西島秀俊、豊川悦司 二枚目俳優が“はじけるCM”が注目  

西島秀俊、豊川悦司 二枚目俳優が“はじけるCM”が注目  

西島秀俊のホコリ役はハマり役?

 西島秀俊、豊川悦司が出演しているCMが話題を集めている。2人が出演しているCMのなんとも言えない面白さについてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。
 
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 日本のCMには、「二枚目が大まじめに変な役をする」パターンが結構多い。最近、光っているのが、花王アタックNEOの豊川悦司「悪臭菌の主張シリーズ」。

 銀色の「洗濯槽」の中にいる黒いスーツ姿の悪臭菌(豊川)が、いつもの渋い声で語りだす。「われわれ悪臭菌は、服からはがされても洗濯水の中で…」と、ここで一拍置いて、ふふっとほほ笑みながら「生きてます」とカメラ目線だ。そして再び服の中に戻って「ニオイを放つ」とパアッと手を差し出す。

「普段の過ごし方篇」では、洗濯槽の中で落ち着き払った豊川が、ポケットから名刺を出して「悪臭菌と申します」とご挨拶。「普段の過ごし方…ですか」とまるでインタビューされているようにタオルやバスマットで悪臭を放っていると告白するのである。

 CMでは、そんな不敵な悪臭菌が抗菌水にはからきし弱く、渋い顔になったり、「おおっ」倒されたりするという流れ。洗濯槽の底で苦悶の表情の悪臭菌。洗濯の話なのに、豊川の一人芝居を見ているような味わいだ。

 一方、もうひとりの大まじめ二枚目は西島秀俊。パナソニックのロボット掃除機「ルーロ」の働きぶりをじーっと見ながら、「あんなすみまできれいにされたら、ゴミも逃げ場がないな…」と思っているうちに、突如、自分が全身黒ずくめの格好でホコリの一粒?になってしまう。目の前に巨大なルーロが迫ると、同じく黒ずくめの仲間のホコリたちが団体で逃げまどい、「すみに逃げろ~」と部屋のすみへと猛ダッシュ。

 すみはダメだと知っているホコリ西島も「これがゴミのサガなのか」と思いつつ、結局、すみに追い詰められる…。近年、タフな役が多く、今クールも、『CRISIS公安機動捜査隊特捜班』などアクションもバッチリ披露している西島だけに、ホコリになっても活劇っぽく見えるのがミソである。

 豊川、西島のCMを見て思い出すのが、20年以上前のキンチョーリキッドの近藤正臣CMシリーズである。茶色の着ぐるみでタヌキになった近藤が、なぜかどこかの廊下で青いサッカーのユニフォーム姿の中山雅史とキンチョーリキッドを必死に奪い合う。かと思えば、池に浮かんだ巨大な蓮の葉の上にカッパ着ぐるみ姿で寝そべり(蚊にさされると)「意外なところがカイカイカイ」と内股を掻いている。当時の近藤といえば、二枚目の代名詞のような存在で、多くのメロドラマで女性ファンを魅了してきた。それがいきなりのタヌキやカッパ。「なんでまた!?」日本中がびっくりであった。

 近藤タヌキショックから、およそ四半世紀。今は、オダギリジョーがバナナになったこともあったし、織田裕二はわんこになっている。悪臭菌やホコリもそりゃアリでしょう。しかし、豊川(かつてキンチョールCMでアロハ姿のあやしげな兄さん役を演じたことはあったが)も西島も、黒ずくめでどこか演劇的、カッコよさを残している。言ってみれば、まだまだ二枚目のままなのだ。何かがはじける音がした近藤正臣CMを思えば、ふたりには、さらなる「はじけ」を期待したい。本人に頼めばやってくれそうだし。

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