フジテレビ 起死回生のカギは男子アナウンサーズにあり?

フジテレビ 起死回生のカギは男子アナウンサーズにあり?

フジテレビは男子アナがカギ?(公式HPより)

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、フジテレビの男子アナに注目。

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 久しぶりにフジテレビらしい、お腹の底から笑える番組を見た気がする。6月23日オンエアの『さんまのお笑い向上委員会』だ。

 レギュラーであるネプチューンの“ホリケン”こと堀内健の発案で3週にわたってオンエアされることとなったのは、同局の山崎夕貴アナと、同番組の“モニター横芸人”でもおなじみだった、おばたのお兄さんの結婚式企画。

 山崎アナといえば、直近の「好きな女性アナウンサーランキング」(オリコン調べ)において、フリーを除いてフジテレビトップの「第9位」。一方、おばたのお兄さんは、『日経エンタテインメント!』調べの「この一年で消えると思う芸能人」の「第9位」という“奇跡”が既に起きている。

 女子アナといえば、メジャーリーガーやヒット曲を出しまくる人気ミュージシャン、冠番組を複数もつような人気お笑い芸人と結婚するのが当たり前と指摘する同番組。なのに、「史上初の格差婚」となった山崎&おばたが「大丈夫?」ということに加え、交際発覚直後に浮気が発覚したおばたを本当に信じていいのか?というのが第一週の内容だった。

 上手(かみて)には件のホリケンや今田耕司、中川家ら、レギュラー陣がタキシードなどの正装で並び、下手(しもて)のゲスト席には、山崎アナの先輩や後輩のアナウンサーが勢揃いした。

 まず女子アナは、松村未央、永島優美、久慈暁子、新美有加アナ。男子アナは三宅正治、笠井信輔、伊藤利尋、立木信吾、倉田大誠、佐野瑞樹、木下康太郎、渡辺和洋アナ(順不同)と、華やかな面々が揃った。現在、“報道”を担当している倉田アナや松村アナをこの場に呼んでしまうのがフジテレビたる所以である(苦笑)。

 さらに、明石家さんまが残念そうな顔をしながら放った「生田アナ、休みやねん」の一言に、イヤイヤイヤ…というように顔の前で手のひらを横に振り、「生田を出すのは無理」という顔をする伊藤アナら。それでも「君らより、生田くんに会いたかったんや」と続けるさんまに、フジテレビ男子アナウンサーズはまた同じリアクションをとるのである。

 収録は、生田アナよりもさらに“離婚ホヤホヤ”の谷岡慎一アナのニュースには間に合わなかったと思われる。

 が、その谷岡アナも同局の夏のイベントの記者発表会見で、「カメラが怖い」と自虐コメントをして、キッチリ笑いをとったことがネットニュースになっていた。プライベートでタイヘンなことが続いてしまっているが、フジテレビ男子アナ、なんだか逞しい。

 また、同番組アシスタントの久代萌美アナが先輩勢に成長をアピールするという場面でも、明石家さんまに促され、全く顔色を変えず「淫郎新婦の入場です」アナウンスしたときも、男子アナの大半は立ち上がり、ひな壇からズッコケる…という芸人並みのリアクションをした。フジテレビのアナウンサーは、これでなくちゃ…と思ったのは私だけだろうか。

 そして、この日、大活躍をしたのは「カズ」こと渡辺和洋アナだった。山崎アナ&おばたの“証人”として婚姻届にサインした陣内智則の嫁、松村未央アナによる「芸人の浮気は、1、2回はしょうがない」という“クレーム”がスタジオモニターに出たときだ。

 突然、「ハイ」と手を挙げて立ち上がる渡辺アナ。「お前が話すときやないやないか」とさんまに制止されるも、自分の体験を話し始めるカズ。

 言われてみれば10年前、カズは自身の浮気を週刊誌に大々的に報じられた経験をもつ。いわゆる“文春砲”のはしりだったかもしれない。同番組のナレーションの文言をそのままいただけば「かつて、とある過ちを犯し」「地獄を見た」のである。

「10年も前やろ」「あのとき(の報道)は痛かったな」とカズを思いやるさんまのコメントを遮るかのように、以来、GPSで自分の居場所を妻に伝えていることや、「人間は、変われます」と訴え続けるカズ。

「一度ついたシミは二度と消せないと思います」とも言い、白いシャツがいまは「オフホワイト」になっていると…。もちろん、上手に座る雨上がり決死隊の宮迫博之を巻き込む“フリ”である。

 表情を変えず、「白になれ~、白になれ~」と唱えながらシャツを洗濯する様を表現したり、これまで以上に声を張り、「洗わなかったら、人間、終わりです」と、選挙演説のように訴えるカズ。途中、伊藤アナから「がんばれ! カズ!」と激励が飛んだり、佐野アナが「みんな、もう忘れてるから」と小声で励ます場面もあった。思えば佐野アナもバラエティー番組内で海外での“お遊び”をカミングアウトして批判を浴びたり、数年前にはバツ2になったことをKis-My-Ft2の前で発表したり…と、“いろいろ”乗り越えてきている。

 カズの下りは、もちろん打ち合わせ通りだったと思われるが、アナウンサーらしく、完璧な間と緩急で自身のこの10年の想いを切々と語ったのは、見事だったというしかない。

 番組後半ではさらに驚くことがあった。三宅アナの息子が、「よしもとクリエイティブエージェンシー」のマネジャーになっていて、スタジオに立ち会っているところが宮迫から暴露され、その姿がカメラに抜かれたのである。

 三宅アナは『ジャンクSPORTS』でダウンタウンの浜田雅功と長年共演していた“縁”があったからだろうか。テレビ局員の子息が業界人になるのは既成事実のようなものだが、マネジャーになるというのは珍しい。

 そんな縁で、エンディングコーナー「閉店ガラガラ」(この日は、結婚式企画ということで「開店ガラガラ」だった)では、その三宅アナがホリケンと共にオンエアをゲット。息子を人質(?)にとられているからこその大サービスだった。

 この日、出ていた男子アナでは、倉田アナがかつてドリカムのコンサートでバックダンサーを見事に務めたり、伊藤アナはその昔『めざましテレビ』で「アミーゴ伊藤」としてコスプレをして毎朝サンバを踊っていた。

 笠井アナもサービス精神の塊というべきタイプで、実は軽部真一アナよりもエンタメに精通。比較すると、やや高尚な演目やアーティストに強いという気がする。

 この日の出演は叶わなかったが『バイキング』で連日、坂上忍にツッコまれているのは榎並大二郎アナ。「ライオンちゃん」コーナーに加わった田淵裕章アナは、あの田淵幸一氏の息子だが、「母はジャネット八田です」と自ら、かぶせてくることでも知られる。

 新人では、藤井フミヤの息子、藤井弘輝アナがいることも既に有名だが、まだ、うまく使い切れていないように感じる。

 恐らく、視聴率が低迷していることで、アナウンサーに“笑い”を追求させたり、バラエティーのノリに乗っかりづらいムードが社内に蔓延しているのだろう。これでは他局と同じになってしまうし、とても、もったいないと思う。

 フジテレビはフジテレビらしく、とことん明るく、楽しく、やればいいのではないか。何やら最近、女子アナもみんなおとなしいのだけれど、男子アナは、バラエティーで弾けたくて弾けたくてしかたがない…というタイプの人がたくさんいるような気がする。

 これはフジテレビに限らないが、アナウンサーを目指す人は、漏れなく“出好き”である。

 今年4月1日に終了した『新報道2001』で、メインキャスター、須田哲夫アナのこれまでをまとめた、けっこう長尺なVTRを見たのだが、須田アナが子役出身で、テレビ草創期、黒柳徹子さんと共演経験もあると知り、驚くと同時に納得した思い出がある。

 須田アナの“自分大好き”なリポートや、『3時のあなた』で大女優の邪魔をしないものの、どこか同業者っぽく振る舞っていたのは、そういうことだったのかと…。

 在京各局とも、安住紳一郎、羽鳥慎一に続くスター男子アナを発掘し、育て、数字に繋げることを急務としているだろうが、フジテレビの場合は、“団体戦”で勝負してはどうだろう。

 その意味で、谷岡アナが自虐発言をした『ようこそ!!ワンガン夏祭り THE ODAIBA 2018』は、フジテレビの男子アナを一気に売り出す絶好のチャンスかもしれない。イメージは“ちょっと軟弱な「野猿」”だろうか。

 バラエティーに強い男子アナが多数揃っているフジテレビ。明るく楽しい彼らを複数で起用したり、大御所芸人と組ませたりすることに同局の好機が潜んでいる気がする。

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