2000年代流行語 中津江村、テツandトモ…当事者たちの今

2000年代流行語 中津江村、テツandトモ…当事者たちの今

森首相の「イット革命」という発言も話題に(写真/共同通信社)

 1年の間に発生した出来事にまつわる話題の言葉を選ぶ「ユーキャン新語・流行語大賞」。2000年代の主な「年間大賞」を振り返りながら、その当事者たちの現在を追いかけた──。

■2000年

【IT革命】

 IT分野の成長を、経済発展や社会組織の構造変革につなげようとする「IT革命」が流行語に。森喜朗首相(当時)が「イット革命」と誤読したことでも話題になった。授賞式にはITで商店街活性化に取り組む高校3年の男子生徒が出席。

■2001年

【米百俵/聖域なき改革/恐れず怯まず捉われず/骨太の方針/ワイドショー内閣/改革の「痛み」】

「自民党をぶっ壊す」「痛みに耐えてよく頑張った。感動した!」など、ワンフレーズのメッセージを得意とした小泉純一郎氏。印象に深く残った名(迷)言は数知れず、そのDNAは息子の進次郎氏にも受け継がれているようだ。

■2002年

 2002年は「タマちゃん」と「W杯(中津江村)」が年間大賞に。授賞式には、鶴啓二郎氏(真珠夫人)、齋藤孝氏(声に出して読みたい日本語)、串岡弘昭氏(内部告発)、黒住祐子氏と佐々木裕司氏(タマちゃん)、坂本休(W杯[中津江村])、松井秀喜氏(GODZILLA)、佐々木憲昭氏(ムネオハウス)、藤本信一郎氏(ベッカム様)が受賞者として出席した。

【タマちゃん】

 8月に多摩川の丸子橋付近にオスのアゴヒゲアザラシが出没。その動向は連日報道され「タマちゃん」の愛称とともに多くの人の関心を引きブームとなった。翌年横浜市西区より特別住民票を与えられた。2004年4月を最後に消息は不明。

 FNNスーパーニュースでリポーターをつとめていた、タレントの黒住祐子さんがタマちゃんを追った日々を振り返った。

「視聴者から『多摩川にアザラシらしきものがいる』という情報があり、現地に行ったところ、近所の保育園の子供たちが見に来ていて『アザラシちゃーん』と呼んでいたので、『じゃあ、みんなでお名前を付けよう』と一緒に考え『多摩川だからタマちゃんにしよう!』となりました。

 その年の暮れに命名者として『流行語大賞』の授賞式に参加させていただきました。暗いニュースが多かったその年に『タマちゃん』という明るいニュースが流行語に選ばれてとても光栄でした。

 今でも多摩川を見ると『タマちゃんはいないかな?』とふと探してしまいます。どこかで元気にしていてくれたら嬉しいです」

【W杯(中津江村)】

 日韓W杯の際、カメルーン代表がキャンプを張ったのが大分県中津江村。代表チームの到着が予定より5日も遅れるハプニングが起きるも、村民が温かく迎え入れた様子が報じられ、村長をはじめ中津江村が脚光を浴びた。中津江村は2005年に日田市に編入合併された。元中津江村村長の坂本休さんが、授賞式での思い出を語った。

「受賞のお話をいただいた時は、最初バラエティ番組か何かで笑いものにされるのだと思ってお断わりしたんです。後からそうではなく意義ある賞だと聞いて思い直しました。

 授賞式はとても華やかで、同じテーブルには野球の松井秀喜選手がおられ緊張しました。サッカーのルールはほとんど知りませんでしたが、受賞できて大変光栄でした。現在は隠居の身ですが、大分トリニータは応援しています」

■2003年

【マニフェスト】

 政権公約として、実行までの財源やプロセスなどを具体的にまとめたものを指す。2003年の統一地方選で多くの候補者が以前にはなかったマニフェストを提示しはじめたことで、マニフェスト選挙ともいわれた。

【なんでだろう〜】

 中本哲也(テツ)と石澤智幸(トモ)によるお笑いコンビ・テツandトモ。赤青のジャージ姿で日常の疑問を「なんでだろう〜」と連呼するネタが大人気になりこの年の流行語に。現在は営業でのステージ依頼が芸人屈指の多さを誇り多忙を極める。流行語大賞を受賞した当時の思い出を、テツandトモが振り返った。

「授賞式の当日は、取材のカメラの多さに驚き緊張しました。友人、知人、関係者など沢山の方々に祝福してもらえていい思い出です。毎年この時期になると、様々なメディアから流行語大賞に関する取材依頼があります。露出が増えることに感謝しています!

 今でもライブの開始時に司会の方が私たちを紹介する際、『2003年、流行語大賞・年間大賞受賞!』と言ってくれるんですよ」

■2006年

【イナバウアー】

 トリノオリンピック唯一の金メダリスト、フィギュアスケートの荒川静香が得意とした技の名前。本来のイナバウアーよりも誇張した独特のポージングは多くの人が真似をした。荒川は現在、日本スケート連盟副会長などをつとめている。

■2008年

【グ〜!】

 親指を立てて突き出すギャグで一世を風靡したエド・はるみ。まさか大賞を受賞するとは思っておらず、授賞式に3時間遅刻するというハプニングが起きた。彼女は昨年、慶応大学大学院の修士課程を修了した。

■2009年

【政権交代】
 8月に行なわれた衆院総選挙で、民主党が115から308と議席を大きく伸ばし政権交代を果たした。発足当初の政党支持率は70%を超えたが、消費税や沖縄米軍基地の普天間移設問題など政治課題に対処できず、民主党政権はわずか3年で幕を閉じた。

※週刊ポスト2019年12月13日号

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