フリーアナ思いのTBS 『はやドキ!』は人材の宝庫

フリーアナ思いのTBS 『はやドキ!』は人材の宝庫

TBS『はやドキ!』はフリー女子アナの宝庫(公式HPより)

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、昨今のフリー女子アナ事情について考察。

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「これからおやすみになる方も、そしてお目覚めの方も、時刻は4時になりました」の挨拶からスタートしていた『めざにゅ~』(フジテレビ系)が14年3月に終了し、その後スタートした『めざましテレビアクア』も今年3月“ひっそり”終了していたことを最近、知った。

 ではいま、フジテレビの朝4時台に何をやっているかというと、ますだおかだの岡田圭右と、ニッポン放送出身のフジテレビアナウンサー、川野良子アナ司会による『クイズ!脳ベルSHOW』だ。

 BSフジでオンエアしている帯のクイズ番組で、フジテレビでは再放送が中心。回答者は40歳以上のタレントや文化人たちというから、同局で人気を博した『クイズ!年の差なんて』の“年配組”だけを集めたようなスタイルだ。

 在京民放局の朝4時台は、横並びで視聴率トップのテレビ朝日が『おはよう!時代劇』(同局の人気時代劇シリーズの再放送)に続き、日本テレビが『Oha!4 NEWS LIVE』、そしてTBSが『はやドキ!』をオンエアしている。

 テレ朝は、早起きの3層(50歳以上の男女)にまず時代劇を見せ、その流れで『グッド!モーニング』、『羽鳥慎一モーニングショー』を見せる流れが抜群で、朝帯ではトップの視聴率を獲得している。

 件の『クイズ!脳ベルSHOW』も、明らかに3層狙いの番組だが、そのあとの『めざましテレビ』は、決して3層狙いではないし、4時台は何が何でも最新ニュースをチェックしたいという3層も少なくないため、日テレとTBSとがしのぎを削っている状態といっていい。

 日テレの『Oha!4~』は、クールビューティーなベテラン、中田有紀キャスター卒業後は、“女子会”のような雰囲気。日本テレビの女子アナも男子アナも20代~30代前半でそろえているため、『ZIP!』への流れは悪くない。

 ではTBSの『はやドキ!』はどうか。後に続く夏目三久の『あさチャン!』は、みのもんたを愛した3層たちがそのまま“お客”として残っている状態。そこにナイスパスをするため、『はやドキ!』では新聞を紹介するコーナーに、龍崎孝氏、中村尚登氏、柴田秀一氏、斎藤泉氏ら、同局の解説委員や報道アナ出身で、現在大学教授やニュースデスクの肩書をもつ中年男性たちがコメンテーターに加わる。

 長年、TBSテレビやTBSラジオに親しんでいれば、件の4氏はみな“馴染みの顔”。政治、経済からスポーツ、エンタメまで守備範囲が広いうえ、女性視聴者を遠ざけないキャラの持ち主ばかりゆえ、朝にピッタリというだけでなく、繰り返しになるが『あさチャン!』への流れがすこぶるいい。

 メインの高野貴裕アナを囲む女性陣も、『Oha!4~』に比べると、落ち着いた雰囲気の女性キャスターが並んでいる。

“ひっそり”終わった『めざましテレビアクア』が“フリー切り”を最大理由にされるなか、『はやドキ!』は、『サンデーモーニング』の関口宏が会長をつとめる「三桂」や、その「三桂」と深い関わりがあった「セント・フォース」、さらには、近年、民放局を辞めた女子アナの所属先として地位を築いている「ホリプロ」などに所属する“フリーアナ”が曜日替わりで多数出演している。

 それぞれのプロフィールが気になり、精査してみると、彼女たちの多くは大学を卒業した後、地方局のアナウンサーとなり、件の事務所に所属するという、フリー女子アナおなじみの”パターン”だった。

 が、なかには、芸能プロダクション「スターダスト」にスカウトされ、「ももいろクローバー」(いまの“ももクロ”の前身)構想段階のメンバーだったという川又智菜美や、HPの自己紹介文に「大手総合商社」に在籍していたことを記すハーフ美女・堀口ミイナを始め、興味深い人材の宝庫であった。

 さらに、小野寺結衣である。この名前でピンときた方は女子アナ通、あるいはジャイアンツファンかもしれない。そう、彼女の長姉は、元・日本テレビアナウンサーで、読売巨人軍監督、高橋由伸氏夫人の旧姓・小野寺麻衣さんだ。

 まだまだいる。気象予報士の尾崎朋美は、あの「森田さん」(『Nスタ』の森田正光氏)が会長で、「森さん」(『ひるおび』の森朗氏)が社長をつとめるウェザーマップの所属。

 さらに、ニュース読みは「ニュースバード」のキャスターもつとめていて、TBSの関連会社「キャストプラス」所属の女性3人だ。

 もっとも驚いたのは、ナレーターをつとめる女性たちの顔写真までHPに出ているので検索してみたら、全員、「生島企画室」所属だった。聴取率が絶好調なTBSラジオの早朝番組『生島ヒロシのおはよう定食』『生島ヒロシのおはよう一直線』のパーソナリティー、生島ヒロシ氏が代表をつとめる事務所で、元NHKの内藤裕子を始め、人気の局アナが退社した後に続々所属することでネットを騒がせていたりもする。

実は“フリー切り”は、何もフジテレビに限ったことではなく、かつて「セント・フォース」所属の女性キャスターばかりが出ていた感のあるテレビ朝日や日本テレビでも、局アナ路線に変わってきている。

 記者からの移行ではあるが『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)の午後3時またぎのニュース読みも、このたび日テレの局アナに代わる。

 だがTBSの『はやドキ!』だけは、フリー女子アナの“受け皿”ともいうべき番組になっていて、各プロダクションに配慮をしながらフリー女子アナを起用し続けている。

 そういえば、昔、TBSの局アナが「在京局を辞めたアナウンサーを最初に使うのがウチ」と嘆いていたことがあるし、同局で大きなレギュラーをもっている某フリーアナは「TBSの方は、自局のアナウンサーのことが好きではないみたい」とも言っていた。

 確かに「日曜劇場『ブラックペアン』」にはカトパン(加藤綾子)が。同『下町ロケット』にアヤパン(高島彩)が出演。『ビビット』のコメンテーターには政井マヤ、雪野智世、菊間千乃が出ている。ナレーターも近藤サトだし…(苦笑)。

 もちろん、他局の番組でも自社の出身ではないフリーアナを起用しているケースがあるけれど、やはりTBSではそれが目立っているように見えてならない。その元祖とも言うべき番組は「三桂」所属の女性キャスターが勢揃いしている『サンデーモーニング』だ。

 フリー女子アナに特化している事務所のみならず、“女子アナ部門”を設置するプロダクションが激増する昨今、テレビ局としても使わざるを得ないのかもしれないが、それぞれの事務所の戦略や、地方局出身のフリー女子アナらの探り合いや野望がうごめく『はやドキ!』に、朝から異様な空気がただよっているのも確かである。私だけの気のせいだろうか…?

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