ドラマとシンクロ「真田丸」大阪展 信繁の実像に迫る

ドラマとシンクロ「真田丸」大阪展 信繁の実像に迫る

[写真]絵図「大坂真田丸加賀衆挿ル様子」(左)。大坂冬の陣で真田丸攻防に参戦した前田勢が作成=大阪市中央区大阪歴史博物館の「真田丸」大阪展

東京と上田に続き大阪が最後の開催地

 NHK大河ドラマ「真田丸」と連動し、動乱の戦国時代を生き抜いた真田一族の実像に迫る特別展「真田丸」が17日、大阪市中央区の大阪歴史博物館で始まった。東京展、長野・上田展に続くもので、大阪が最後の開催地だ。ドラマの進行とシンクロする展示内容で、ドラマをより深く楽しめそうだ。開催は11月6日まで。一部の話題の作品は期間限定展示となる。

ドラマの舞台「真田丸」を描いた絵図を網羅

 「真田丸」展にふさわしく、これまでに発見されている真田丸絵図の大半を集めた。大坂冬の陣で豊臣方の武将真田信繁(幸村)が、大坂城外に張り出すかたちで真田丸を構築。少人数で徳川方の大軍を苦しめた。その後真田丸は破壊されたため、真田丸の構造などを振り返るには、残された絵図が重要な手かがりとなる。

 絵図「大坂真田丸加賀衆挿(はい)ル様子」は、冬の陣に徳川方で参戦し、真田丸の攻防で手痛い打撃を被った加賀前田勢が作成した。U字形の真田丸を守る堀に水が張られた状況や、にらみ合う両軍武将の布陣など、当事者ならではのリアルな情報を描き込む。

 冬の陣後の現地調査での知見が反映され、現在痕跡(こんせき)を残していない真田丸の実態を知るうえで貴重な絵図だ。敗戦の記録を忠実に残す前田家の律儀ぶりもうかがえる。

焼酎をねだる信繁の人間味あふれる書状

 展覧会は真田家の波乱万丈を時系列で追う。信濃の一国衆だった「武田と真田」から始まり、「第一次上田合戦から小田原合戦」「関ケ原合戦と真田」「真田家と桃山文化」「大坂冬の陣・夏の陣」へ続く5章立て。プロローグとエピローグを含めて全体で7部構成となっている。東京、上田の各展と比べて、大坂が舞台となる「大坂冬の陣・夏の陣」の比率が高く、展示作品も多い。

 関ケ原合戦の敗北後、信繁が父昌幸と紀州・九度山で蟄居(ちっきょ)を余儀なくされていたころ、知人に焼酎をねだった書状「真田信繁書状 左京宛」も展示されている(10月3日まで)。左京という人物に宛てた信繁自筆の書状だ。

 「この壺に焼酎を詰めてもらいたい。壺の口はよく締め、その上に紙をはっておいてください」などと、きめ細かい注文が記されている。不自由な暮らしの中でも、自分のスタイルで酒を求める信繁の人間味がにじみでる。

冬の陣の地形模型で読み解く守り手の思惑と攻め手の戦略

 会場に冬の陣の地形模型を設置。高台に築かれ、堀や惣構(そうがまえ)に囲まれた強固な大坂城で迎撃態勢の豊臣方。対して、徳川軍はどこからどのように攻略しようとしたのか。戦の舞台となった上町台地の高低差が分かるため、守り手の思惑、攻め手の戦略の双方を想像することができる。

 信繁の兄信之の妻小松姫の膳部(食器一式)や、敵方武将が信繁供養のために建立した地蔵菩薩なども見逃せない。重要文化財「骨喰(ルビ・ほねばみ)藤四郎」は10月12日から24日までの期間限定展示。斬る真似をするだけで相手の骨をも砕くという伝説の刀剣で、「骨喰」の号を持つ。

 ドラマの進行とシンクロする展示内容で、これからクライマックスを迎えるドラマをより深く楽しめそうだ。栄原永遠男(とわお)館長は「戦国時代を駆け抜けた真田一族、中でも信繁の人物像を浮き彫りにする展示を心掛けた。ひとりでも多くの皆さんにご覧いただきたい」と話している。開催は11月6日まで。詳しくは大阪歴史博物館の公式サイトで。
(文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)

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