“笑いが難しくなりすぎている”時代にアキラ100%が考える裸芸「日本に残されている笑いがあるとしたら…」

“笑いが難しくなりすぎている”時代にアキラ100%が考える裸芸「日本に残されている笑いがあるとしたら…」

老若男女を問わないアキラ100%の裸芸は大道芸のにおいがする

2017年、熾烈を極めるお笑い界の中心に颯爽と素っ裸で登場したアキラ100%。

教育テレビの体操のお兄さんを思わせる風貌と物腰からは、いわゆる“芸人らしさ”は微塵(みじん)も感じさせない。

この丸腰の男、一体どこにナイフを隠し持っているのか? 前々回「お盆で股間を隠すだけで3分持たせるって、結構大変なんですよ」、前回「これは下ネタではないと自分に言い聞かせて…」に続く、最終回!

■お笑い界の2020年問題?

「ポストダウンタウン」が言われて久しい。ダウンタウン以降の芸人たちは、よくも悪くもダウンタウンの影響下にある。彼らの光が強すぎ、感光せずにはいられなかったのだ。

そこへいくと、アキラ100%は、松本人志が「何がいいって、俺を絶対に脅かさないところがいい」と賛辞を送ったように、例外的にダウンタウンの光をさほど浴びずにこの世界で生きてきた。

「今、笑いが難しくなりすぎているように思うんです。机の上の勝負になっているというか。コントだったら、2、3年目の若手でもすっごくいい本を書いてます。設定があって、それを裏返してボケて、オチにつなげて。でも、ネタがよくなりすぎると、かえって遠くに行っちゃって、もしかしたら一般ウケからは遠くなるような気もするんです」

老若男女を問わない彼の裸芸は、ヒゲダンス同様、大道芸のにおいがする。

「結果的にそっちのほうに寄っていったのかもしれません。でも僕は、もともとはお笑いライブの世界で山を登りたいなと思っていた人間なんで、ジャグリング芸人さんとかとは思考が違うと思います。

テレビの世界って、うまくできただけだと笑ってくれない。反対に、ただ笑わせるだけだと『もうちょっとよくできた芸を見たいよね』って言われる。両方の世界のいいとこ取りをしていかないといけないんでしょうね」

その点、言葉で説明しない芸は、とにかく強い。

「極端な話、真っ裸で生活している地域の人以外は、笑ってくれるんじゃないかと思うんです。あと、もし戦国時代にタイムスリップできたら武将たちにもウケるかもしれない。もっと言えば、アダムとイブが禁断の果実を食べて、恥という概念を知ったときから、このボケは成立してきたようにも思えるんです。僕はそれをただ、現代風にアレンジしただけで」

裸芸は万国共通なだけでなく、人類最古のボケであり、永久不滅のギャグといっていいのかもしれない。

3年後に東京五輪を控えたこの時期に、ヒゲダンスのリズムに乗った裸芸が世間にフィーチャーされたことは、どこか示唆的でもある。

「今後は言葉で説明しない芸の価値が高まってくるかもしれないですね。ピコ太郎さんがそうだったし、渡辺直美さんもダンスで世界を回っている。まだ日本に残されている笑いがあるとしたら、それは机の上で考えたものではないような気がします」

インタビュー後、全裸になってもらい、まずはその場で写真撮影を行なった。次に事務所の入り口の階段に場所を移動してもらうことにすると、アキラ100%は言った。

「そこ(オフィス)の前を通るときだけ、パンツはいててもいいですか?」

お盆で股間を隠したまま、申し訳なさそうにしている彼の背後に、笑いの神様がそっと舞い降りた。

(取材・文/中村 計 撮影/村上庄吾)

●アキラ100%







1974年8月15日生まれ、42歳。埼玉県出身。大学卒業後、芸能事務所に所属し、俳優を目指すも挫折。05年にお笑いコンビ「タンバリン」を結成。10年の解散の後はピン芸人として活動

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