新ドラマでも 「大森南朋は目を細めたら悪役」の法則

新ドラマでも 「大森南朋は目を細めたら悪役」の法則

目を細めると悪役?

 松山ケンイチが主演する時代劇『連続ドラマW ふたがしら2』(WOWOW)が9月17日から放送が始まり、好評だ。オノ・ナツメさんの漫画が原作で、江戸を舞台に松山演じる豪快な盗賊・弁蔵と、早乙女太一演じるクールな相棒・宗次の2人が繰り広げる物語。役者陣は、この2人以外にも演技派が揃っているが、時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんは、大森南朋、菜々緖の演技の意外な見どころについて解説する。

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 WOWOWの『連続ドラマW ふたがしら2』 が初手から飛ばしている。

 パート1では、「脅さず、殺さず、汚ねえ金を根こそぎいただく」掟を守る赤目一味の盗賊弁蔵(松山ケンイチ)と宗次(早乙女太一)が、お頭(國村隼)亡き後、一味を率いて残忍な盗みを働く甚三郎(成宮寛貴)と対決。新たに盗賊集団「壱師」を結成して、次々と大胆な盗みを成功させた。

 オノ・ナツメ原作のマンガに惚れ込み、自ら主演を希望したと言われる松山は「男がすたるだろ!」と熱血で喧嘩っ早い弁蔵を熱演。早乙女はクールで頭脳明晰な宗次をすらりと見せる。名コンビができた。

 続編では、いよいよ「俺達は江戸のてっぺんをとる!」と弁蔵が大張り切り。だが、そこに恐ろしい敵が。火付盗賊改方の蔵蔵(大森南朋)である。江戸の凶悪犯罪を取り締まる役人であるはずの蔵蔵だが、個人的なモットーは「この世はしょせん色と欲」。欲望の塊のような冷徹な男で、ふだんは町人姿で賭場などに出入りし、裏社会の人間たちの間に紛れこんでいるのだ。「目を細めた大森南朋は悪バージョン」の法則通り(勝手に私が決めた法則です)、嫌なムード全開なのに、お調子者の弁蔵は「蔵蔵とは面白れぇ」とすっかり仲良しに。

 そんな蔵蔵に白ヘビのごとくするすると甚三郎が近づく。弁蔵、そして壱師、ピンチっ!!どんどん緊迫感が増す『ふたがしら2』だが、もうひとり忘れちゃいけないのが、我らが菜々緒である。このところ、ふつうのまじめ女子の役が多く、物足りなかったファンの期待に応える堂々の悪女っぷりを見せている。

 そもそも前の赤目の頭の妻でみんなに「姐さん」と呼ばれていたおこん(菜々緒)だが、頭が存命中から甚三郎とねっとりした関係に。続編ではどうなるのかと思ったら、なんと吉原の売れっ子太夫として、堂々の花魁道中をしているじゃありませんか!

 あの美貌だけに輝くばかりの花魁姿なのは言うまでもないが、考えてみれば、長身172cmに黒漆の超厚底花魁ぽっくり(15cm以上)にデラックスに結い上げた花魁の髪の高さを加えたら、全長2m近かったはず。ドラマ史に残る超大型花魁である。(ちなみに私が知る限り、これまでの史上最大の花魁は2001年テレビ東京の『宮本武蔵』に唐琴太夫役で出演した身長約180cmのIZAM)。

 続編初回では、悪い遊女屋の店主に監禁されて、海外に売られそうな遊女を「盗んでおくれ」と壱師に依頼したおこん姐さん。あれ?いい人になったの?と思ったら、またまた甚三郎とねっとりパート2を始める。

 大森南朋とは反対に、菜々緒の法則は大きく目を見開くと悪バージョン。今回も「うふん」と色っぽく目を開き、「男と女の仲なんて、体が胃の腑のどっちかだから」なんてことを言い放つ。入浴シーンも女壺振りもこなす菜々緒。いいわー。やっぱり菜々緒はこうでないと。

 血を観ることが嫌いな弁蔵も宗次も、そうは言ってられない気配が濃厚。脚本は劇団★新感線の座付作家でもある中島かずき、監督は『ジョーカー・ゲーム』などを手がけた入江悠。初期の必殺シリーズをリスペクトする脚本家と『ミッション・イン・ポッシブル』が大好きという監督がどんな盗賊エンタテイメントを仕掛けるか。見届けなくっちゃ。

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