美人で天然だが今風に賢い川口春奈 バランス感覚が好感の源か

美人で天然だが今風に賢い川口春奈 バランス感覚が好感の源か

(時事通信フォト)

 ギャップ萌え、といった言葉があるが、最終的に重要なのはやはり「バランス感覚」なのかもしれない。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

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 ドラマが続々と最終回を迎えている今。次期にスタートする新ドラマへと関心は向かいます。中でも期待を膨らませてくれる一人の女優さんがいます。その人とは……『着飾る恋には理由があって』(TBS系火曜午後10時)で主役を演じる川口春奈さん。

 最近の川口さんといえばNHK大河ドラマ『麒麟がくる』で注目が集まった。麻薬取締法違反容疑で逮捕された沢尻エリカさんの代役として急遽、織田信長(染谷将太)の正室・帰蝶役として白羽の矢が。しかし川口さんは大河ドラマが初めてで活躍できるかどうかは未知数でした。

 いったん着物姿で登場すると堂々としたふるまいが川口さんの評価を高めていきました。特に信長を支えかつ的確な判断を下す帰蝶の姿がまるでプロデューサーの風体で、「帰蝶P」という愛称まで生まれた。それもこれも、川口さんの落ち着きぶりによるものでしょう。結果としてこのキャスティングは大成功と相成りました。

 さらにユニークなのは、川口さんが単に正統派女優としての階段を上っているだけではない、ということです。敢えて「美形女優」が持つイメージをぶっ壊す?というか、ひっくり返す行動を選ぶユニークさ。YouTube「はーちゃんねる」ではスッピンで出てきて顔を洗ったり髪の毛をアレンジしてみたり、部屋着で一人飲みしたりマッサージしたり魚をおろしたり。あまりのフラットさが新鮮で今や126万人もの登録者を獲得しています。もちろん背後に優秀なブレーンの存在もささやかれていますが、いずれにせよwebを今風に使いこなしている賢さがある。

「はーちゃんねる」を見ると、ご本人がかなり天然なキャラであることがよくわかるのですが、しかし、「美人女優」と「素をさらす」という両極端を刺激的に見せているだけに留まらないのが川口さんの独特なポイントと言えるでしょう。

 彼女の力がよく伝わってくるのがスポーツ番組『Going! Sports&News』(日テレ系土日午後11時55分)。主に土曜日のスペシャルキャスタ−として登場している川口さんですが、例えば先週3月20日の放送ではMC上田晋也さんに向かって「上田さん、ソーシャルディスタンスとってください!」と指摘し、「もっと離れよ」と指示を出しました。慌てて距離をとる上田さん。先輩の大物芸人にも臆せずズバっとものを言う。まさに「川口P」節炸裂です。

 超フラットで嫌みなく客観的に物を言う感覚は、インタビューの際にも活かされています。アスリートの練習現場に足を運んで、疑問に感じたことを率直に問いかける。例えば新体操日本フェアリージャパンの練習現場では、まず川口さん自身がフープを体験した上で、選手たちに「一回の演技の中でどれくらい技の数があるのか」「技を出すごとに点数が加算されるのか」「技のネーミングは誰が考えるのか」といった質問を繰り出していました。新体操の演技がどのように構成されているのか、的確な質問によって視聴者の理解も深まっていきました。

 しかも、取材中の川口さんはムダに笑わない。媚びない。女優にありがちな愛嬌も作らず、一言でいえば「この場所は、スポーツとアスリートが主役である」ということをよくわかっている。主役より目立たない立ち位置をきちんと判断しているあたりも好感です。

 さて、4月スタート完全オリジナルストーリーの新ドラマで、主人公“着飾る女”を演じる川口さん。「きれいに着飾ることで自分の居場所を得ていた」ヒロインが、価値観の違う人々とひとつ屋根の下で暮らし恋をしたり友情を深める中で、鎧を脱ぎ捨て自分らしく生きる姿を描くラブストーリーだそう。

 YouTubeを見てもわかるように、川口さんは身につけた「鎧をはずす」のが得意中の得意です。このドラマの中では、きれいに着飾っている主人公がいかに変化していくのか。変化のプロセスをどのように活き活きと面白く描き出してくれるか。女優としてさらにワンステップアップをしてくれることを期待して見たいと思います。

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