比嘉愛未(モデル)×清川あさみ(プロデューサー)。写真集発売を記念して、ふたりの対談が実現!「近隣の人に通報されて、巡査さんが様子を見に来たり(笑)」(比嘉)

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女優・比嘉愛未が35歳で放つ渾身の写真集『本心』は、2月24日(木)発売予定。そんな写真集の未収録カットを『週刊プレイボーイ3・4合併号』の表紙&巻頭グラビアで先行公開している。

企画立ち上げから撮影前、撮影時のエピソードの一部を比嘉さんと、写真集のプロデュースを担当したアーティスト・清川あさみさんとの対談形式でご紹介いたします!

■「ファンの知らない愛未を見せる」

比嘉 今回、「写真集を作ろう」となったきっかけは、あさみさんと普通にご飯していて、「私自身、何かこうもっとステージを上げたい」という話をしたら、「今じゃない?」って言ってくれたんだよね。

清川 うん。そうだったね。

比嘉 それで一緒に仕事しよう、作品を、写真集を作ろうって、とんとん拍子に話がまとまって。あさみさんと出会ったのは5、6年前で、そのときは一回食事をして、あさみさんの『美女採集』で撮影してもらって、だからまた一緒に仕事するのは5年ぶりくらい?

清川 仕事じゃなくて、ほとんどご飯しか行ってなかったよね(笑)。

比嘉 『美女採集』以降も、一緒に何かやりたいなっていう思いはずっと持っていたんだけど、あさみさんのほうでタイミングというか、インスピレーションが湧かないとお声がかからないと思っていたから。それが今回、私自身もタイミングを感じて、ふたりの感覚がバチッとはまったというか。

2021年は主演ドラマがあって、並行して別の連ドラの撮影もあって、それが終わってから、何か自分がちょっと前の自分じゃない感じがして。いろいろな表情とか感情があふれ出るようになってきていて......まさにパッションが止まらない感じで。だから、そういう「今」を誰かに切り取ってほしかった。

清川 今回、私がプロデュースをさせていただくことになって、ロケーションの候補もいろいろ考えたんだ。愛未(まなみ)に似合いそうな場所とか、光の感じとか、全部計算して。......愛未は沖縄出身じゃない? 私も島出身だから、初めて会ったときに「何かすごく波長が合う気がする」って私が言ったこと、覚えてる?

比嘉 覚えてる、覚えてる。

清川 そういうのもあって、最終的には私の故郷で撮ろうと思ったんだよね。沖縄もいいなぁって悩んだんだけど、初めて行く場所のほうが新しい愛未を出せるかなって。それに、どこか沖縄とも似てなかった?

比嘉 似てた。すごく近しいものは感じたな。歴史があって、神秘的で。私たちは普段、都会でせわしなく生きていて忘れがちなんだけど、やっぱり自然と共存しているんだなって思った。光も、植物も、空気ですらも優しい。だからすべてに感謝できるというか、味方してくれているというか......そういう感覚って、沖縄に帰るときもいつも感じていて。

だから私は地元には、普段のお芝居とかで表現することで消耗してしまうエネルギーを充電しに帰っているんだけど、今回も同じ感じだったなって。あさみさんも言ってくれたように、島育ちの人間の力って、やっぱりそういうところで育まれるんだと思う。だからあさみさんはあさみさんで、芸術で人に感動を与えられるし、私はお芝居で与えたい。そこが一緒だから、すごく尊敬できる。

清川 私も何か、愛未と仲がいい理由が今回わかった気がしたよ(笑)。

比嘉 一緒にいて落ち着くしね。あさみさんだから、気張らずに普段の自分を出していきたいなって思ったし、思いっきり甘えてみようって。全部プランニングしてくれて、その思いも伝わったし、集まってくださったスタッフもみんな波長が合う方々で、信頼できて、不思議と不安なことがまったくなかった。

いつもだったら「結果を残さなくちゃ」とか、そういう自分以外の部分に意識がいっちゃって、自分自身を出せないことが多かったんだけど、今回は全部甘えた上でいろいろな自分を切り取ってもらった作品を、私自身が見てみたいって、そういう気持ちになれたんだよね。いくつになったときでも見返して、「ああ、このときすごく生き生きしてたな。楽しそう」って思えるような作品にしたかったし、なっていると思う。

清川 今作の目的は「ファンの知らない愛未を見せる」だからね。

比嘉 絶対今までの自分じゃないと思う。本当に、"脱皮"できる大きなきっかけになると確信してる。

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■思い浮かべていた画がばちっとはまった

清川 テーマは「大地」「海」「光」「肌」の4つを決めて。愛未は島育ちだし農業高校出身だから、「大地」は外せないな、とか。

比嘉 あさみさんが絵コンテを描いてくれたんだよね。馬に乗ってる私がいるのを見たときは驚いたなあ。「それだ!」って(笑)。写真集ってどうしても人物ありきだけど、そうじゃないふうにできたらなっていうのはあったから。人間と自然だったり、動物だったり、何かと調和している、何かと一緒になって、総合的にひとつの作品を作る―そういうことができたらいいなって思っていたから。

清川 さっきの話にもつながるけど、それが「愛未らしさ」になるんだろうなっていうのはあったんだよね。馬のシーンは、馬自体だけじゃなくて「光」がめちゃくちゃ大事で。私がそれこそ、子供の頃から見てきた夕日が沈む瞬間の色で、「海」で撮りたいというのは最初からずっと考えていて。そのとおりの写真が撮れた。

比嘉 思い浮かべていた画(え)がバチッとはまったの?

清川 そう。今回、全部がそれなの。カバー写真にもした、砂岩を背景にした写真もそう。あの、地層のような砂のグラデーションと愛未の肌の組み合わせがずっと頭にあって、あれは全体のファーストカットだったけど、イメージしていたとおりにはまった。撮影を担当してくださった(藤代)冥砂(めいさ)さんの作品に『山と肌』(玄光社)っていう写真集があって。人間の肉体と、山の大自然を並べて見せているんだけど、そこから着想して。

比嘉 ファーストカットって大事じゃない? 撮影に入っていく緊張もあるし。だけど、あの場所に降り立った瞬間、温かくて優しかったの。岩ってごつごつしているイメージがあるし、夏場だとすごく熱くなったりするけど、あの砂岩からはそういう感じはまったくしなくて、優しいパワーを、エネルギーを感じて。あ、受け入れてもらえた、と思ったら、冥砂さんも同じことを言ったのね。「うちら、歓迎されてるね」って。それで、ああ大丈夫だって思えた。

清川 日本遺産の構成文化財だから、普段は立ち入りできない場所なんだけど、今回は特別に許可をいただいて。

比嘉 撮影中に近隣の人に通報されて、巡査さんが様子を見に来たり(笑)。

清川 そうそう。「ちゃんと許可をいただいています」って説明して、事なきを得た(笑)。

比嘉 そのおかげで、「ここ、どこ?」っていうカッコいい写真が撮れたよね。

※対談の全文は写真集に収録予定です

●比嘉愛未(ひが・まなみ)
1986年6月14日生まれ、沖縄県出身。2007年NHK連続テレビ小説『どんど晴れ』でヒロインを演じる。主な出演作に、映画『飛べ!ダコタ』(13年)、『カノン』(16年)、『先生!、、、好きになってもいいですか?』(17年)、『劇場版コード・ブルー〜ドクターヘリ緊急救命〜』(18年)、『大綱引の恋』(21年)、ドラマでは『コード・ブルー 〜ドクターヘリ緊急救命〜』シリーズ(フジテレビ、08年〜17年)、『天地人』(NHK、09年)、『マルモのおきて』(フジテレビ、11年)、『DOCTORS〜最強の名医〜』シリーズ(テレビ朝日、11年〜18年)、『恋愛時代』(読売テレビ、15年)、『バカボンのパパよりバカなパパ』(NHK、18年)、『盤上のアルファ〜約束の将棋〜』(NHK、19年)、NHK連続テレビ小説『なつぞら』(19年)、『にぶんのいち夫婦』(テレビ東京、21年)、『推しの王子様』(フジテレビ、21年)、『日本沈没〜希望のひと〜』(TBS、21年)など。現在、主演映画『吟ずる者たち』が広島で先行上映中。3月25日(金)の東京公開後、全国順次公開予定。3月上演予定の舞台『怖い絵』にも出演が決定

●清川あさみ(きよかわ・あさみ)
2001年に初個展。2003年より写真に刺繍を施す手法を用いた作品制作を開始し話題を集める。水戸芸術館をはじめ国内外の美術館・ギャラリーにて展覧会を多数開催。代表作に女優やアーティストをアートにした『美女採集』シリーズ、ベストセラー絵本『銀河鉄道の夜』、プロデュースを手がけた写真集『里帆採取』など。現在、GINZA SIX(東京・銀座)エントランスにて、巨大デジタルアート作品を公開中

インタビュー・プロデュース/清川あさみ 撮影/藤代冥砂

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