女優・MEGUMIに注目集まるワケ ドラマ、映画での熱演に反響

女優・MEGUMIに注目集まるワケ ドラマ、映画での熱演に反響

『台風家族』のイベントに登壇したMEGUMI

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は女優として注目のMEGUMIについて。

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 巷でMEGUMIにまつわる会話が聞かれる。グラビア出身の彼女だが、いま、ファンの大半は同性。なぜ彼女を主語にしたトークが女性の間で交わされているかというと、ドラマ『偽装不倫』(日本テレビ系)の終盤と、映画『台風家族』の公開が重なったからである。

 杏が4年ぶりに連続ドラマに主演したことで話題を呼んだ『偽装不倫』だったが、中盤ヒトケタも出るほど“視聴率女優”の彼女にとっては珍しく苦戦した作品だった。最終回は、12.4%(ビデオリサーチ・関東地区)と有終の美を飾ったが、杏と宮沢氷魚の恋愛過程の“じれったさ”や、杏が鏡に映った“自分”からツッコまれるシーンが「ツライ」という声も少なくなかったように思う。

 さらに、杏の姉役でキャリアウーマンの人妻を演じた仲間由紀恵は、年下のボクサーとリアルに不倫をしていて……。

 かなり突拍子もない姉妹に共感できるところが多くはないなか、宮沢の姉役のMEGUMIが出てくると「ホッとする」「自然体でステキ」などという声が聴かれたのである。

◇『台風家族』で見せた“体当たり”の演技

 そして映画『台風家族』だ。御存知の方も多いと思うが、「お蔵入り」が懸念された作品。新井浩文被告が出演しているからだ。

 それが、俳優や映画関係者、ファンらの後押しで、9月6日から3週間限定ではあるが、ノーカットでの公開が決定。主演の草なぎ剛、新井、中村倫也の男兄弟に挟まれた第3子で長女というのがMEGUMIの役どころだ。

 草なぎは、ドラマ『銭の戦争』『任侠ヘルパー』『嘘の戦争』(いずれもフジテレビ系)にも似た“ワル剛”としてスクリーンの中で暴れまわる。親の遺産を分配するために集合した兄弟の一夜を描いた作品の中で、MEGUMIは、非常にハマっている。

 胸を強調したタンクトップや片肩からズリ落ちたダラシがないテイストのニット姿で、終始、汗ばんでいるMEGUMI。実際、猛暑日が続いた昨夏、エアコンもない古い家屋に閉じこもって大半のシーンを撮影していたそうで、草なぎは「MEGUMIちゃんはヤバかった」と、熱中症でダウン寸前だった彼女をずいぶん心配したと言っていた。

 だが、調子の悪い扇風機一台の実家で、一癖も二癖もあれば、全員がケンカッ早い役柄の草なぎ、新井、中村にウンザリしながらも、どこか肝が据わっている長女MEGUMIは、とても魅力的で、草なぎファンや中村ファンの女性たちからの評判もすこぶるいいのである。

 偶然ではあるが、MEGUMIが『偽装不倫』に、そして中村倫也が『凪のお暇』(TBS系)がもっとも盛り上がる時期に公開できた『台風家族』は結果オーライだったのではないか。

 もちろん、PRを仕切り直した宣伝担当は大わらわだったとは思う。だが、市井昌秀監督、主演の草なぎ剛と並んで、公開前イベントや生中継舞台挨拶付上映イベントなどに、もっとも多く登壇したMEGUMIの振る舞いやトークがまた大評判だった。

 もともと、コンサバではなく、アジアンテイストだったり、モード系の服が似合うMEGUMI。だがバラエティーでは“ママタレ”“毒舌”という括りで持てはやされるため、その抜群のスタイルやオシャレ度の高さに注目が集まる場面があまりないのである。

 それが、今回の映画イベントでは「紅一点」を熟知しているかのような華やかな色のファッションで登壇。会場から「MEGUMIさん、キレイ」「カッコイイ」という女性の声が多くあがっていた。

 さらに、バラエティー番組では「笑いがわかっている人」という位置づけだし、生の情報番組では生活者としてのコメントが短いながらも評価を受けている彼女は、イベント中、いわゆる“裏回し”もできれば、邪魔にならない“ツッコミ”もできていた。

 デビュー直後、『エンタの神様』(日本テレビ系)で「関根勤とパロディー集団」の一員として出演していたからか、もともとの性格なのか、「笑い」をわかっている人でもあるのだ。

◇上映イベントでは見事な“裏回し”

 直近の「全国89館生中継舞台挨拶付上映イベント」では、事前に募っていたファンからキャストへの「裏設定」にまつわる質問に答えることがメインだった。

 ステージ中央の小さなタブレットを見ながら、質問をセレクトして順に答えていくという流れだったのだが、義父でベテラン俳優の古谷一行に慣れているからだろうか。劇中、絡みがなかった草なぎの父役・藤竜也の傍らにピタリと付いたMEGUMIは、藤のサポートに徹していた。俳優の大先輩をリスペクトする気持ちを一瞬たりとも忘れずに、藤が引き立つよう、一歩下がったり、タブレットを支えたり。「長女」ならではの気配りを続けたのである。

 そうかと思えば、ハイテンションの草なぎをはじめ、登壇者のコメントに観客から「?」という箇所があると、即座にフォロー。それもまた的確だったし、決して「前へ、前へ」と出るものではないので、非常に聞きやすく、しかも、MCのプライドも傷つけない、それは見事な“裏回し”だった。

 実は1か月ほど前、『女性セブン』の連載でMEGUMIについて書いた。それは、女子ゴルフの渋野日向子プロが全英オープンで優勝したタイミング。同じ岡山県出身の有名人としてMEGUMIのことも書かせてもらったのだ。

 その際、色々調べていたら、彼女はいま、8時間落ちないリップと整形級のグロスが1本になった「ジェミーブロッサムズ」というリップのプロデュースにも忙しかった。「自ら工場で色練りしている」と彼女の友人で造花アーティスト・トシ子から聞いた。同商品は、美容に一家言もつモデルらに大人気のヒット商品になっていると聞いた。
 
 さらに、金沢市の観光地・ひがし茶屋街に、地元食材を使った『Cafe たもん』 のオーナーを務めていた。親交が深い「BAR かなざわ紋―MON―」へ訪れるため、頻繁に金沢に通っていたのが“縁”だったという。

 以前、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の「テレフォンショッキング」に出演した際、「出演祝」のスタンド花が、木村多江からの一基だけだったMEGUMI。だが、女優やタレント仲間とは異なる、プライベートのネットワークが彼女の仕事に独特の輝きを放させているのは間違いないだろう。

『台風家族』の公開が遅れたことで、もう一つMEGUMIにとってラッキーと思えることがある。それは、三浦春馬、多部未華子の『アイネクライネナハトムジーク』、佐藤健の『ひとよ』と、話題作への出演が続くことになったからだ。

 ちなみに『ひとよ』は白石和彌監督。『台風家族』公開の背中を押すことにもなった『麻雀放浪記2020』や、香取慎吾主演の『凪待ち』でもメガホンをとっている。

 以前、MEGUMIと『知りたがり!』(フジテレビ系)で共にコメンテーターをしていたとき、小池栄子について語り合ったときがある。舞台や映画で「顔芸」ともいうべき大胆な表情を見せ、評価されつつあった小池に対し、MEGUMIは「私には、あれはできない」と言っていたのを覚えている。

 でも、異なるタイプとして、いま、MEGUMIは間違いなく、映像の世界で「選ばれる女優」になっている。

 もともと歌手を夢見ていた少女がグラビアの世界に飛び込んで20年。実りの秋を目前に「MEGUMIの季節」がやってきた。

撮影/高柳茂

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