1話に愛人が3人も 観月ありさ主演ドラマ『隠れ菊』が話題

1話に愛人が3人も 観月ありさ主演ドラマ『隠れ菊』が話題

観月ありさ主演の『隠れ菊』(公式HPより)

 10月の新ドラマが続々とスタートしているが、9月から始まったインパクト大のNHKのドラマが話題を集めている。『隠れ菊』は料亭に嫁いだ女将(観月ありさ)が、いきなりの離婚通告、料亭の倒産に多額負債、そして、夫の愛人との複雑な関係など、波乱に満ちた人生を描く。昼ドラ顔負けのドロドロした愛憎劇&過激な台詞は見どころ満載。コラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 ラブコメもいい。ミステリーもいい。でも、やっぱり濃厚な愛憎劇は面白い。というわけで、毎回すごい展開になっているのが、NHKプレミアムドラマ『隠れ菊』である。

 主人公の通子(観月ありさ)は浜松の名料亭「花ずみ」の跡取り息子で板前の旬平(前川泰之)と結婚。17年間、家事と子育てに専念していた。ところが姑で女将のキク(松原智恵子)が死去した途端、旬平の六年越しの愛人という酒造メーカーの女社長多衣(緒川たまき)から離婚届を突きつけられる。だが、開き直った通子もなかなかの強者。出した条件は「私を女将にしてくれたら、離婚する」。

 しかし、借金まみれの「花ずみ」は倒産。通子は離婚。ふたりの子を抱えてどうするのかと思ったら、なんと多衣に借金して「花ずみ」の名で小さな料理屋を開店し、女将となって、板長に元夫を雇うのだ。
 
 わざとややこしくしてんのかと思うような三角関係だが、事態はもっと複雑に。「花ずみ」の従業員・千秋(渡辺典子)が店に入った予約を勝手にキャンセルしていたことが発覚。千秋はライバル料亭の板長前田(木下ほうか)の愛人だったのだ。さらに「花ずみ」に多衣が現れ、カウンター越しにバチバチと通子にジェラシー光線を照射している最中、店にワケアリそうな熟女鶴代(烏丸せつこ)が現れる。「花ずみ」の先代の愛人だったという鶴代は、かつての店に比べると「洒落たウサギ小屋」などと嫌味を言った挙句、キクにひどい目にあわされた仕返しにと、通子がキクから受け継いだ着物にしょうゆをぶっかけた! ひえーっ。

 そんな鶴代に毅然と立ち向かったのは通子…じゃなくて、多衣。「(愛人が奥さんからされたことを)逆恨みするなんて、愛人の風上にもおけやしない!」ひえーっ、パート2。

「おけやしない」って言い回しにシビれますね。そして、愛人の風上ってどこなのかしら?一話に愛人が三人出てくるというハットトリックドラマは初めてみた。しかも、みんなで取っ組み合いになるのかと思ったら、なぜか一致団結して「花ずみ」に発注された「弁当1000個」完成に向けて腕まくりしているのである。

 これで丸くおさまるのかと思ったら、別れ話がこじれて前田を刺した千秋が血まみれで店に転がり込んできたり、独身に戻った通子に「僕にもチャンスが巡ってきたのかな」なんてことを言いだした社長(筒井道隆)が怪し気な取引をしていたりと、次々事件が。とにかく平和な時間が一分もないのである。豪華な着物を着こなす観月ありさの堂々の女将ぶりはさすがだが、やっぱり気になるのは、愛人三人。

 角川映画のヒロインだった渡辺典子の「人生いろいろありました感」はリアルだし、緒川たまきが鶴代のことを「同類だから…」なんて言う「ひそひそ声」にはゾクゾクする。でもって、烏丸せつこが醸し出すベテランの色気「愛人道」はもはや名人芸。宮藤官九郎の「オールナイトニッポン」では「烏丸せつこ最強説」が語られたが、せつこはその期待を裏切らない。

 ウサギ小屋、愛人の風上、同類など、強烈な名セリフも多いこのドラマ。『隠れ菊』どころか、みんな言いたいことをぶつけて、なんでも表沙汰になるところがミソである。

関連記事(外部サイト)