江口寿史氏、ギャグ漫画家の苦悩と矜持語る「面白くないものを書けない」

江口寿史氏、ギャグ漫画家の苦悩と矜持語る「面白くないものを書けない」

『週刊少年ジャンプ展』のレジェンドトークショーに参加した江口寿史氏 (C)ORICON NewS inc.

 東京・六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで開催中の『週刊少年ジャンプ展』の第1弾『創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展VOL.1 創刊〜1980年代、伝説のはじまり』(10月15日まで)内の特別イベント・レジェンドトークショー第2弾が22日、同所で催された。『ストップ!! ひばりくん!』の江口寿史氏と『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!! マサルさん』『ピューと吹く! ジャガー』のうすた京介氏が登壇し、秘話を明かした。

 日本を代表するギャグ漫画家の2人が激レアトークを展開。当然、話は爆笑の連続だった。デビュー当時のジャンプ編集部について江口氏は「ヤクザみたいだった」と苦笑いで回想。某週刊漫画誌の編集は「リアルヤクザ」と話し、ジャンプの編集は「エリートヤクザ」と表現して会場に集まったファンを笑わせていた。

 そんな編集部の人間に対しても曲げたくなことがあったという。ギャグは先のプロットを固めやすいストーリーものより時間がかかりガチという側面がある。しかし、満足いく内容でなければ書かないというポリシーを持っていた。

 そのため原稿を落とすことも多かったが江口氏は「ギャグって大変じゃん。怖さとか恐怖で脅されてもできないものはできない。面白くないものを書けない」ときっぱり。「(漫画の中では)自分が1番、神。表面上は『はい、はい』って言いますけど、裏で『面白く書けばいいんだろ、バカヤロー』って」とギャグ漫画家としての矜持を語っていた。

 うすた氏も執筆するのが遅かったが“休載の先駆者”江口氏のおかげで助かったという。さらに、うすた氏は「あるとき、突然、降りてくる瞬間がある。その瞬間のために苦しんだんじゃないかって思う」と持論を展開。同調した江口氏は「そのときは、すごく幸せ。麻薬患者みたいだけど、ナチュラルハイになる。そのときの快感が忘れられない」とギャグ漫画家を辞められない理由を語っていた。

 また、江口氏はたびたび休載する『HUNTER×HUNTER』の冨樫義博氏に対して「休んでもいいよ」と“休載のススメ”を説いたとネット上で話題となっているが、江口氏は「俺、言ってない。去年、会ったのが初めてだから」と全面的に否定。「ネットはうそばっかりだから」と笑っていた。

 加えて、うすた氏は「冨樫先生は(休載期間中に)ネームを書き溜めているみたいですね」と裏話を暴露。江口氏は「休むときは休む」と言い切り、うすた氏も「ネームを書き溜めているとき、そっちのタイプなんだって思った。僕とは違うんだなって思った」と笑っていた。

 同展は来年に迎える『週刊少年ジャンプ』創刊50周年を記念して開催。10月15日まで東京・森アーツセンターギャラリーで開催される第1弾は、雑誌の黎明期を支えた作品の原画を多数展示。伝説の作品が登場する会場限定の映像シアターなども公開される。

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