年収200万円台の服バカだったMBが、年商1億円を稼ぐようになった理由「仕事は、自分ではなく、世の中にメリットを与えるもの」

年収200万円台の服バカだったMBが、年商1億円を稼ぐようになった理由「仕事は、自分ではなく、世の中にメリットを与えるもの」

ビジネス書『もっと幸せに働こう 持たざる者に贈る新しい仕事術』が発売中のMBさん

「お金がないけどオシャレしたい」「カッコよくなって自信を持ちたい」「女のコにモテたい」――そんなファッション初心者から業界関係者まで幅広い支持を得ているのが、メンズファッションバイヤーのMBさんだ。

男のオシャレを平易な言葉でロジカルに説明し、ユニクロなどのファストファッションを中心に、丁寧なアイテム紹介や実用的なコーディネイトを提案。これまで感覚的に語られることの多かったファッションの世界で、新たな潮流を起こしている。

そんな彼の最新刊が『もっと幸せに働こう 持たざる者に贈る 新しい仕事術』(集英社刊)だ。これはMBさんとしては2冊目となるビジネス書で、実体験をもとに、彼流の仕事術から仕事への考え方をあますところなく書き連ねている。

ファッション界で活躍する彼がビジネス書を手がけた理由とは何か? 彼を直撃した。

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ーーこれまで、ユニクロやGUをはじめとしたファストファッションの着こなし術の書籍を何冊も出してきたMBさんですが、これはビジネス書。どんな経緯で書こうと思ったのでしょう?

MB 長年、洋服のお仕事をしているのでこんなことを言うのも変かもしれませんが、僕は外見だけのカッコよさは好きじゃないんです。いますよね、外見はいいけど、裏で文句ばかり言う人とか。僕はお店にいたので知ってるんですが、ショップスタッフの中には影でお客様をバカにする人も多い。それってカッコよくないですよね。

なので、メールマガジンなどで外見だけでなく内面についても書くようになったんです。で、男の内面ってビジネスを通じて磨いていくものだろうと思ったので、結果的にビジネス書になったというわけです。

ーー20代の頃は年収200万円台、立派な学歴も職歴もない「持たざる者」であったMBさんが、いまや年商1億円超。そのメソッドを指南するというのはビジネス書としては実にリアルですよね。

MB 僕はファッションでもなんでも、自分がやったことを表に出すスタンスなんです。なので普段通りに書いています。

でも、20代の頃は本当に苦労しましたよ。本当にただの服バカ。お金が無くて、毎日昼食のおにぎりを作って会社に行ってましたからね。

ーーどんな内容のビジネス書を書こうと思ったんですか?

MB タイトルからもわかると思いますが、恐らく90%以上の人が幸せだなと思って働いていないと思うんです。なので、幸せを感じるために働き方や生き方を変えていこうと。そのための情報を、段階を踏んで書いていきました。好きなことを仕事にする方法から、業績の上げ方まで幅広く、また丁寧にフォローしたつもりです。

ーー「好きなことを仕事にする方法」のところで「風俗好きも仕事になる」とありましたが、それは本当ですか?(笑)

MB 十分になりますよ(笑)。自分が体験した風俗のメモを有料ブログに載せて配信し、それで収益を得ている人は実際にいますからね。そうした考え方もちゃんと書いてあります。

ーー全体で特に反応があるのは?

MB 「200点満点理論」のように具体的な数字をあげている箇所は読者の方々も興味を持っていただいたようですね。ツイッターなどでも取り上げられていました。

ーー100点満点でなく、200点満点に目標設定すれば、100点以上がとれるという考え方ですね。

MB そうです。僕がまだショップスタッフで部長的な役職に就いてた頃に思いつきました。洋服の仕事では常に昨年対比を求めるんですけど、どうしても100%を超えないんです。いっても97%が限界。なぜだろうと考えているうち、センター試験のように200を満点に設定すれば、100は超えるんじゃないかなって。そこで部下に内緒で、前年比200%の目標値を掲げて仕事させたところ、月の売り上げ120%を達成したんです。

ーーおーっ、すごい!

MB もちろん、ただ200%に目標設定しただけでは絵に描いた餅。売り上げをとるため何をどうすればいいか、1日の行動目標を細かく設定し、毎日チェックしたり、不測の事態に備えあらゆる対応策を講じたり、いろいろ手を尽くしましたけどね。

ーーそのまま、MBさんのショップは業績をあげ続けて......。

MB いや、1ヶ月で終わりました。というのも商品在庫がなくなってしまったんです。結局、根本から変えないとダメなんですよね。

あと、その1ヶ月間はスタッフ全員、相当キツくて継続が難しかったのもあります。ただやれることがわかったのは、その後の財産になりました。

ーーこの本にはそうした仕事術がたくさん書いてあります。そして本の後半は、「世の中はバランス主義」「ビジネスとは数字をあげればいいものではない」、また「モテない理由は恋愛もビジネスも同じ」など、MBさんの思想というか、考え方が中心に綴られています。

MB ビジネス書は仕事のテクニックを説くもの。でも、ただテクニックだけで乗り越えられる領域は現実的に終わってる気がするんです。例えば、これまで経営コンサルタントがやってきたことなんていまはパソコンがあれば誰にでもできます。その先に行くには、自分なりの考え方や個性を追求することが必要なんですよね。なのでそうしたテクニックを超えるものとしてエッセイ的なものを書きました。もちろん、テクニックを実行に移してもらうため鼓舞する面もあります。

ーー細かいところまで配慮した内容だと。ちなみにご多忙だと思うんですが、最近はユーチューブチャンネル(MBチャンネル)も開設しましたね。

MB ずっと興味なかったんですけど、試しに一回やってみたらすごく面白くて。普段、メールマガジンと書籍で固定のお客さんはある程度いらっしゃるんですけど(注:メルマガ購読者数は1万2千人、著書の売り上げは累計100万部超)、最初に動き出した時のチャンネル登録者はわずか数名。久々に燃えちゃいました(笑)。

ーーいまはどれくらいのお客さんが?

MB スタートから1ヶ月で2万人を超えました。現在は毎日、欠かさず最低一本は動画をアップしているんですが、その度に数字が積み重なっていくのが楽しい。スポーツをやっている感覚です。

ーー毎日動画をアップ! メルマガに本の連載、さらにイベントなどもやっていますが、ネタ切れになることはないんですか?

MB 100%ないですね。ファッションは毎年トレンドやアイテムが移り変わっていくものなので、書くことは尽きないです。それに僕、毎週5万字のメールマガジンを8年間やってきてるんです。ネタ切れするなら、すでにしていますよ。

ーーMBさんがネットで紹介する洋服はすべて完売するとか。自分の影響力の大きさを怖く感じることはありますか?

MB ないですね。そんな影響力はないと思います。すべて完売というのは嘘で、まったく響かないものもありますし(笑)。僕は有名人でもなんでもなく、ただ洋服が好きな一般人ですから。

ーーでは、ここまで幅広く活動できているのは、ご自身ではなぜだと思います?

MB 僕が何かをしたというより、結果として世の中にメリットを与えられたからかなと思いますね。ユニクロなどの良さを提案し、その着こなしの仕方をわかりやすいように伝える。それが多くの人に喜んでもらえた。もし洋服が好きでもハイブランドのことだけ話してたら、今みたいに認めてもらえてなかったでしょうし。言い換えれば自分の好きと世の中とのバランスがよかったのかなって。仕事は、「自分に」ではなく、「世の中に」メリットを与えるものですよ。

ーー最後に。「幸せに働こう」というタイトルですが、ここでいう幸せとはなんでしょう?

MB それは僕が言うことじゃないです。幸せは他人に決められるものじゃない。自分の心が決めるものですから。

ーー確かに。でもなかなか幸せって自分じゃわからないですよね。

MB それは他人の尺度に流されるからですよ。お金を稼いだ方がいいよとか、いい会社に勤めた方がいいよとかよく言うでしょ。多くの人はそれが幸せだって思い込んじゃってる。でもホームレスでも幸せに感じてる人はいるし、上場企業にいる人でも自殺する人はいます。

ーーMBさんにとっての幸せは?

MB 洋服の仕事に携われて、家族が健康だったら十分。それ以外はあまりたいしたことはないですね。お金がなくても平気ですよ。ご飯もカップラーメンで大丈夫だし、洋服もファストファッションがあれば足りちゃう。結局、みんな自分の幸せが何かをちゃんと考えてないんです。働く目的は幸せのため。自分の幸せって何かを考えるためにもこの本を読んでほしいです。


■MB 
ファッションバイヤー、ブロガー。プロバイヤーとして活動する傍ら、2012年12月にWEBサイト「現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになれる方法 KnowerMag」を開設。男のオシャレをロジカルに語れる新しい存在として絶大な支持を受ける。メールマガジン、ユーチューブ、雑誌連載、イベントなどで活躍中。最新刊『持たざる者に贈る 新しい仕事術 もっと幸せに働こう』(集英社刊)

取材・文/大野智己 撮影/荻原大志

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