テレ朝久保田直子アナ、ゴールデン番組起用で高まる存在感

テレ朝久保田直子アナ、ゴールデン番組起用で高まる存在感

『マツコ&有吉 かりそめ天国』で”ゴールデン進出”した久保田直子アナ

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回はテレビ朝日の久保田直子アナ(38才)について。

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 誰のどういう好みかわからないが、最近、テレビ局にはアイドル出身の女子アナが増えている。各局、何千人もの応募の中から採用したはいいけれど、30才前に退職してしまう女子アナも増えていることから、「即戦力」と「知名度の高さ」が採用ポイントになっているのかもしれない。が、女性視聴者にとって「アイドル出身の女子アナ」というのは正直、ピンとこないし、特に有難みもない。

 その代わり、男性出演者やスタッフからチヤホヤされているのだろうなぁと思うし、そうなるとガムシャラ感にも欠けるだろうし。そうなると、どこまで成長してくれるのやら…と老婆心ながら心配になってしまう。

 かつて「顔で選んで声では選んでいない」と教えてくれた在京キー局の採用担当男性アナの言葉が忘れられない私は、だからと言ってキンキン声や悪声ともいうべき声の女子アナというのはどうなんだろうとも思っているところだ。テレビにおいても実は「声」というのはものすごく大事で、ハイトーンボイスの女子アナがキャッキャやっていると私はチャンネルを変えてしまうことがある。これ、多くのオバサンの習性だと思うのだけれど。

 そんななか、落ち着いていて、アナウンス力にも取材力にも優れ、一生懸命さが画面から伝わって来る女子アナがいる。テレビ朝日の久保田直子アナウンサーである。

◇笑顔を絶やさず礼儀正しいスポーツウーマン

 2005年入社のアラフォー。スポーツ番組や情報番組を担当し、『題名のない音楽会』や『おかずのクッキング』など、“大人”や“男性出演者”が多い現場で可憐な花を咲かせる存在だった。

 現在は『大下容子ワイド!スクランブル』で大下アナを支えている。台風19号の被災地中継も久保田アナには安心して任せられた。ヘルメットも被り慣れていれば、長靴も履きなれている。的確な言葉選びと、マイクを持たない手と自らの背丈で表す長さや、目配りによって、現場の深刻さがストレートに伝わってきたものである。そうかと思えば、声や滑舌の良いアナウンサーにしか許されない、VTRのミニ番組『食ノ音色』を担当。そして2017年4月から『マツコ&有吉 かりそめ天国』のアシスタントを務めている。

 前身番組は『マツコ&有吉の怒り新党』。夏目三久や青山愛アナら華やかな美人がアシスタントを務めてきた。果たして『〜かりそめ天国』とタイトルも内容も変わることになった初回、新しいスタジオセットに先に入り、笑顔で“おいで、おいで”とマツコ・デラックスと有吉弘行を呼び込んだ久保田アナに「誰?」と思った視聴者は少なくないかもしれない。彼女がこれまで担当してきた番組が女性視聴者の多い昼間や早朝の情報番組や教養番組だったからに他ならない。

 だが久保田アナ、バラエティーが不得手だったワケでは決してないのである。明るく親しみやすいキャラクターゆえ、タレントへのインタビューで笑いをとったり、現場を明るくしたりしているのを私は何度も見てきた。

 とにかく笑顔が素晴らしくて性格が素直で真っ直ぐ。中学高校と陸上競技をしていて、ホノルルマラソンや東京マラソンの経験もあるスポーツウーマンでもあるのだ。

 私はかつて『やじうまプラス』や『やじうまテレビ!』で仕事をさせてもらったが、チームの中で仕事をするのが本当にうまいアナウンサーで、いい意味で男性スタッフに気を遣わせないタイプだったと記憶する。

 礼儀正しく、瞬時に、わざとらしくない笑顔をつくれる人。局外で会ったときにも元気いっぱいに声をかけてくれるのだ。

◇プロデューサーが「番組のウリは久保田アナ」

 見た目も仕事ぶりも若々しくてフレッシュなので、30代前半ぐらいのイメージだったのだが、今年9月で38才。でもやっぱり久保田アナはフレッシュな感覚の持ち主なのだとわかる場面に遭遇した。

 10月8日、テレビ朝日に程近いパーティースペースで行われた「記者・制作者懇親会2019年秋」。年に2回の改編期スタートに、同局のすべての番組のプロデューサー陣と、新聞・週刊誌、テレビ誌などの記者が懇親する恒例のパーティーだ。

 4月の懇親会は、新人アナウンサーのお披露目をかねて、彼らがMCを担当することが多いのだが、10月は、人気アナウンサーが担当。今回は、久保田アナと並木万里菜アナが担当した。テレビ通の方ならピンときたことだろう。久保田アナが担当する『〜かりそめ天国』は金曜夜8時とゴールデンタイムに進出。並木アナが入社してすぐに抜擢された『ミュージック・ステーション』は、金曜午後9時と、放送開始33年で初の枠移動を果たしているから。この改編期の“目玉”とも言うべき両番組のアシスタントを務める両アナがMCに抜擢されたのだ。

 そんな久保田アナが涙ぐむ場面があった。それは、各番組のプロデューサーが登壇し、自ら「ウリ」を記したフリップ片手に、制限時間内にPRコメントをするコーナーだ。

『マツコ&有吉 かりそめ天国』の男性プロデューサーがフリップに書いてきたのは「久保田直子アナ」の文字。バランス感覚に溢れ、天真爛漫な性格だからこその彼女の“猛獣使い”ぶりを番組プロデューサーは、よ〜くわかっているようである。久保田アナの存在が“マツコ&有吉”のトークをさらに化けさせる大きなポイントとなるうることを記者懇親会でアピールしたワケだ。

◇局内で“ポスト大下容子アナ”の評価も!?

 実は深夜時代から『〜かりそめ天国』を皆勤賞で見ている私。『〜怒り新党』では、夏目三久の戦略的な“お澄まし”が活きていたし、夏目が降板してからは、青山愛(元)アナの“オープン”さがマツコ、有吉の両名からも視聴者からも面白がられていた。

 久保田アナも時折、二人を驚かせるエピソードをぶち込むが、それよりは彼女の人柄の良さや、マツコ&有吉に何を言われても動じない、お嬢さまならではのドッシリと構えた言動が興味深い。多くの視聴者に彼女が面白がられるのは「これから」なのかもしれない。

 とにかく、プロデューサーが「ウリ」とするのは久保田アナ。そして彼女にとっては、実に「初ゴールデン」なのである。それでも浮かれることなく、地に足がついていて、「自分は局アナだ」と常にわきまえて仕事をしている彼女を“ポスト大下容子アナ”として考えている幹部も居るのではないかと思う。

『ワイド!スクランブル』で大下アナのピンチヒッターをするとき、下平さやかアナが担当するときよりもハマっているし、年配層のウケが良さそうなのも久保田アナのほうかもしれないと私は思う。ちなみに私は下平アナの仕事ぶりも大好きなのだけれど、彼女は“お昼のワイドショー”よりは“ニュース”のほうが合っている。

 話を久保田アナに戻そう。アラフォー目前で担当番組がゴールデンへ。もちろん、当代きっての人気者、マツコ・デラックスと有吉弘行のトークや、深夜時代から培ってきたヒットコーナーが番組の肝にはなっている。けれど、金曜午後8時ということで、F層(それもF3やF4)の好感度が高い久保田直子アナウンサーが居ることは、F層に「私たちが見てもいい番組」と判断させる。その意味でも、久保田アナが出ていることは、とてつもなく大きな意味があるのである。

 遅咲きの女子アナ、「久保田直子」の仕事ぶりをこれからも楽しみにしている。

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