高田文夫が見た「三遊亭小遊三と春風亭昇太」

高田文夫が見た「三遊亭小遊三と春風亭昇太」

結婚で話題の昇太はどんな人? 高田文夫が語る

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、落語芸術協会の会長代行だった三遊亭小遊三と、新会長となった春風亭昇太についてお届けする。

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 マスコミは“闇営業”一色。雨上がり決死隊が“闇あがり決死隊”になった。

 大阪の暗黒ニュースばかりで、東京では明るいニュースのはずが記事もこぢんまり。東京の落語界にはふたつの反社ではない団体がある。落語協会と落語芸術協会。いってみればセとパのようなものだ。そこから枝分かれして(喧嘩別れ)圓楽党と立川流の弱小軍団。落語芸術協会の会長を務めた桂歌丸師が亡くなって一年、副会長の三遊亭小遊三が代行を務めていたが、そろそろ会長を決めなくてはいけない時期になって「オレ、や〜らない。楽になりたい」と言い出す72歳。

 私の古くからの友人だが、この男ぐらい面倒くさいことが嫌いな男はいない。笑芸界では“最も軽い重鎮”と尊敬される。小遊三曰く「ハードルは上げるだけ上げて高くした方が、下をくぐり抜けやすい」そんなことを真顔で言う。最近落ち込んだことはときけば「湯あがりに鏡を見るとおっぱいに張りがなくなった」だとさ。誰か処刑してくれ。色紙を頼まれると「寝てて転んだためしなし」。アハハまったくだ。ずっとゴロゴロしていたいのだ。

 そのくせ若き日は卓球青年で、前の東京五輪では、山梨を聖火ランナーとして走った。今でも林家こん平監督の「らくご卓球クラブ」では頭がでかいのでヘッドコーチ。

 先日理事会が開かれ、噂通り春風亭昇太・59歳が新会長に就任。昇太の推しにより、副会長には頼りになる春風亭柳橋が決定。あの軽い芸風からまだまだ若手なんて思っていたら、すぐに還暦。

 30年前若手ナンバーワンとして私のラジオ番組『ラジオビバリー昼ズ』のレポーターを直でやってもらっていたらその間に『笑点』の司会となり、気がつけばあの背丈でも大きく見える会長である。“肩書きが人間を作る”というが本当だな。私もこれからは「師匠!会長!」など卑屈にこびながら、おこづかいのひとつももらいたいものだ(アッ先日、一対一で呑みに行っておごってもらった。これからは現金でください)。

 なんといっても会長職というのは世間に対する知名度が大事。これは申し分なし。小遊三の言う通り「発信力がある」ということも大切。記者の質問に昇太「我々は公益法人です。5千円の花束よりも3千円のご祝儀を」。ちなみに小遊三は参事となった。「参事のおやつ」だとさ。

 ここまで書いたらテレビで「昇太結婚」。アーッ、以下次号。

■イラスト/佐野文二郎

※週刊ポスト2019年7月19・26日号

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