【オリコン】上半期「文芸」書籍好調も 「コミック」「文庫」が苦戦

【オリコン】上半期「文芸」書籍好調も 「コミック」「文庫」が苦戦

村上春樹著『騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編』(新潮社)

 オリコンは21日、2017年上半期(対象期間2017年1月2日〜7月2日)の書籍売上をまとめた市場レポートを発表。市場全体の規模は前年同期比96.0%の4801.9億円と、09年に上半期市場規模調査を開始して以来の最低記録を昨年に続き更新。文芸作品が好調だったことで総合部門にあたる「BOOK」部門は微増したものの、「コミック」「文庫」部門の苦戦が響き、市場縮小を食い止めることはできなかった。

 前年同期並み(101.5%)に推移した「BOOK」で好調だったジャンルは、「文学・ノンフィクション」(前年同期比113.6%)、「ガイド・地図」(同177.5%)、「ビジネス書」(同104.1%)。また、前年同期は『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』などの大ヒットで大きく市場規模が伸長した「児童書」も同101.3%と堅調に推移した。

 「文学・ノンフィクション」のけん引作は、今年2月に2冊同時に刊行された村上春樹氏の書き下ろし長編小説『騎士団長殺し−第1部 顕れるイデア編−』『〜−第2部 遷ろうメタファー編−』。共にBOOK総合(金額)の1位、3位にランクインしており、2作合わせて17.3億円を売り上げる大ヒットとなった。2位は、直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸氏の『蜜蜂と遠雷』(売上額7.9億円)、そのほか、『君の膵臓をたべたい』の大ヒットで一躍人気作家に仲間入りした住野よる氏の新作『か「」く「」し「」ご「」と「』など、文芸作品が豊作だったといえる。

 一方で「コミック」部門は1135.3億円(前年同期比86.3%)と低迷。『ONE PIECE』『進撃の巨人』『東京喰種トーキョーグール:re』『HUNTER×HUNTER』などの人気作が、前年同期に続き上位に顔を並べているものの、上位10作品の売上規模を比較すると6%程度減少した。昨年から『こちら葛飾区亀有公園前派出所』や、『暗殺教室』『BLEACH−ブリーチ−』など大型タイトルの完結が相次いでいるが、前年同期ではそのうち『暗殺教室』が2巻、TOP10にランクインしていたため、上位だけを比較してもさっそくその影響が出たかたちとなった。

 「文庫」部門も503.9億円(前年同期比88.3%)と苦戦。期間内で売上額1億円以上の作品は、15年上半期は37作だったが、16年上半期は18作とほぼ半減、そして今期は15作と、ヒット作が減少している。なお今期は、上位売上10作品のうち、1位の『リバース』(売上額3.7億円)をはじめ、7作が映像化された作品の原作本となっている。

 出版社別ではKADOKAWAが総売上429.6億円(前年同期比95.0%)で、前年同期に引き続き1位に。BOOK部門は、星野源のエッセイ『いのちの車窓から』(売上額3.1億円)や、コミックエッセイ『鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン! 2』(同2.2億円)などがけん引し、182.0億円(同106.9%)と好調。コミック、文庫部門は前年同期を割り込んだ。

 また、今期もっとも巷の話題をさらったのは、全編を通して“うんこ”の文字が躍る『日本一楽しい漢字ドリル うんこ漢字ドリル』シリーズ。この大ヒットによって、文響社は総売上28.6億円(同267.1%)となり、前年同期85位から29位に大きく躍進している。

関連記事(外部サイト)