室井滋&夏井いつき対談 室井「携帯電話番号50個覚えてる」

室井滋&夏井いつき対談 室井「携帯電話番号50個覚えてる」

女優の室井滋と俳人・夏井いつきさんが初対談!

 室井滋さんの女性セブン人気連載をまとめた単行本『ヤットコスットコ女旅』が発売された。室井さんの珍道中を綴ったエッセイの数々に、『プレバト!!』(TBS系)でおなじみの俳人・夏井いつきさんは「共感ポイントがいっぱい!」と大笑いで絶賛。初対面の2人の対談が実現した。

◆旅の楽しみはお酒と食べ物と…

室井:私がもしホントに本気で俳句を作ろうと思ったら、多分、食べ物の話ばかりになっちゃうと思う。そのぐらい食いしん坊なので。先生は、食にはあまり強い欲望はおありじゃない?

夏井:ああ、私はあんまりないかもしれな…よね?

〈夏井さんが視線を飛ばした先には、夫の加根光夫さんがいて、「そうね」と同意する。加根さんは元テレビCMディレクター。俳句を通じて知り合い、再婚と再々婚同士で結ばれた。加根さんの俳号は兼光。現在は「夏井&カンパニー」社長で、夏井さんと共に全国各地を旅して回る。〉

夏井:兼光さんが美味しいもの好きなので、引きずられる感じで美味しいものをいただいてるかな。自分的には料理を作るのも面倒くさい。食べさせてもらってます。

室井:(加根さんの方を向いて)お作りになるんですか?

加根:時間がある時は作りますが、最近はあまり時間がなくて。だけど、作るのは好きなんですよ。

夏井:室井さん、お酒は?

室井:お酒は私、最初にもらったのが女優の賞じゃなくて、日本酒の賞だったんです(笑い)。日本酒造組合中央会が酒好きとか酒好きと噂のある人にくれる賞で、当時の宇野宗佑首相がプレゼンターでしたね。

夏井:へぇ〜。

室井:それぐらいお酒飲みという噂があったんですけど、今はあまり…たしなむ程度に…(笑い)。

夏井:私たちもそんな感じですよ。たしなむ程度に…。

加根:(すかさず)でも、うちは、休肝日がありませんので。

室井:(ギョッとした顔で)休肝日なし!? 私は外ではザルですが、家では一滴も飲みませんよ。

夏井:偉いっ。それは精神力ではなく平然と?

室井:そう。だからホントは、あんまり酒好きじゃないのかも。

夏井:えーっ、好きじゃないのにザルなんて。人と飲むのが好きとか?

室井:ああ、人と飲むのは好きです。あと、めちゃくちゃ食いしん坊です。

〈『ヤットコスットコ女旅』には友人たちと故郷の富山で盛り上がる一編もある。「まずは生ビールで乾杯し、ブリ刺しやホタルイカの酢味噌で日本酒、さらに氷見牛や黒部名水ポークの串焼きが出てきたので赤ワインを頼む。と、ここで思いがけないプレゼントが。何と、普通のコップ大の小さなワイングラスに、赤ワインがなみなみと注がれて登場〜ッ!」。が、この後、意外な展開に──。〉

室井:先生の旅の楽しみはなんですか?

夏井:お酒と美味しいものを少し食べる、かな。美味しいものをちょっとだけ食べて、美味しいお酒をしっかり飲む(笑い)。

室井:普段から、俳句のタネみたいなものを探そうという気持ちがちゃんとベースにあるんですか? それとも…。

夏井:吟行会といって、仲間と一緒にどこそこに出かけて、飲み食いもしながら句会もするという時は、朝からギアを入れますね。朝出発するところから吟行なので、ギアを上げてどんどん材料を仕入れていく。

室井:それは、何かメモ帳みたいなものを持って書き留めるんですか。

夏井:句帳に書きます。句会で、今日は何句出しって決められてることがあるから、その数は作らなきゃいけない。でも、普通の旅をしている時は、普通にぼーっとしてますよ。何かふっと気になるものが飛び込んできた時だけ書く。3句までは覚えておけるんだけど、4句目が思い浮かんだら最初の1句を忘れるから(笑い)。ちゃんとメモをして、またぼーっとする。そんな感じです。室井さんはエッセイを書かれる時は、どんな感じなの? 当然旅先でも書かれるでしょう。

室井:私はいま、月に10本くらい締め切りがあって、一応女優の仕事もしながら、締め切りに遅れたことは全然1回もなくて。

夏井:ドキッ。すごい!

室井:起承転結のはっきりしたものなら苦労なく、わりとすぐ書けちゃう。いつもジャポニカ学習帳の作文ノートに書いてるんですが、あれは1ページ200字で、見開きに書くと400字。何文字って言われたら、最初からぴったり書ける。後は、それを清書して、旅先のコンビニからファクスで送るんです。

夏井:すごいなぁ。

室井:でも私、どうも文学的なことにはあまり向いてない気がして。

夏井:そんなバカな(笑い)。

室井:麻雀とか数独とかカードゲームが好きなんです。数字とか物事を数学的に処理していくみたいなことが好き。数字が何個か並んでたりすると、ホッとするんです。私、ガラケーなんですけども、電話番号、50個ぐらい覚えてるんですよ。

夏井:信じられな〜い。私、書類に自分ちの電話番号を書き込むのも人に聞かないと書けないくらいで、いい加減覚えてくださいと言われてる。

室井:じゃあ、ある日、ひとりぼっちになって、どこかに置いていかれちゃったら、帰れないですね。

夏井:置き去りにされたら、私はどうするんだろうって、いつも思う(と加根さんの方を見て…)。

室井:また、なんかのろけられてるような感じが(笑い)。

夏井:いや、ホントです。誰の携帯番号も分からないですからね。

◆室井滋さんが地元・富山でサイン会を開催します!!

 9月23日(月・祝)午後1時30分から、室井滋さんが『ヤットコスットコ女旅』刊行記念のとして、富山駅前のショッピングセンター「マリエとやま」内にある「清明堂書店」でサイン会を開催します。
会場:マリエとやま 6階 (〒930-0003 富山県富山市桜町1-1-61)

*本の清明堂書店は、館内5階のフロアにあります。
*サインは、「清明堂書店」にて新刊『ヤットコスットコ女旅』をご購入になったかたに限ります。ご了承ください。

◆室井滋/むろい・しげる。女優。富山県生まれ。映画『居酒屋ゆうれい』『のど自慢』などで多くの映画賞を受賞。2012年日本喜劇人大賞特別賞、2015年松尾芸能賞テレビ部門優秀賞を受賞。また、絵本『しげちゃん』シリーズ(金の星社)ほか電子書籍化含めエッセイや絵本など著書多数。新曲『ウイルスのチャチャチャ』を日本コロムビア、iTunes、レコチョクで配信中。全国各地でしげちゃん一座絵本ライブを開催中。

◆夏井いつき/なつい・いつき。俳人。俳句集団「いつき組」組長。1957年愛媛県生まれ。1994年俳壇賞、2000年中新田俳句大賞を受賞。全国高等学校俳句選手権「俳句甲子園」の創設に携わる。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」選者なども務めている。『超辛口先生の赤ペン俳句教室』(朝日出版社)や『子規365日』(朝日新聞出版)など著書多数。『プレバト!!』(MBS系)の辛口添削でも大人気。全国各地で句会ライブを開催中。

撮影/木村直軌

※女性セブン2019年9月26日・10月3日号

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