映画『ゴジラvsコング』でハリウッド初進出の小栗旬「まるでプロレスを見ているみたいに爽快」

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全世界でコロナ禍を吹き飛ばすほどの記録的大ヒットとなっているハリウッド映画『ゴジラvsコング』。今回は本作でハリウッドデビューを果たした俳優・小栗旬(おぐり・しゅん)に直撃インタビュー!

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■出演のきっかけは『クローズZERO』

今作で小栗 旬が演じるのは、前作まで出演していた渡辺謙演じる芹沢猪四郎博士の息子・芹沢 蓮。大企業・エイペックス社の進める計画の鍵を握る人物

――本作『ゴジラvsコング』は、2014年公開の『GODZILLA ゴジラ』から続く「モンスター・ヴァース」シリーズの4作目にあたり、小栗さんは本作が初出演となります。小栗さん演じる芹沢 蓮(せりざわ・れん)という役が決まるまで、どういった経緯があったんでしょうか?

小栗 もともと東宝さん経由で日本人俳優を探しているというお話はもらっていたんですが、当時の僕の英語力的に遠慮していました。その後、今から3年ほど前に別のプロジェクトでロサンゼルスに滞在していたときに、レジェンダリー・ピクチャーズから「ロスにいるなら一度くらい会おう」と顔合わせの機会をつくってくれて。

正直僕、本当によくわからないままレジェンダリーのロサンゼルス社に行ったんです。そこには向こうのプロデューサーにCEO、そして本作の監督アダム・ウィンガードがいて、ふわっとした英語力でみんなの話を聞いていると、なんか「(自分が)出るか、出ないか」みたいな話になってたんですよね。

――意外にもそんな軽いノリだったんですね。

小栗 もちろんそこで決定というわけではなくて、僕の英語力が向こうのスタッフに納得してもらえるレベルになったら正式にオファーという形でした。最初は「体に翻訳機をつけた役にするから日本語で大丈夫だよ」と言われてたんですが、結局その設定はなくなったので、頑張って英語を勉強しました。

――小栗さんが英語勉強中にもかかわらず、そこまでのラブコールがあったのには、何か理由があるのでしょうか?

小栗 実はアダム監督は三池崇史(みいけ・たかし)監督のファンだったんですよ。特に僕が主役をやった『クローズZERO』がお気に入りで、「(『ゴジラvsコング』の)この役は旬にやってほしい」と言ってもらえたんですよね。

――さすがアダム監督、しっかり日本映画もチェックされているんですね。

小栗 すごい情熱でしたよ。ミーティングしたときは、「どれだけ俺が日本映画好きか教えてやるぜ」みたいな感じで話し込まれました(笑)。

前作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』で怪獣王の座を手に入れたゴジラに、髑髏島(スカルアイランド)の守護神・コングはどう挑むのか!?

――撮影はいかがでしたか?

小栗 最初から「こう撮るんだ」ってガチガチに固まっている感じは全然なくて、現場では「いろいろやってみようよ」というスタンスだったのが印象的でした。役者の発想やアイデアをどんどん採用してくれるって感じで。

劇中、僕が白目を剥(む)くシーンがあるんですけど、あれはアダムが「カメラはここに置いておくからいろいろやってみようよ」って言ってくれて、そのなかで僕が自分で出したアイデアなんです。そしたらアダムはそれ見て大喜びで、「旬、もうずーっと白目にしていてくれ」とか言っていましたね。

――それはそれでつらいものがありますね。

小栗 ええ、正直「僕、初めてのハリウッド映画でこんな白目剥き続けるのかぁ......」とは思いました(笑)。

――そのほかにも映画製作において日米の違いに思うことがあればお聞かせください。

小栗 日本の現場ってチームによっては「1テイクで終わらせなきゃ......」みたいな空気が漂うことがあって、妙な緊張感から芝居とはまた別の思考が出てきちゃうんですよね。そういう面では今回参加したハリウッドのチームは緊張感は全然なかったです。みんなリラックスして現場にいる印象でしたし、それは素直にいい環境だよなぁ、と。

――あれだけの大作なのに現場は和やかなんですか?

小栗 日本だったら半日で撮り終わるようなシーンに丸々2日かけたりしますし、3回に1回くらい「カメラのフォーカスが合っていませんでしたー」みたいなこともあって。

そもそもそうした些細(ささい)なことは重要視していない余裕を感じましたね。でも同時に、「日本のカメラマンさんたちは優秀だったんだなぁ」とも思いました。

■"世界の渡辺 謙"とふたりだけの食事会

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――今回の小栗さんの役は、前作まで出演していた渡辺 謙さん演じる芹沢猪四郎(せりざわ・いしろう)博士の息子役ということですが、謙さんとは何かお話しされましたか?

小栗 実は謙さんとは一緒の現場になったことはなくて、ご挨拶したことがある程度だったんですけど、今回この役をやるということで、ふたりきりで食事に行かせていただいたんですよ。そこで、向こうでどう挑めばいいのかとか、それこそ謙さんがハリウッドで活躍されてきた歴史とかを聞きました。

そのなかで謙さんから「モンスター・ヴァースでの僕の役は前作が最後と思っていたけど、君の参加でバトンをつなげたし、『ゴジラ』という作品に日本人が参加する流れが続くことはとても誇らしく思う」ということを言っていただきました。

――バトンを受け取ったことのプレッシャーは?

小栗 もちろんありましたし、だからこそ謙さんに恥をかかせないように必死で海を渡りました。でも、すべてが初めての経験だったので、最初から全部はうまくいくわけがないし、その瞬間、瞬間で自分ができることをやろうと思っていました。

そんな気概で挑んだんですが、蓋(ふた)を開けてみると、現場のみんなはすごく温かく迎えてくれましたし、変に気負うこともなくいい経験ができましたね。

――謙さんからアドバイスはもらいましたか?

小栗 とにかく「言語が違うから自分がこうしたいと思うことをやらなきゃいけないし、逆にそうやって『こうしたい』という思いを抱かないとなんにも撮ってくれない世界だよ」というようなことは言われましたね。

――なるほど。何作もハリウッドの現場をこなしてきたからこそのアドバイスですね。ちなみに小栗さんは今回、劇中での「ゴジラ」というセリフをきちんと日本語の発音で言われていましたが、これは前作までの謙さんの演技を踏襲したんでしょうか?

小栗 これは、僕がというより、ハリウッドの製作陣がとてもこだわっていた部分ですね。だからそもそも台本上で僕のセリフは、「Godzilla」ではなくて「Gojira」になっていたんですよ。

――そうだったんですか! ゴジラ作品へのリスペクトを感じるエピソードです。

■今の英語力があればまた全然違ったかも

コングが住んでいた髑髏島(スカルアイランド)の先住民だった少女・ジア。特務機関モナークのアイリーン博士が母親代わりの彼女には、コングと心を通わす特別な力が......

――英語のセリフに関して、もう少しお聞きします。3月23日に放送されたバラエティ番組『火曜サプライズ』で、ロスで小さな舞台を借りて、全編英語のふたり芝居をやったというエピソードを話されていましたが、そのふたり芝居は『ゴジラvsコング』撮影の後にやられたんですか?

小栗 そうですね。

――撮影後から今まで勉強を続けられてきて、ご自分で英語力がアップした実感は?

小栗 どうなんですかねぇ。ただ、本作撮影時の僕の英語力は相当やばかったんですけど、そこから比べればだいぶ進歩したし、会話にはなってきているのかなぁ、と。今の英語力で撮影に臨めていたら全然違ったかもしれない。

――ここで話が脱線しますが、週プレ読者はあまりイケメン俳優に興味がないんですが、小栗さんは読者人気が高くて、週プレで以前行なった"30代の好きな俳優ランキング"で2位を獲得しているんですよ。

小栗 あはは! そうなんですか、うれしいな。

――週プレを読んだことは?

小栗 僕、毎週読んでますよ。僕がラジオの『オールナイトニッポン』をやっていたときは楽屋に用意してもらっていましたし。

――そうなんですね! では好きだった企画は?

小栗 DVDランキングみたいな記事は好きでしたし、当時の『オールナイトニッポン』の作家さんにはランク上位のDVDを買ってきてもらっていましたね。

――どんなDVDランキングだったか気になります。

小栗 AVですね。

――また週プレ読者の好感度が上がったと思います(笑)。では最後に『ゴジラvsコング』の見どころをあらためて教えてください!

小栗 完成版を見たとき、本当に爽快だったんですよ。まるでプロレス見ているみたいというか。コングがゴジラにストレート食らわせるんですから。「す〜げぇ〜パンチだなぁ」って笑いましたもん。

――いい意味で"細かいことは気にしねぇ"ってスタイルな作品ですよね。

小栗 そうそう。週プレ読者なら、それこそプロレス好きの人や、子供の頃から怪獣に慣れ親しんできた人もいるでしょうから。ともかく派手なんで、4DXの動く席や、IMAXの大画面で堪能すれば、今たまっているストレスもパーッと忘れて楽しめると思います。「とりあえず明日も頑張ろっかなぁ〜」ってなるはずです。

――鬱憤(うっぷん)を吹き飛ばす二大怪獣の大激突、楽しみです!

(スタイリング/三田真一[KiKi.inc.] ヘア&メイク/SHIGE)

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●映画『ゴジラvsコング』 
7月2日(金)より、全国ロードショー。怪獣王の座を手にして姿を消していたゴジラが、突如として大企業エイペックス社の工場を襲撃。混乱に対処するため、特務機関モナークとエイペックス社は髑髏島からコングを連れ出し......ゴジラとコング、2大怪獣のバトルが幕を開ける! 小栗 旬演じる芹沢 蓮は、観客の度肝を抜く"まさかの役割"を担っているぞ!!

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●小栗 旬(おぐり・しゅん)  
1982年生まれ。1998年にドラマ『GTO』に出演以降、ドラマ・舞台・映画と幅広く活躍。今年10月期TBS系ドラマ『日本沈没−希望のひと−』や、2022年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の主演を務める。

?2021 WARNER BROTHERS ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

取材・文/昌谷大介 角田領太(A4studio) 撮影/下城英悟

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