中井貴一が『華麗なる一族』で見せる貫禄 共演者からは「最強」の声も

中井貴一が『華麗なる一族』で見せる貫禄 共演者からは「最強」の声も

ダンディーな色気が増す中井貴一

 これまで何度も映像化されてきた山崎豊子原作の作品『華麗なる一族』がWOWOWで再びドラマ化されている。注目は主人公・万俵大介を演じる中井貴一(59才)だ。コラムニストのペリー荻野さんがドラマの魅力、中井の演技力について解説する。

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 みなさん、こんにちは。中井貴一研究所、所長のペリーです。
 
 先日、スタートした連続ドラマW『華麗なる一族』。主人公の万俵大介を演じている彼を見て、「ついにここまできた」と感慨深かったファンは多いことでしょう。

『華麗なる一族』といえば、『犬神家の一族』『ムー一族』と並ぶ『日本三大一族ドラマ』(ペリーが勝手に認定)。中でも山崎豊子が銀行頭取一家の繁栄と崩壊を描いた「華麗なる一族」はその名の通り、華麗さでは群を抜いています。

 ドラマの舞台は高度成長期。父の跡を継ぎ、阪神銀行の頭取、万俵コンツェルン総帥として強い力で銀行とグループ会社を引っ張っている大介ですが、家庭内には不穏な空気が。京のお公家系の妻・寧子(麻生祐未)がいながら、大介はこどもたちの家庭教師である高須相子(内田有紀)と愛人関係になり、次男銀平(藤ヶ谷太輔)はじめ、こどもたちとひとつ屋根の下に暮らしているのです。

 相子は万俵家の実権を握り、こどもたちを有力者と縁組させる「閨閥づくり」を強力に推し進めます。一方、幸せな家庭を持ち、グループ企業の阪神特殊製鋼に勤めるさわやか長男の鉄平(向井理)に対して、大介は時々嫌な顔をします。鉄平は大介の父にそっくり。そこには出生の秘密が!?

 この物語の面白さの第一は、庶民には想像もできない上流家庭の裏のドロドロを垣間見られること。自分の縁組について「どっちだっていいですよ」とひねくれる銀平に「妻妾同居」と言われ、側室大好きの戦国武将かと突っ込みたくなるような傲慢私生活を送る大介。

「およしになって」などとすました顔で家を牛耳る相子。イライラしつつ相子に頼ってしまう娘たち。次々出てくる縁組のお相手たち。さらに政府の銀行合併政策を聞きつけた大介は、大臣や官僚たち、ライバル銀行の思惑を探りはじめます。あっちでもこっちでも腹の探り合い。情報収集を担う東京事務所の芥川(高嶋政伸)が自分たちを「忍者部隊」と言った時には、また「戦国か」と突っ込んでしまいました。

 表面的にはゴージャスなのに、みんな不幸顔をしているというすごい話。第一話だけで豪華の象徴「金屏風」が、ホテルに一族集合したシーン、銀行での年始挨拶のシーン、他行パーティーのシーンと三度も出てきたのには驚きました。各地のきんきら屏風の前で不敵に微笑む万俵大介。もちろん鼈甲縁メガネの奥の目は笑っていません。シリアス貴一モード全開です。

 今後は万俵家の良心といわれる兄貴・鉄平の大きな夢「高炉建設」を巡って、大介とすさまじいやりとりがなされる様子。銀平も「いつまでも親父の言いなりにはならない」と爆発寸前。「万俵家は狂ってる!!」との絶叫も聞こえてきます。

 万俵大介は、これまで時代を代表する名優が演じてきました。1974年の映画版では、出てくるだけで物語が一トンくらい重くなった佐分利信。同年のテレビドラマ版ではホームドラマのお父さんからイメージを一変させた山村聰、2007年ドラマではすごい眼力で鉄平(木村拓哉)をにらみつけた北大路欣也。向井理に「このドラマの中井さんは最強。勝てる人がいない」と言われた中井貴一が、この役でどこまで貫禄を見せるのか。見届けねば。

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