パラリンピックで注目 「ジャニーズの異端児」風間俊介

パラリンピックで注目 「ジャニーズの異端児」風間俊介

風間俊介主演の『THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』(公式HPより)

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、ジャニーズの中で独自のポジションを築く風間俊介にクローズアップ。

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 リオパラリンピックのハイライト番組『パラリンピックタイム』(NHK)で現地から大会の模様をリポートしたり、競技が終わった選手へのインタビューを行ったりしている風間俊介への評価が日に日に高まっている。

 一年間にわたり、パラリンピアンへのインタビューを行っていただけでなく、14年から、障がいや病気など、様々な生きづらさを抱える主人公たちをドキュメントVTRで徹底取材する『ブレイクスルー ハートネットTV』(Eテレ)でキャスターを務めている風間。

 決して付け焼刃ではないコメント力は、開会式から発揮されていた。

「『障がいをもった方は助けてあげなさい』という常識が覆される」「『手助けさせていただく』…、そんな気持ちにすらなる、尊敬できる存在です」

 パラリンピアンに敬意を表しつつ、そのカッコよさを目の当たりにし、「自分だけ個性がないような感覚に襲われたんです」と、時間をかけて取材をしたからこそのストレートな感想を語った。

 さらに、「“いつか”を変えるときは“今”だと思う」という風間が、自ら撮影した“お気に入り”写真と応援メッセージを綴った「ソーシャル・グッド・プロジェクト」なる『ハートネットTV』の派生企画も注目を集めている。

 実は風間は今年初めから、「ジャニーズでもっとも忙しいアーティストではないか」と言われてきた。

 まず1月は5年ぶりとなる主演映画『猫なんかよんでもこない。』が公開された。3月には先輩であるV6岡田准一主演の『エヴェレスト 神々の山嶺』に出演。その岡田がCMキャラクターを務めている「マルちゃん正麺カップ」でも共演中だ。

 4月は、長年声優を務めている『遊☆戯☆王』シリーズの新作『THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』に主演。そして、4月期のドラマでトップの視聴率をおさめた嵐の松本潤主演『99.9 刑事専門弁護士』(TBS系)にゲスト出演し、最終話に並ぶ最高視聴率を記録した。

 さらには舞台『イントレランスの祭』にも主演し、5月には映画『少女椿』が公開され、7月、8月は、『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』でテリー役を好演。いまは大竹しのぶ主演で話題の『後妻業の女』にも出演しているのだ。

 風間と言えば、彼と同年代以上の視聴者には、『3年B組金八先生』第5シリーズ(99年・TBS系)での優等生の皮をかぶった問題生徒役の印象が強いと思う。ジャニーズJr.内では、山下智久、生田斗真、長谷川純らと「FOUR TOPS」というユニットを組んでいたが、山下がNEWSのメンバーになった時点で消滅。くしくも現在、FOUR TOPSのメンバーは全員ソロで活動しているが、ソロ歌手でもある山下や、映画や舞台の主演俳優である生田、ファッション誌でモデルをしていた長谷川に比べると、風間の活動は地味だった気がする。

 バラエティー番組専門放送作家の私が彼に注目をしたのは、彼がMCをする機会が多かった『裸の少年』(テレビ朝日系)だった。後輩ジャニーズJr.を仕切り、彼らの個性を把握し、前に出してあげられるタイミングを瞬時に察しながら番組をまわしていた風間。そこには彼の気遣いや優しさが溢れていた。

 その“司会力”は事務所内でも認められ、イベントのMCを任されることもあったが、彼がそこで歌ったり踊ったりということはなかったのである。

 その内、“他流試合”ともいうべき、ジャニーズ以外の舞台に出演するようになった風間。その都度、舞台人として有名な俳優や演出家から演技を評価されるも、「売れっ子」と言うには程遠いような状態だった。

 その頃の彼については、「懸命に自分を大きく見せるようなところがある」「プライドが高すぎる」と、ジャニーズ担当の記者らが口を揃えた。男性アイドル事務所に所属しながら、主流派ではない自分のことを風間はよく理解し、必死にもがいていたのだろう。

 それでも懸命に自分の居場所を探しながら、こつこつと仕事をしてきた風間に好機が訪れた。11年7月期のドラマ『それでも、生きてゆく』(フジテレビ系)だ。

 彼の役は「少年A」こと三崎文哉。いわゆるサイコパスで、少年院を経て社会復帰しても幼児に対する異常性愛を感じる…という、最後まで救われない、難しい役だった。

 満島ひかり、瑛太、田中圭、安藤サクラら若き演技派に加え、大竹しのぶ、柄本明、段田安則といった個性派に囲まれながらも、視聴者の目は風間に集中した。それほど彼の演技には鬼気迫るものがあったのだ。

 当然のように、多くのプロから風間に声がかかるようになった。その一人が脚本家の遊川和彦氏で、風間は氏が脚本を手掛けた朝ドラ、『連続テレビ小説「純と愛」』(NHK)でヒロイン・夏菜の相手役に抜擢されたのである。

 曰く、「前科27犯ぐらい」と言い、「劇中、何度パトカーに乗せられたかわからない」という風間は、なんと、朝ドラでもパトカーに乗っている。8時スタートになってからの朝ドラの中でも異質な『純と愛』にあって、もっとも異質だったのがまた風間の役だったのである。

 その『純と愛』がオンエア中だった年末のこと、当時、TOKIOの国分太一がMCを務めていた『ザ少年倶楽部プレミアム』(BSプレミアム)に、『あさイチ』のMCでもあるV6の井ノ原快彦や坂本昌行、TOKIOの城島茂、松岡昌宏らが集合。「その年のジャニーズのMVPは誰か」というテーマトークになった。

 そのとき、全員が「異論ナシ」として挙げた名前が「風間俊介」。朝ドラでの演技を見て「涙が出た」と言ったり、「イベントのMCだけに呼ばれてたよね」「頑張りがやっと認められた」と過去を振り返ったり…。先輩たちはみな風間のことをどこかで心配しつつ、やっと全国区になった彼のことを心から喜んでくれていたのだ。グループに属しておらず、日ごろ、先輩との共演がほとんどない風間にとって、これは嬉しい瞬間だったと思う。

 グループといえば、嵐の5人ともジャニーズJr.時代、ほぼ同期であり、二宮和也と生年月日が同じだったり、相葉雅紀とは休日、二人で出かけたりもする風間。『VS嵐』(フジテレビ系)にゲスト出演したときなど、気心の知れた嵐のメンバーと、“わちゃわちゃ”している様子は、双方のファンのツボでもある。

 が、やはり基本は孤高の人。誰も助けてくれないから自ら積極的にネットワーキングに励むし、思うようにカンパニーに溶け込めなかったり、演技において壁にぶつかってしまっていたりする後輩キャストを見つけると、声をかけ、救い上げるのも風間の特徴だ。

 だから、特に若手女優が風間と共演すると、いっきに輝く。松岡茉優、岡本玲、そして彼女たちより年上だが『ドラゴンクエスト〜』のヒロイン、中川翔子もまた、風間と共に芝居を作りあげた結果、急成長した女優たちである。

 でも、いまだに群衆の中に紛れ込むのを得意技とし、メジャーよりはマイナー志向。円の中心に居るよりは円の外から見ているほうを好むタイプで、そこがまた風間俊介の魅力と言えよう。

「ジャニーズの異端児」は、もっとも忙しい2016年、リオパラリンピックでパラリンピアンに寄り添い、手をさしのべ、彼らを円の中心に押し上げている。風間俊介のコメントは、間違いなく、リオパラリンピックの「見どころ」の一つとなっている。

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