女子アナが体のラインを強調した服で出演するようになった訳

女子アナが体のラインを強調した服で出演するようになった訳

テレビ東京の鷲見玲奈アナ

 視聴者からすればタレントのように見える女子アナたちの世界に、ある“変化”が起こっているという。

 たとえば、この6月に『NEWS23』(TBS系)のメインキャスターに就任した小川彩佳アナ(34)は、大きくワキの空いたノースリーブ姿で登場し話題となった。ほかにも、テレビ朝日の三谷紬アナ(25)は、『やべっちFC』出演時に大きな胸が強調されるようなシーンも放送されている。

 三谷アナは入社3年目だけに、今後活躍の場を広げていくことになるだろうが、その人気ぶりは、テレビ業界の“定説”に反するものだ。ベテランテレビマンが話す。

「“セクシー系アナは人気が出ない”とこれまではテレビ界で言われてきた。そもそも、“女子アナ”という存在が確立されたのが1980年代の初めくらい。その頃はとにかく知性やアナウンス技術が重視されていて、胸が目立つようなセクシーさを出そうものなら、女性視聴者から嫌われると考えられていた」

 そこから、“女子アナと胸”の関係は変わっていく。1990年代にアイドル化がすすみ、女子アナの主戦場がバラエティ番組に移った。コスプレをしてアイドルのように歌い、男性視聴者を魅了した。その頃は女子アナのスタイルも“武器”になった。

「でも、それはただ女子アナを消耗品として扱っているに過ぎず、年を取れば“サヨナラ”。『30歳定年説』が囁かれるようになったことで、当の女子アナたち自身が“ビジュアルを売りにすれば、自分たちの賞味期限を早めるだけ”だと気付いた。それからは、たとえ巨乳でも、それをひた隠しにしようとする時代が長く続いた」(別のテレビ局員)

 胸が小さく見えるよう小さめのブラジャーをつけ、お辞儀しても谷間が見えないよう、胸元と衣装の裏地をガムテープでくっつけるのは当たり前。

〈局アナ時代はぶりっ子というイメージがあったから、胸まで強調されてしまったらアナウンサーとしての清潔感が保てないと思っていました。(中略)とにかく胸を小さく見せたくて、3年間ぐらいサラシを巻いて胸を潰していたんです〉

 2014年にフリー転身した元TBSの田中みな実アナ(32)は、2017年に『anan』のインタビューでそう告白したこともあった。

 だが最近では、冒頭の小川アナや三谷アナを始め、杉浦友紀アナ(36、NHK)、桑子真帆アナ(32、NHK)、水卜麻美アナ(32、日本テレビ)、鷲見玲奈アナ(29、テレビ東京)、宇賀なつみアナ(33、フリー)といったアナたちが、各局の看板番組を背負い、胸元を強調した衣装で画面に登場する。

「一歩引いてニコニコ笑っているのではなく、バラエティでは芸人のフリに即座に切り返し、報道では自分の考えをハッキリ述べるなど、アナウンサーとしての度量や技術が評価されるようになった。共通するのは、男性に媚びない姿勢。彼女たちからは“胸が大きいことは悪いことじゃない”“これが私のスタイル”といった自立した強さを感じます。そういった女子アナたちは、ふくらみを強調する服を着ようが関係ない時代になった」(同前)

 女子アナの活躍するフィールドが広がったことで「小さく見せなければならない」といった定説が変わったようだ。

 半面、女子アナたちの間では“新たな常識”が浸透しつつあるという。

「巨乳は隠さなくてもいいけど、“胸の谷間は見せてはいけない”というもの。谷間が見える衣装を着たり、見せつけるような仕草をしたら、やはり“女を売りにしている”と思われ、女性視聴者が一気に離れてしまうという危機感があるようです」(同前)

 様々な葛藤を“胸”に抱え、女子アナたちは今日もカメラの前に立つ。

写真■ロケットパンチ

※週刊ポスト2019年7月12日号

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