“〇〇ちゃんが持っているから、自分も欲しい!”“これだけの人が並んでいるんだから、きっとおいしいに違いない!”みたいな、心理傾向が強いと思うんですが、僕はちょっと変わっていて(笑)。「じゃない方にいよう」「じゃない方を選ぼう」とやってきました。デビューしたときも多くの俳優さんは当然所属事務所を探すのだと思うのですが、皆そうするのだよと言われた途端、無謀にも自分で事務所を作ってしまったり、20代の頃はトレンディドラマが全盛だったんですが、そうじゃない方の作品に出させていただいてました(笑)。

 今回の『共演NG』も「大人のラブコメディ」と聞いて、“今の時代、誰が観るんだよ”と言う人がいてもおかしくないジャンルですよ。だからこそ、そういうドラマも日本で作れるんだっていう足跡を残したいな、と。でなければ、似たりよったりのものしか作れなくなってしまう。『共演NG』が今の時代の視聴者に合うかどうかわからないけど、いま一番ないドラマだと思ったので、引き受けさせていただきました。

――「大人のラブコメディ」をどのように演じたいと思っていたんですか?

【中井】先日、誕生日を迎えて59歳になりましたが、そんないい歳をした大人のラブシーンなんて、「えーっ、気持ち悪い!」って思う気持ちが特に日本にはどこかあると思うんです。欧米に行くと、キスやハグは日常茶飯事で、そういう土壌から生まれた映画やドラマに大人のラブシーンがあっても、すごく素敵に見える。日本にはそういう土壌がそもそもないので、子どもの頃にそういうのを見て、引いてしまっていたんだけれど、こうして歳を重ねてきて、これから先に何か可能性を残していくならば、爽やかに、美しく、嫌悪感なく見られる大人のラブシーンも残していきたい、と。過去にいろいろあった男女が口げんかをするシーンは素直に見られると思いますが、そんなふたりの友情とも愛ともつかぬ部分をいかに清々しくさわやかに演じることができるか、その点が僕の一番のテーマになりました。

――相手役の鈴木京香さんと共演した手応えは?

【中井】初めて共演した時、僕が30代で彼女が20代。以来、何度か共演していて、お互いの成長を見てきた、というのもあって、すごく気を楽にして現場に臨むことができました。お人柄もわかっているので、遠慮なく芝居ができますし、現場は楽しいですよ!

――現場で心がけていらっしゃることは何ですか?

【中井】役者は、プロダクションに所属していようが、個人で活動していようが、結局は、その人自身の仕事ぶりや能力が問われていく職業です。さらに、ドラマや映画の現場に入ったら、チームプレーもできなければならない。ワン・フォー・オールの精神を持てるかどうかが重要になってくる。現場の全員がお互いを助け合い、ある時は競い合い、より良い作品にするために押したり引いたりバランスを取り合えることが一番大事で、そのバランスを取れるように自分も力を尽くしていきたいと思っています。

 個々が優れていればいいドラマができるということでもないんです。一人ひとりの力は小さくてもそれがチームとして集まった時、2倍、3倍の力になって作品へ向かっていくこと。今のドラマづくりではそれが大事だと思います。


――視聴者にメッセージをお願いします。

【中井】僕が子どもの頃は、テレビは宝箱でした。それこそブラウン管テレビの時代でしたので、テレビを消したあと、画面の光が点になるまで見つめていた世代。娯楽の王様が、映画からテレビに変わって、いまやネットに移りつつありますが、作り手がもっと面白いものを作っていけば、テレビドラマも見てもらえるということをおこがましいですが、僕たちはこの『共演NG』で提示できたらいいなと思っています。時代の波に乗れるかわからないけれど、日本にも大人のラブコメディが作れるんだ、ということを知ってもらいたい。面白い作品になっていると思うので、まずは1話をぜひ見てもらいたいですね。

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