『バイキング』の好調理由は、業界視聴率が高くネットニュースにすぐあがるからか

記事まとめ

  • 14年4月1日スタートのフジテレビ系『バイキング』の視聴率が上昇傾向だという
  • 実は坂上の『バイキング』でのコメントは、ほぼ毎日ネットニュースになっているらしい
  • 番組の業界視聴率が高くすぐネットニュースに上げ、番宣につながり好調との見方がある

低迷脱出?『バイキング』好調の理由は“業界視聴率”

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、このところ視聴率好調だという『バイキング』を分析。

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『森田一義アワー 笑っていいとも!』(フジテレビ系)に代わって、14年4月1日からスタートした『バイキング』の視聴率が上昇傾向だ。

 当初のコンセプトは「半径500メートルの日常をエンターテインメントする生活情報バラエティー」だったが、現在は「最新ニュースや話題のトレンド、巷のウワサなど様々なテーマで生ホンネトーク!」に変わっている。

 司会も、当初は月曜のみの出演だった坂上忍が全曜日を仕切るようになって約1年半が経ち、曜日のカラーが付いて来たリ、レギュラー陣と坂上のキャッチボールが確実に笑いになったりと、スタジオ内が円滑に回るようになってきたことが画面から伝わってくる。

「当たり目」は金曜に出演することが多い東国原英夫氏をメインにした政治家とのトークバトルにあった。そこから他の曜日もトークバトル形式になり、論客や専門家を迎えるスタイルで定着している。

 最近でいうと、高畑淳子の謝罪会見について、ゲストが“ホンネトーク”するところにもっとも数字があったようで、ほぼ一週間、あらゆる角度から同ネタを引っ張り続け、結果、視聴率6パーセント台が複数回、出るようになった。

 他局の番組でも高畑親子関連のニュースは長尺でオンエアされていたのだが、『バイキング』の場合は、高畑淳子と長年親交があるピーターや、息子・小園凌央が俳優の道を歩み始めたヒロミや、自身が二世である高橋真麻の意見などに説得力があり、ネットニュースやスポーツ紙のWEB版などが即とりあげた。

 直近では、夫の不倫報道への対処が見事だった三田寛子に直接連絡をとったという薬丸裕英と坂上忍が三田の想いを番組内でコメント。それもすぐにネットニュースにあがった。

 実は坂上の『バイキング』でのコメントは、ほぼ毎日のようにネットニュースになっていて、共演者から報告を受けた本人が「おれ、もうヤダ〜」「言うの、やめよう」と言うぐらい頻繁なのである。

 ネット住民からも「なぜ毎日、坂上忍がニュースに?」「坂上忍の記事が連日アップされているのはナゼ?」と話題にされている。

 住民曰く、暴言や失言の類ならまだしも、「それがどうした?」「だから何なの?」と思える、とるに足らない坂上のコメントばかりが毎日ネットニュースになるのは「不自然」だというのだ。

 答えは簡単だ。それは『バイキング』の業界視聴率が高いからに他ならない。

 かつて、スポーツ紙編集部には“芸能人ブログ専門の見張り番”が居たものだが、いまは、記者たちが当番制でテレビでの芸能人のコメントをチェックしていて、目ぼしいものがあるとすぐネットニュースにアップしているのである。

 某紙記者がボヤく。「『サンデージャポン』(TBS系)や『ワイドナショー』(フジテレビ系)がある日曜午前の担当になったときは特にタイヘン。(爆笑問題の)太田光やテリー伊藤、(ダウンタウンの)松本人志が時事ネタに何かしらのコメントをするからね」と。

 モバイル芸能ニュース編集部の担当者から「日曜日の午前、あの2番組をザッピングしながら、一字一句、聞き洩らさないようにするのが本当にストレス」と聞かされたこともある。

 同じように、『バイキング』も、スポーツ紙記者やネットニュースのスタッフたちがパソコンのキーボードに指を置きながら見る番組へと“昇格”したようだ。

 横並びは、王者『ひるおび』(TBS系)、『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)、そして、「いいともを終わらせた男」が立ち上げた『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)である。

 当初、『バイキング』は、ロケ企画で成功した『ヒルナンデス!』を意識していたように思うが、視聴習慣や予算などが原因で、全敗だった。

 が、「トークバトル」にリニューアルし、舛添問題や都知事選を厚めに扱ったあたりから数字が上向いてきた。

 そこに出ているのが、F2(35〜49歳の女性)F3(50歳以上の女性)に馴染みのあるタレントや文化人の論客たちということで視聴者も、そして業界人もチャンネルを合わせるようになったのである。

 実は私も14日、『バイキング』絡みの言動がすぐネットニュースにあがることを目の当たりにした。

 7月から水曜日に出させてもらっている私は、その日の最後に「SMAP25周年記念日」が入っていることをツイッターで告知していた。ラテ欄にも番組のサイドスーパーなどにも入っていなかったので、フォロワーさんに事前に知らせたかったからだ。

 ところが他のネタで盛り上がってしまい、ラストに予定されていたSMAPはカットされてしまった。それをまたツイッターで謝ったところ、その様子がスポニチアネックスに取り上げられYahoo!ニュースにもあがったのだ。

 まさに、「それが、どうした?」「だから、何なの?」だと私も思うが(苦笑)、恐らく、その時間帯のテレビ番組をチェックする“当番”だった記者にとって、いちばんのニュース(?)だったのだと思われる。

 実はこれまでにも「業界視聴率が高い」と言われた番組はあった。たとえば日本テレビ系の『Oha!4』。これは、仕事を終えた業界人が帰宅し、就寝前に見て話題にしていたのだ。現在産休中の前キャスター、中田有紀は、業界視聴率の高さから生まれたスターであり、そこから、同じような生活サイクルのお笑い芸人らに広まっていった経緯がある。

 また、起床が遅めの雑誌編集者やテレビ番組制作者がよく見る時間帯の番組として話題になり、視聴者に広まるのは午前10時台の生番組だ。『バイキング』同様、論客ゲストが集まる『ノンストップ!』は業界視聴率がひじょうに高い番組だ。

 業界人が話題にするだけでなく、ネットニュースにされる昨今は、当然、それが番宣につながり、視聴者の話題となり、世帯視聴率に繋がるというワケ。

 まだまだ『サンデージャポン』や『ワイドナショー』の視聴率には届かないが、目下のところ、『バイキング』は、この二番組を目標にしているのではないか。

 最後に坂上忍だが、彼は「『バイキング』はバラエティー」であることを熟知していて、番組がちょっと硬めに向くと、必ず芸人を使って、一笑いとることを心掛けているようだ。全曜日の差別化をしっかり理解し、レギュラー陣の個性も把握しながら回せる名司会者と見た。

 果たして、フジテレビの正面玄関に貼りだされる高視聴率番組ボードに『バイキング』が入る機会が本当に増えている。同時間帯の生番組の“背中”はすぐ目の前に見えているのである。

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