日本の音楽シーンは宝の山 70〜80年代シティポップが世界でブーム

日本の音楽シーンは宝の山 70〜80年代シティポップが世界でブーム

世界的人気の松原みきの『真夜中のドア〜stay with me』。ポニーキャニオン『パッケージ・オーダー・プロジェクト(POP)』で復刻。2ndシングル『愛はエネルギー』、2ndアルバム『Who Are You?』も予約受付中

 インターネットの無料動画サイトや、サブスクリプション型音楽配信サービスの普及・浸透を背景に、日本のシティポップがアジアや英語圏でも評価され、世界中で人気となっている。

「最近は、海外のユーザーも日本の若者も、スマホなどを通じて、サブスクで音楽を聴いています。サブスクは、定額料金を支払えば、一定期間、数百万曲が聴き放題になるサービスです。歌手や作家には、基本的に再生回数に応じて利益還元される仕組みです」

 と、音楽ジャーナリストの柴那典さんは解説する。

 特に、松原みきの『真夜中のドア〜stay with me』(1979年リリース)は、インドネシアの女性YouTuberがカバーして配信したのを契機にファンが急増。音楽配信サービス『Spotify』では再生回数が4600万回を突破。『Apple Music』でも90か国以上でヒット中だ。

「1970〜1980年代の日本のシティポップ人気は、音楽シーンの主流派とは違い、海外のマニアックなファンの間で盛り上がっているニッチな動きといえます。とはいえ、日本の音楽に従来アクセスできなかったアジアや英語圏のファンが耳を傾けている、国も時代も超えた現象である点で画期的です」(柴さん)

 そもそもシティポップには、明確な定義がない。

「代表的アーティストとして竹内まりやや松原みき、杏里、大貫妙子、山下達郎が挙げられます。サウンド的には洋楽と遜色のないクオリティーやグルーヴ感を持ち、メロディーや歌に独特の“エモい”要素のある曲が多い。だから、言葉の壁のある外国人にも、どこか懐かしさが感じられるのでしょう」(柴さん)

 流通的には孤立した環境にあるものの、アメリカについで世界2位の音楽市場規模とクオリティーを持つ日本の音楽シーン(IFPI[国際レコード産業連盟]が2021年3月に発表した年次報告書『IFPI Global Music Report 2021』による)。世界的にも稀有な宝の山だけに、第2、第3の『真夜中のドア』の出現が期待されている。

取材・文/北武司

※女性セブン2021年5月20・28日号

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