『わろてんか』ヒロイン・葵わかなが選ばれた理由「どんなに大笑いしても、持って生まれた品は崩さない」

『わろてんか』ヒロイン・葵わかなが選ばれた理由「どんなに大笑いしても、持って生まれた品は崩さない」

『わろてんか』ヒロインの葵わかなさん。朝ドラでは約10ヵ月かけて、2千シーンをはるかに超える量の撮影に臨む

朝ドラが人を虜(とりこ)にする理由は、ヒロインの情熱と成長が心を打つから。そんな愛すべきヒロインが、またひとり誕生する―

今月からスタートしたNHK朝ドラ『わろてんか』のヒロインを務める葵わかなさんを直撃した。

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「夢だったひとり暮らし。家具も食器もそろえて、ウキウキして始めてはみたんですけど、いざひとりになると…寂しいものなんですね(笑)」

現在、大阪でひとり暮らしをしながら『わろてんか』の撮影に臨んでいる、葵わかな。一週間のスケジュールは、月曜にリハーサル、火曜から金曜にかけて撮影、土日は番組宣伝をこなすか、何もなければ撮休となる。ハードな収録の合間には、神奈川の実家に戻り、家族と過ごす。

「撮影が始まってから、家族とすごく話すようになりました。特に父と。今まではちょっと邪険にしてたのに(笑)、最近はよく夜中まで話してたりもします。私、ずっとひとりでも平気なタイプだったし、友達もそんなにいなくていいやって思ってた時期もあるんですけど、誰かと一緒にいると実はすごくリラックスできるんだっていうことに、最近気づきました」

朝ドラのオーディションを受けたのは、実は今回で3回目。2378名の候補者の中からヒロイン役を勝ち取った。

「オーディション自体が久々だったので、緊張しました。でも、今回の朝ドラは笑いがテーマと聞いていたので、とにかくやりきることに重点を置いて臨みましたね。演技審査でちょっと変顔を入れてみたり(笑)。ただ、審査する方が全然笑ってくれないんですよ。だから、その場の参加者の間で“なんとか笑わせてやろう”みたいな空気になったのが面白かったです」

今までに演じた役をふり返ってみると、明るいコ、笑いを取るようなタイプは、実はほとんどやってこなかった。片や『わろてんか』のヒロイン・藤岡てんは、明治後期から昭和初期の大阪でお笑いのビジネスを確立した女性。どうして自分が選ばれたのかは、よくわからない。

「もしかしたら、“品”みたいなものが評価されたのかな?と思うんですけど…。私、どんなに悪いコを演じても『なんか上品だよね』って言われることが多いんです。自分ではそこが課題だとずっと思ってたんですが、今回のてんは京都のお嬢さま。どんなに大笑いしても、持って生まれた品は崩さないっていうところが、私のイメージに合ってたのかなと思ってます」

10ヵ月に及ぶ朝ドラの撮影は過酷だ。特に序盤から終盤まで出ずっぱりのメインどころとなると、その肉体的・精神的負担は計り知れない。実のところ、彼女も撮影に入ってすぐに軽く体調を崩している。

「私が調子が悪いと周りの方に迷惑をかけることになるので、ものすごく反省しました。それからは、野菜も炭水化物もしっかり取って、除菌ジェルも持ち歩くようにしてます(笑)。でも、共演者やスタッフさんは、みんな私の体調や食事のことをすごく心配してくださるんですよ。現場も皆さんがいい雰囲気をつくってくださるから、すごく居心地がいいんです。こんなにストレートに愛を注いでもらえる現場は初めてです」

レギュラー陣の中では、年少になる葵。彼女にとって『わろてんか』の共演者やスタッフとの出会いは「優しくて面白いお兄ちゃんやお姉ちゃん、お父さんやお母さんがいっぺんに増えたみたい」な出来事だったという。

「現場が忙しくなってきても、ふとしたときに笑いが起きるあたたかさがあるんですよ。何より、私みたいな新人からベテランの方まで、皆さん全く温度差なくこの作品に情熱を注いでいることに感動します。毎日毎日、撮影して、ものすごい量の勉強をさせてもらっているので、私はそれをスポンジのように吸収していきたいです」

もとは、女優になりたいというより「クイズ番組の“ピンポン”が押してみたくて」芸能界に憧れた。まずはオーディション用の写真を撮ろうと、母が初めて原宿に連れていってくれた際、今の事務所のマネジャーにスカウトされた。10歳の時だ。

「その後、お芝居を通じて役について考えていくなかで、だんだんと『演技のお仕事をしていきたい』と思うようになりました。今も『将来こんな人になりたい』というはっきりした目標があるわけではないんですけど、それでいいと思ってます。“どうなりたい”より、その時その時を頑張った結果、“こうなった”のほうがいいと思うから」

撮影に入ってから1ヵ月ほどした頃、葵は19歳の誕生日を迎えた。大の親友から送られてきたメッセージには、こんなことが書かれてあった。

「『すごい19歳になりたまえ』って。“すごい”ってどういうことかよくわからないんですけど(笑)、それ以来、その言葉の意味をよく考えるんです。きっと、すごい19歳、すごい20歳を目指してその時その時、努力していけば、いつか誰にもマネのできない人になれる…そういう意味なんじゃないかなって、今は思ってます」

★『週刊プレイボーイ』43号(10月7日発売)では、葵わかなさんの『わろてんか』収録現場での密着グラビアを掲載!

(撮影/佐藤裕之 スタイリング/立花文乃 ヘア&メイク/村上知久 編集/西中賢治)

■葵わかな(AOI WAKANA)







1998年6月30日生まれ 神奈川県出身 ◯映画『サバイバルファミリー』やドラマ『表参道高校合唱部!』ほか出演多数。CM「アート引越センター」「ケイ・オプティコム『mineo』」出演中。公式Twitter【@AoiWakana0630】

■『わろてんか』(毎週月曜〜土曜 8:00〜8:15 NHK総合にて放送中)







明治後期、老舗薬種問屋の娘・てん(葵わかな)は、旅芸人で芸事好きの藤吉(松坂桃李)と出会い、ひょんなことから小さな寄席経営を始め、日本で初めて“笑い”をビジネスにした女性といわれるまでになる。吉本興業の創業者・吉本せいなどをモデルにし、草創期のお笑いの世界を描いた、平成29年度後期NHK連続テレビ小説

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