稲川淳二、70歳目前で怪談に自信「人生を知ったふうにしていてもいい」

稲川淳二、70歳目前で怪談に自信「人生を知ったふうにしていてもいい」

怪談家の稲川淳二が8月7日にCS映画専門チャンネル・ムービープラスにて放送される『この映画が観たい#47〜稲川淳二のオールタイム・ベスト』(後11:00)の合同取材会に出席 (C)ORICON NewS inc.

 怪談家の稲川淳二(69)が8月7日にCS映画専門チャンネル・ムービープラスにて放送される『この映画が観たい#47〜稲川淳二のオールタイム・ベスト』(後11:00)の合同取材会に出席した。番組では自分の人生に影響を与えた4本の名作についてのエピソードや思い出を語っているが、収録後のインタビューでもその興奮は収まることなく、映画についてはもちろんライフワークである『怪談』についての想い入れや今後の活動についても語ってくれた。

 稲川がチョイスしたのは『慕情』(1955年/ヘンリー・キング監督)、『冒険者たち』(1967年/ロベール・アンリコ監督)、『キャリー』(1976年/ブライアン・デ・パルマ監督)、『タイタニック』(1997年/ジェームズ・キャメロン監督)、『羊たちの沈黙』(1990年/ジョナサン・デミ監督)の5作品。「選ぶのはそんなに迷わなかった。『慕情』は曲も背景も好きでしたね。昔の映画は音楽がとても良くて夢中になった。映画館なんかにも、ずいぶん行ってましたね」と懐かしむ。

 なかでも“怪談”に通じる部分を持つホラー映画には独自のこだわりを持つ。「『羊たちの沈黙』は初日に観てこれは面白いって感動しましたね。あとはニコール・キッドマンの『アザーズ』。あれなんかは日本人考えないよね」と感心。「ホラーでもなんでもいいんですけど、嘘でもいいから、ロマンだったり夢をくれと思いますね。許せる範囲の非常識が必要です。納得できてしまうからこその怖さ、本当になにかが『いる』んじゃないかと思えることが大事です」と力説する。

 インタビュー中に突如始まる怪談を楽しませてもらったが、いつのまにか引き込まれるその話術には圧倒されるばかり。全国ツアー『怪談ライブ』も毎年恒例となったが、ファンとの交流も盛んに行っているそうで「たまに『助けてくれないか』とか『こんな祟りがあって』とか祈祷師かなんかと間違えて相談が来たり、人生を聞かれても困っちゃうんだけど…(笑)。でも、できるものには返事を書いています。いい手紙をずいぶんくれるんですよね」とその表情は生き生きとしている。

 「悲しい想いをしている人は怪談ライブには来ないんですよ。そりゃ、つらい思いしてる人は怪談を聞こうなんて思わないですよね(笑)。だからみんなワイワイしながら来ます。怪談は“お祭り”なんですよ。みなさんの心のなかにある楽しいお祭り。一年で一回、夏に、ジィさんがなんとなく怖い話をしている、みたいなね。今年で私は70歳になるのですが、怪談なんて50、60歳じゃダメ。先輩もいるし、人生知ったようなことはいえない。でも70歳になれば自分のことを“じじぃ”って言ってもいいし、人生を知ったふうにしていてもいい。先輩たちも減ってくるから(笑)。もう70歳ですからね…名前も稲川淳じじぃにしようかと思ってますよ(笑)」。

 最近では、自分が過去に話した怪談を作者不明として紹介されることも増えたという。「テレビで怪談を『この話はもう古典になりつつありますが…』って私が話した話だよってね(笑)。そりゃあ、昔から話してるんだもんね。でも話が残って誰かが語ってくれればうれしい。ありがたいです。みんなが覚えて、話すのに使ってくれたら。使えるような話をたくさん紹介したいですね」。

 メディア出演や舞台監修、7月から11月にかけては恒例の全国ツアー『稲川淳二の怪談ナイト』を控え、さらに工業デザイナーとしても活動するなどそのパワフルさには驚くばかり。なんと古希を前にして最近の睡眠時間は「4時間取れればいいくらい」とこちらが心配になってしまうほどの多忙ぶり。

 「今年は仕事しすぎだな、大変ですよ(笑)。忙しすぎて周囲の方に心配していただいたりもしますが仕方ないですね、やるしかない。これからもずっと“怪談爺ぃ”を楽しみたいですね。みなさんがよろこんでくれる分だけやりたいですね」。すでに確固たる地位を築きながらも、年齢を重ねることで稲川の怪談はこれからも進化していくことだろう――。

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