映画『WALKING MAN』ヒロイン・優希美青の意外な素顔「役者だけは楽しいが勝つから、意外と向いてるのかなあ」

映画『WALKING MAN』ヒロイン・優希美青の意外な素顔「役者だけは楽しいが勝つから、意外と向いてるのかなあ」

反抗期の妹役を演じた優希

NHK連続テレビ小説『マッサン』や映画『ちはやふる―結び―』など、13歳のデビュー以来、数多くの映画やドラマに出演している優希美青(ゆうき・みお)。彼女がヒロインを務める映画『WALKING MAN』が11日、公開された。

今作は、母子家庭で育った人前で話すことが苦手なアトム(野村周平)がヒップホップと出会い、貧しい生活から這い上がるため奮闘する物語。カリスマラッパー・ANARCHY(アナーキー)が映画監督に初挑戦したことでも話題になっている。

優希が演じるのはアトムの妹・ウラン。最底辺の環境に嫌気を差し、兄に反抗的な態度を取る女子高生だ。ラップという未知の世界で「これまでにない役」を演じた優希に、映画の魅力や自身の反抗期について聞いた。

――今回はラップをテーマにした作品ですが、優希さん自身、ラップを聞いたことは?

優希 ラップは聞いたことなかったのですが、初めてANARCHYさんの曲を聞いたときは、心の叫びがストレートに歌われていて清々しいなと思って、それから毎日聞いて、今ではラップが好きになりましたね。

――ANARCHYさんはご存知でした?

優希 知らなくて、最初に写真で見た時は怖いって思いました(笑)。すごいボロクソに酷いこと言われたらどうしようって。でも初めてお会いした時に私だけでなくマネージャーさんやスタッフの方に握手しながら「よろしくね! 分からないことばっかなので教えてください」ってすごく謙虚でギャップにやられました(笑)。ラッパーの方に会うのも初めてだったので。

――クラブとかも行ったことはない?

優希 ないです! いろいろビックリしました。みんなで完成テープを観たあとに打ち上げがあったんですけど、今までの現場とは全然違くて「イェーイ! フゥー!」みたいな感じで、私も楽しくなっちゃってました。

――優希さんも同じように盛り上がったんですか?

優希 私は恥ずかしくてそこまでは......。映画のあとだから、本当はラップで挨拶しようと思ってたんですけど、本格的なラッパーさんがいすぎて気が引けて無理でした。「仲間、絆、家族、みんなに出会えて良かったイェーイ!」みたいな感じの歌詞考えてたんですよ! ちゃんと韻を踏もうとか。

――映画観てラップやりたくなるって、すごい行動力ですね。

優希 そうかな。でも中学二年生のときに行政書士のドラマを観て、なりたいと思って本を買いに行きました。それこそ、『ちはやふる』をプライベートで観て百人一首とか読んだりしてたら、まさかの自分が出ることになったんですよ。やったー!みたいな。

――すてきな偶然ですね。でも影響されやすいんですね(笑)。

優希 そう、でも好奇心だけ旺盛で続かないんですよ。行政書士の本は全部読み切ってないです。『名探偵コナン』が好きで、蘭ちゃんに憧れて空手を始めたけど1週間も持たず、剣道も2日で終わりました。両親も「あなたにどれだけ無駄なお金がかかったことか」と呆れてます(笑)。

――それでも色々やらせてくれる優しいご両親ですね。

優希 この仕事も最初は「どうせ続かないよ」って言われたんですけど、「やりたいならやってみれば」って言ってくれました。この仕事が唯一続いてますね。役者だけは"楽しい"が勝つことが多くて、意外と向いてるのかなあ。

――今回は兄に反抗する妹という大事な役でしたが、聞いたときの印象は?

優希 それこそウランが物語を動かしていく重要な役なので、プレッシャーはありました。でも今までに無い役だから楽しかったですね。普段言えないようなセリフを言えるのはお芝居の魅力なのかな。「死ね」とか担任の先生に「ママとやってるでしょ」とか言わないし、言えないし。

――一番好きなシーンは?

優希 兄のアトムがラップで歌うシーンです。一番サッと役に入れて、ウランとして聞けて、気持ちが入って泣いてしまいました。「プレゼントより抱きしめて欲しい」って歌詞に、今までお兄ちゃんはそうやって思っててくれたんだっていうのが伝わって、冷たくしてしまった時の後悔とか、色んな気持ちがこみ上げてきて。

――劇中ではすごく反抗してましたけど、ご自身は反抗期は?

優希 中二から高二まで反抗期でした。お母さんがすごい過保護で門限も早かったから、そういうのが積み重なって「ママ嫌い!」って。

――何がきっかけでおさまったんですか?

優希 高二でひとり暮らしを始めてから、ご飯がない、洗濯してないとか気付いてありがたみを感じて仲良くなりましたね。今はふたりでカラオケや旅行に行ったりしてます。でもお父さんに対しては、まだ反抗心みたいなものがありますね。

――やはり、父親と娘は距離感ありますよね(笑)。

優希 役の中のお兄ちゃんを見る感じは、意識してなかったけど普段お父さんにやってる感じだったかもしれない。お父さんを見ているともどかしくて、「あれダメだよ」とか「これしなよ」とか言っちゃうので。

――映画で兄に感動したように、お父さんとも仲良くしてあげてください。最後に映画の魅力をお願いします。

優希 ラップがテーマでラップシーンや音楽もカッコいいんですけど、家族関係や成長物語を描いた作品なので、ラップを知らなくても楽しめると思います。特に私と野村さんが橋の上で色々さらけ出すシーンは、監督が見せ所というか、一番大事にしてるシーンなのでぜひ観てみてください!

■優希美青(Yuki Mio)
1999年4月5日生まれ 福島県出身。
2012年、『第37回ホリプロタレントスカウトキャラバン』にてグランプリ獲得。NHKよるドラ『だから私は推しました』出演。東映ムビ×ステ『GOZEN−純恋の剣−』では時代劇初ヒロインを務める。詳細は公式Twitter【@mioyukihoripro】、インスタグラム【mio_yuki】にて

■『WALKING MAN』
事故で重症を負った母親と思春期の妹と、貧しい生活を送る主人公・アトムが、ラップと出会い、成長していく姿を描く作品。主演は野村周平、監督をANARCHYが務める。詳細は公式HPにて

取材・文/鯨井隆正 撮影/五十嵐和博

関連記事(外部サイト)