「屋台が消えて寂しい…」市川紗椰がお花見で気になった“桜の精”の行方

「屋台が消えて寂しい…」市川紗椰がお花見で気になった“桜の精”の行方

これが私たちの乗った桜タクシーです! お花見の時期限定でこの仕様にしているそうで、乗れたのはラッキーでした

『週刊プレイボーイ』本誌で連載中の「ライクの森」――。

報道情報番組『ユアタイム〜あなたの時間〜』(フジテレビ系)ではメインMCを務める人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。

今回は、靖国神社で花見をするのが恒例行事という彼女が経験した、印象的なエピソードを語ってくれた。













* * *

アメリカの桜の名所といえば、ワシントンD.C.のポトマック河畔です。ここには、1912年に日本から贈られた約3000本の桜が植えられています。桜が咲く季節になると、100万人以上の人が訪れるという、全国的に有名なスポットです。

ただ、アメリカ人には、日本の人々のように桜の樹の下にブルーシートを敷いてお酒を飲む、といった慣習はありません。せいぜい、桜を眺めながら散歩したり写真を撮ったりする程度です。そもそも、日本のようにどこの公園や学校にも桜が植わっているということがありません。

私も、花見という文化に直接、触れたのは日本に住むようになってからです。しかも、中高生の頃は季節の花になんて大して興味がなかったので、イベントとして花見を楽しむようになったのは大人になってからですね。

どちらかというと、花を眺めるより、外でお酒を飲んだりおでんを食べたりすることに重きをおいている私。ここ数年は、毎年、花見仲間と一緒に靖国神社に行くことが恒例行事になっていました。この時期になると、境内にたくさんの屋台が出て、座ってお酒と食事を楽しむことができたんです。

そんなお店のひとつに、面白い女のコが働いていました。仮に“A子”と呼びますが、ヤンキーっぽい見た目といい、チャキチャキの話し方といい、“屋台のネーチャン”を絵に描いたようなコでした(笑)。そんなA子と仲良くなった私たちは、毎年、靖国神社に行くときはA子に連絡を入れて席を取っておいてもらったりもしていました。

そして、今年もA子に連絡してから向かおうと思っていたら……。私たちの中で唯一、A子の連絡先を知っていた友達のアドレス帳から、A子の情報だけが消えていたんです!

とりあえず、靖国神社に行ってみたら、去年までたくさん並んでいた屋台が、今年はまったく見当たりませんでした。現在、靖国神社が改修工事中のため、屋台の出店が見合わされたそうです。

それにしたって、例年なら境内の外に並んでいたはずの屋台もキレイさっぱりなくなっていたのは納得がいきません。ここ数年、都内各所のお祭りから屋台が消えているのは、寂しい限りです。

とにかく、私たちは場所を移して飲むことにしたんですが、気になるのはA子の行方です。屋台と一緒にアドレスまで消えちゃうなんて……。「もしかして、A子は私たちに楽しいお花見の夢を見せてくれた“桜の精”だったのかな?」と話し合っていた、そのとき! 私たちの目の前に止まったタクシーの車体に、キレイな桜が描かれていたんです。

車内には、ちゃんと桜の木の造花も飾られているという念の入れよう。運転していた個人タクシーの方の話では、この時期だけ桜のステッカーを貼って、“桜タクシー”としてお花見を盛り上げている、ということでした。ほんの少しの時間でしたが、私たちは桜タクシーに乗ってお花見気分を味わうことができたんです。

もちろん、私たちの間では、「桜の精のA子が、私たちに桜タクシーをつかわしてくれた」ということになっています。

●市川紗椰(いちかわ・さや)






1987年2月14日生まれ。アメリカと日本のハーフ。モデルとして活動するほか、報道情報番組『ユアタイム〜あなたの時間〜』(フジテレビ系)ではメインMCを務める。桜を楽しめる鉄道といえば、都電荒川線、大井川鐵道、JR御殿場線がオススメ

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